表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/26

4.島の探索

「その地図があってるのか、確認しに行きたくない?」

荷物をしまった後、美結(みゆう)がそんなことを言い出した。

確かに、一部変わっているところもあるかもしれない。

「確かに、行きたいな。どうせ地図で真ん中にある洞窟に行ってみたいし、そこに行く前に島を回ってみようか。」

「うん!」

「じゃあ、この舟をどうにかしておくか…」

「え、この舟に何かするの?」

「ああ。いざというときに使えるかもしれないからな。変に動いたりしないようにしておこうと思って」

「そっかぁ…じゃあ、私も手伝うね」

「いや、俺一人で大丈夫。ちょっと待っててね」

そう言い残し、友佑(ともひろ)は舟を横に倒し、流れないように岩に引っ掛ける。


…本当にこれで大丈夫なのかは疑問ではあるが、これ以上のことをしていると時間もかかるので仕方がない。


「よし。じゃあ、行こうか、美結。」

「うん。どっちから回ってみる?」

「とりあえず、水があるところに行ってみた方がよさそうだから、左から回ろうか。

この地図によるとそこに川があるみたいだから…」

「そっか、水も必要だったね…私すっかりハイキング気分になっちゃってたよ」

遭難している状況でよくそこまで楽しめるな、と友佑は感心した。まあ、それで美結への評価は変わらないが…

「?友佑、行かないの?」

「ああ、ごめん。行こうか。」

「うん!」


しばらく歩くと、地図通り、川が見えてきた。いわば小川のような小さいものかと思っていたが、意外と大きい。

泳がないと渡れないようなレベルである。

もちろん、橋などはなく、荷物があるのに泳ぐわけにもいかないので、川伝いに上流方面へと歩いていくことにした。


しばらく歩いたところで。

「キャーッ!」

美結が悲鳴を上げた。

前を見てみると。

そこには、とぐろを巻いて寝ている蛇。

「へ、蛇…」

「友佑君、なんとか…して…」

見たくもないようで美結が友佑の後ろに隠れる。

しかし…

「ごめん、俺も蛇は無理…」

「え」

美結が友佑を見てくるが、無理なものは無理である。

「迂回しよう」

「う、うん…」

と、いうことで、辺りに通れる場所を探したのだが…

「迂回できないな…」

「え…じゃ、じゃあ…」

「突破するか、島を逆に回ってくるしかないな…ただ、流石に島を逆に行くというのはなぁ…」

「もうその方がいいよ!」

「まあ、美結がそう思っているんなら逆から回ってみようか。」

「うん。」

通れるような場所は来た道(?)以外には見当たらなかったので、来た通りにそのまま帰ることになった。


「この島蛇いるんだね…」

美結がポツリと呟いた。

「だな…いないでほしかった…まあ、大抵の島には蛇居そうではあるけどなぁ…」

「確かに。ここ、無人島だもんね。」

「まあ、仕方がない話だな…ところで、美結荷物重くないか?持つぞ」

「あ、ありがとう…」

「ごめん、さっき気がつかなくて」

「ううん、大丈夫だよ。友佑君も重い荷物持っているし、私が持つべき荷物だから。」

「いや、それでもだよ。美結に重い荷物を持たせたくないし。」

「ありがと…あれ?」

美結が何かに気がついたような顔をしている。

「ん?どうした?」

「友佑君…さっき舟に乗っていた時に、電話してたでしょ?」

「してたな」

「あの時さ、後で良夏(よしか)ちゃんたちと合流するっていってなかった?」

「…そういえば、言っていたな…」

「それってどこなんだろう?もしかしたらさ、良夏ちゃんたちがここら辺を通るってことはないの?」

あり得る。大いにあり得る。

「確かにな。全然気がついてなかった…美結、よく気がついたな…」

「えへへ、そうでしょ。」

「うん。じゃあ、とりあえず海がよく見える場所に移動するか。」

「そうしたほうがよさそうだね。」

舟の近くに海がよく見えるところがあったので、そこまで戻ることにした。


歩くこと、数分。

海のよく見える場所まで戻ってきた。

夏の太陽の強い光が、水面に反射してキラキラと輝いている。

若干まぶしいが、とても綺麗な光景だった。

「…いないね」

美結の声に我に返る。

そうだった。今は景色を見に来たわけではない。4人が乗っている舟を探しに来ているのだ。

「まあ、少し待ってみようか。いつ通るのかとか、どこを通るのか、…考えたくはないけどそもそもここを通るのかとか何にもわからないし。」

「そうだね~。じゃあ、友佑君、少し何か食べない?歩いてお腹すいたし。」

「そうするか。何食べる?」

「…乾パンとか?」

「まあ、非常食系統しかないもんな。乾パンか、もしくは缶詰何か開けるか、だな…」

「あ、缶詰開ける?フルーツ系とかもあるみたいだし」

「俺は美結に合わせるから、美結が選びたいものを選べばいいよ。」

「そうなの?じゃあ、私選ぶね…うーん、みかんと桃どっちがいいかな…」

「どっちもおいしそうだよね」

「だよね~。うーん…」


…時間は刻々と過ぎてゆく。


その後も、プチピクニックのようなことになりながら舟を待っていたが数時間経っても全く姿が見えないので諦めることにした。


もしよろしければ、下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると、励みになります。


6月10日13時追記

サブタイトルを間違えていたため、訂正いたしました。申し訳ございません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ