99話 火龍討伐 7
「撃て~!!」
約50挺の銃口からゴム弾が放たれて、ごろつき共を打ちのめす。
「が、グェ!!」
「ぐわ!!」
「おぶっ!?」
ドドドドン、タタタタタタン、タタタタタタン、ドドン、ドドドドン!!
銃声が鳴り響く度に、ごろつき共が呻き声を挙げる。
前衛が倒れても、倒れても、次々に森から飛び出して来る。
まるで、レミングの死の行進だ・・・・迷信らしいけど。
10分程すると、100人近くのごろつき共が更地に転がっていた。
スキルマップ作成によると後続の100人は荷物、この場合は火龍アラドームの死骸を運搬する為の要員のようだったが、戦闘班が全滅して逃げるかどうするか決めあぐねているようだった。
アシュラ王国の使者が前進を大声で叫んでいるのは耳の良いエルフの団員が聞き取っていたが、後続の100人はそれに耳を貸していないようだった。
しかし、悪事に加担した者は1人たりとも逃がす気は無い。
20人程の団員を残ったごろつき共の後方に配置すると、マコトはアイテムボックスから取り出した拡声器でごろつき共に呼び掛けた。
「こちらは、軍団葬送曲だ!!
我々の仕留めた獲物を横取りせんと集まったごろつき共、無傷で降伏するか痛い目に遭って捕縛されるか、選ぶが良い!!」
半分程のごろつきは諦めたかのように座り込んだが、残りは抵抗することを選んだようだ。
勿論、その中にはアシュラ王国の使者も居た。
「我らが得られるべき物を得て何が悪い!!
進め!勇士達よ!!」
何か盗人猛々しいことを言って突進して来るが、策も何も無いただの突撃であり、こちらの対応も前衛にしたものと変わらなかった。
「構え~!!撃て!!」
ドドドドン、タタタタタタン、タタタタタタン、ドドンドドン、
次々と突撃して来る50人程を全て打ち倒すのに、5分かからなかった。
ちなみに、アシュラ王国の使者は木の陰に隠れて居たところを捕縛された。
座り込み戦意を無くしていた者達も捕縛したが、こちらは他のごろつき共とは別にしておいた。
こちらは片付いたのでホームベースに無線連絡すると、ドリンドルの街のごろつき共も片付き、葬送曲の団員と衛兵隊と冒険者ギルドからやって来た冒険者達とで捕縛中であるが、人数が多過ぎて拘束して置く場所が無いとのことであった。
ただでさえ火龍アラドームから逃れて来た難民でドリンドルの街はいっぱいいっぱいなのに、そこへ700人近い犯罪者だ。
そこで、仕方なく軍団の飛行場の一角を提供することにした。
飛行場には火龍アラドームの死骸も空輸する予定なので、その際にまた暴徒化しないか不安だったがしょうがなかった。
解体場を襲撃して来たごろつき共は、自分達の戦利品を載せる筈だった荷車に乗せられて、ドリンドルの街へと移送された。
それと、時刻をほぼ同じくして多目的戦闘ヘリ、バイパー8機がかりのアラドーム空輸計画が実施された。
アラドームの巣にあった財宝はアラドームを氷漬けにする作業の合間にバイパーを使って運び出して、葬送曲のホームベースにある宝物庫に納めらた。
スキル武器創造の為のポイントも万単位で貯まり、しばらくは困ることは無いだろう。
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