93話 火龍討伐 1
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「奴の首を取る為にも、寝床を知らないとな。
調べは付いているんだろう?」
「はい、詳しくはレジュメに有りますが、コダの森の中層付近に巣を確認しています。
どうも、我々の知らない内に作り上げて居たらしく、数年は経っていそうだということです」
「では、お宝も期待出来そうだね」
「はい、偵察隊が龍を崇めるリザードマンの集団が、巣に財宝を運び込んでいるのを確認しています」
「完璧だ。アリシア。他にその事を知る者は?」
「巣の位置も含めて知るのは、我々、葬送曲だけです」
「ますます、完璧だ。部隊は何時でも動かせるな?」
「はい、野戦特科小隊を含めて、全部隊が司令の采配をお待ちしています」
そこで、マコトは咳き込んだ。
「司令?!」
「大丈夫だ。作戦決行は3日後、2日後にブリーフィングを行う。
各隊には、そのつもりで準備をさせておけ」
「了解しました」
「それでは私は休む。アイシャ、関係の無い長話に付き合わせて悪かったね?
マラ婆さんの所へ行って休みなさい」
「いいえ、私はここに残ってマコトさんの看病をします!」
「村の人達も慣れない環境で疲れている筈だ。
村の中心とも言えるアイシャが居ないと皆が不安になるだろう、
行ってあげなさい」
「はい・・・・」
アイシャは医務室を後にする。
アリシアとアイシャは医務室から退室する。
「ゴホン、ゴホン」
「司令!!」
「大丈夫だ!!」
「しかし!?」
「これぐらいで寝込んでいる訳にはいかない・・・・」
「せめて、今だけはご静養を・・・・」
「分かった。静かに資料でも読んでいよう」
「では、側で待機しておりますので、何か有ればお呼び下さい」
マコトはベッドに横になると、アリシアの持って来たレジュメに目を通した。
「火龍をどう討伐するか・・・・・?」
18式手榴弾で、2週間程の手傷を与えることができたのだ。
こちらの火力が通じない訳ではないのだ、しかし致命傷を与えるまでの火力をどうやって火龍にぶつけるか?
やはり、航空兵力で地上に叩き落として、一気に火砲を叩き込むのがベストか?
バイパーで、その任に耐えきれるか、それとも新たに航空兵力を創造すべきだろうか?
「やはり、バイパーで行くか・・・・」
資料を読み込んでいくが、航空機というものを知らない異世界人が作った資料だ、肝心の知りたい部分等が抜けている。
「作戦決行を3日後というのは、早まったか?」
しかし、既に火龍による被害は出ている。
一刻も早い解決が求められている。
でも、その為に部下の命を賭けさせるのは得策と言えるのだろうか?
やはり、火龍に本来の実力を発揮させる前に、最大限の火力を叩き込むのが最善策だろう。
「この考えで行くか?」
今までと違う規模の敵だ。いくら悩んでも悩み足りないぐらいだった。
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次回更新は、6月6日午前7時を予定しています。