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あの日。
「海は、嫌いだ…。」
そう言ったじいちゃんの顔は、
涙ぐんでいた。
ぼくは、今年10歳になる。
ぼくの家族は、お父さんとお母さん
3歳の妹とじいちゃんの5人家族だ。
ぼくの家族も、親戚も、
学校の先生も、友達も、
近所の人も、一年に一度。
「3月11日」の14時46分になると
黙祷をする。
「黙祷は、
亡くなった人への冥福であり。
あの日の経験を、生きてる私たちが、
忘れないためでもあるんだよ。」と
お父さんとお母さんは、強い声で話てくれる。
…その日は、
ぼくが生まれる前の年の
大地震があった日だった。
…その日は、ぼくのおばあちゃんが、
大きい地震が原因で、
住んでいた家が津波に流されて…。
亡くなった日でもあった。