98話 火龍討伐 6
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明日に火龍アラドームの移送を控えた夜、スキルマップ作成に反応があった。
調べると、武装した人間が100人程こちらの解体場に向かって来ていた。
その後方には、これまた100人程の人間と数十頭の馬や荷車の牽引を行う魔物が居た。
何故こんなにも大量の人間がこんな所に居るのか?
その謎は後方の人間達を調べるとすぐに分かった。
アシュラ王国の使者が、その中に混じっていたのだ。
龍の素材と魔石がドリンドルに揃うのを待ちきれなかったらしい。
他にも理由は有るのかもしれないが、今はそんな事はどうでも良かった。
マコトは長距離無線機でドリンドルのホームベースの無線当直を呼び出した。
何やら向こうもドタバタしているらしい。
「HQよりホームベース」
「ホームベースです、どうぞ」
「こちらの解体場に暴徒が押し寄せてきている、そちらに異常は無いか?」
「ホームベースよりHQ、こちらにも、暴徒が500人程向かっているとの市民からの通報が有り迎撃態勢を取りつつあって報告するところでした」
「HQ了解、市街地での戦闘になる、余計な被害を出さない為にもアレフガルド王国戦で使用したゴム弾が倉庫に入っている筈だ。
それを使え」
「ホームベースよりHQ、事後報告になりますがアリシア副司令が指示して既に配分済みです」
「その命令を追認する。
なるべく死者を出さないようにしてくれ、暴徒の中にはアシュラ王国の人間も居るようだ。
なるべく捕縛して衛兵隊に付き出すように、また、ゴム弾が無くなれば通常弾で相手をするように、間違っても白兵戦闘等しないように、以上だ」
「了解しました」
「さてと・・・・・」
マコトはアイテムボックスからアレフガルド王国戦時の余剰物資であるゴム弾を取り出すと部隊配分を始めた。
こちらは軍団、葬送曲が約50人、冒険者ギルドの人員は戦闘が出来る者ばかりで固められて約30人、合計約80人で解体場の防衛を行うことになる。
敵は最大でも、200人前後である。
マコト達が負ける要素が見当たらない。
それとも、敵には秘策が有るのだろうか?
マコト達は火龍アラドームの死骸を背後にして陣地を敷いた。
敵には、鱗1枚渡す気は無い気持ちの現れだ。
午前2時30分頃、相手はその牙を剥いた。
「皆殺しにしろ~!!」
威勢だけは良いごろつき共が叫び声を挙げる。
敵は夜目が利く獣人を先頭に押し立てて来るようだ。
ちなみにドリンドルに居る獣人は、アレフガルド王国で蛮行を働いた獣が二足歩行したようなタイプではなく、人間に獣の耳や尻尾が付いたタイプが大半である。
しかし、今回はスラム等から手当たり次第に集めたせいか、獣タイプもだいぶ混じっているようだ。
だが、我々葬送曲には関係無い。
1人残らずなぎ倒すだけである。
ごろつき共が森から姿を現し出す。
「構え!!」
約50人の団員が、7・62mm19式自動小銃や5・56mm軽機関銃を構える。
火龍アラドームの死骸の周囲は、作業がしやすいように半径200mの円形の空き地になっている。
つまり、森から出た時点で敵はキルゾーンに自ら飛び込んで来ているのである。
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次回更新は6月15日午前7時を予定しています。




