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まったく別の、呪詛

 護摩壇ごまだんを組む。いつもの壇とは違うので、勝手が違う。

 火を燃やし、薬草を投げ入れた。

 形代かたしろを並べる。

 呪言を唱える。これも初めて見る呪文だが、いただいた写本を読み込み、暗記した。

 これから、呪詛を行うのだ。


 尊敬する座主ざす様から、直接お言葉を賜った。

 命じられたことは、恐ろしく畏れ多いことではあったけれど、それが座主様、引いては我が一族の繁栄となって、報われる。

 我とて、この年になるまで、自分の道も決められなかった。これで我の行く末も、見えてくるだろう。


 呪詛に必要な、髪の毛や息がかかった人形は、座主様が用意してくださった。本来なら、とても手に入れられないはずなのに。

 きっと、この企てには、我などが考えるより、ずっと多くの協力者がいるのだろう。

 我が用意したものといえば、せいぜい護摩壇と薬草だ。大抵は、寺の中にある。少し特殊な薬草も必要だったけれど、奥の山に入れば、簡単に見つけられた。


 幾晩でも。何日でも。

 必ずや、成功させてみせる。

 ――今上きんじょうが、身罷みまかられるまで。



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