94話 火龍討伐 2
2日後、葬送曲のホームベースに有る作戦会議室に、各部署の指揮官級が集まっていた。
「司令、入室されます!!」
全指揮官が起立して、マコトの入室を待ち構えた。
「やぁ、久しぶりだな!」
包帯だらけのマコトが、アリシアに車椅子を押されて入室して来た。
指揮官達の中には、安堵感から涙ぐむ者達もいた。
「しばらくの間、留守にして心配をかけてすまなかった」
そう言って、マコトは頭を下げた。
指揮官達は黙って受け入れた。
「それでは、火龍討伐作戦の概要を説明する」
そう言って、アリシアが指揮官達にレジュメを配っていく。
「巣の位置は幸いなことに判明している。
早朝、火龍が巣を飛び立つと同時に航空部隊バイパーがロケット弾を発射して地面に叩き落とす。
地面に墜落したところを重迫撃砲、155mm榴弾砲の集中砲撃を加えて、砲撃が終了し次第に航空ヘリ部隊から歩兵部隊を降下させて火龍の死亡確認を実施させる」
航空部隊指揮官が質問する。
「バイパー部隊は全機出撃でしょうか?」
「4機を火龍の攻撃の為に、重武装仕様にして残りの4機に航空騎兵部隊を搭乗させる」
重迫撃砲小隊長と155mm榴弾砲小隊長が、顔を見合せて155mm榴弾砲小隊長が、質問をする。
「使う弾種は通常の榴弾でしょうか?
それとも、例のフレシェット弾でしょうか?」
「今回の砲兵隊の仕事は敵のトドメだ。
よって、火力を重視して榴弾による砲撃に専念して貰う」
「砲撃終了のタイミングは?」
「偵察部隊による目視確認により十分と判断したら、司令部より中止指示を出す」
「了解しました」
「本作戦で重要視させるのが、偵察部隊による戦果確認だ。
攻撃が中途半端だと火龍に逃げる機会を与えることになるし、過剰攻撃だと火龍の素材を無駄に損ねることになる」
偵察部隊長が立ち上がり、
「全力を尽くします!!」
と気合いを入れて宣言した。
「それでは、重迫撃砲小隊、155mm榴弾砲小隊は所定の位置へ。
偵察部隊も前日からになるが、宜しく頼む。
航空部隊も攻撃部隊と歩兵輸送部隊に別れて、準備をしっかりとするように。
それと、歩兵部隊は84mm無反動砲は勿論、念のために新装備の110mm個人携帯対戦車弾パンツァーファーストⅢを携行するように」
「「了解しました!!」」
マコトは1人作戦会議室に残っていた。
「司令・・・・」
作戦会議室の入り口、そこにはアリシアが立っていた。
「不安・・・・なのですか?」
「・・・・・!!あぁ、不安だとも、相手は4つもの都市を滅ぼし、今も尚破壊を撒き散らす破壊の権現だ。
そんな奴の前に部下のみを行かせないといけない、こんな身体のせいで!!」
マコトは包帯だらけの身体を見つめる。
「司令、貴方が鍛え、育てた私達を信じて下さい。
少なくとも、明日の作戦に不安を抱えている団員は居ません。
皆、司令を信じていますから・・・・・」
「信じている、信じているさ!!
だからこそ、怖い、私の手の届かない所で部下が死ぬかもしれないということが。
皆の期待を背負うということが!!
本当の私なんか、取るに足りない凡人だ。
ただ神から、与えられた能力があったからこそ、ここまで来れた普通の人だ」
「良いんですよ。普通の人で、神様なんかだとこっちが困ります。
司令は司令らしく、指揮を取って皆を導いて下さい。
それくらいなら、普通の人でも出来るでしょう?」
「君は酷い人間だな」
「どこかの誰かさんは、パーティーメンバー2人を亡くしたばかりの私を早速、自分のパーティーに勧誘してましたけどね」
「あぁ、そうだ。そんな事もあったな」
「そんなぐらいの図々しさで良いんです。
火龍アラドームなんか俺の敵じゃないぐらい言い切って下さい」
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次回更新は6月8日午前7時を予定しています。




