90話 一人旅 5
祝ブックマーク190件超え、ユニーク1万8000超え!!
Pvの方も間もなく13万件を達成します。応援して下さる皆さま、ありがとうございます。
無線機をアイシャに頼んで操作して貰うが中々繋がらない。
周波数は、最後にホームベースの無線当直と通信した時に合わせたままだから、単純に故障か距離の問題だろう。
今はとにかく身体を治さなくてはならなかった。
しかし、小さな村のため魔法薬等あるはずも無く、アイシャ達の懸命な看護が頼りだった。
治療が終わり、家の家事も終わるとアイシャは外の世界のことを聞きたがった。
特に葬送曲の冒険談を。
時にはそれにマラ婆さんも加わり、マコトは覚えている限りの冒険談を語ることになった。
アイシャの家にお世話になること13日目。
冒険者ギルドの使者がまた、村を訪れた。
その者が語るには、火龍は片翼に怪我を負っており、コダの森から出ることができない状態だそうだ。
思っていたよりダメージを与えたな、と考えていると使者が村に寄ったのは火龍と戦う為の戦力集めだそうだが、現状アイシャと怪我人、老人しか居ないアイノ村に戦力等有るはずもなかった。
しかし、マコトが自分の正体を告げると慌て出した。
どうも、葬送曲は火龍討伐よりも司令官であるマコトの捜索に力を入れているそうだった。
使者は後2日かけて他の村を回った後にドリンドルに急ぎ帰還して報告することを約束してくれた。
アイシャの家にお世話になること16日目、やっと自力で上半身を起こせるようになった。
両腕もなんとか上下に動かせれるようになっていた。
アイシャの家にお世話になること20日目、なんとか杖をついて歩けるようになった。
この杖は、スキル異世界マーケットで購入した物だから機能性は抜群だ。
右足を庇いつつ杖を使うことで、片手で18式自動拳銃を構えることができるまでになった。
そろそろ冒険者ギルドから連絡が行き、葬送曲から迎えが来ても良さそうだが?
村の備蓄食料が切れそうになっていたことから、スキル異世界マーケットで小麦等を大量に購入して寄付した。
アイシャ達もこんなに綺麗な小麦は初めてだと喜んでいた。
アイシャの家にお世話になって30日目には介護さえ有れば、外を歩けるようになっていた。
遂にスキル武器創造が使えるようになり、弾薬の補充を行った。
だが、1人でドリンドルまで戻るには、まだ体調面で心もとない。
火傷を負った皮膚がまだまだ完全には癒えずに、足を引っ張っていた。
35日目。村に避難民の荷馬車が多数やって来た。
この先の小さな町が火龍に襲われ、多数の死傷者が出たそうだった。
このままではこの村も危ない。マコトは3・5tトラックを1台創造し、運転の練習を始めた。
37日目。
ドン!!
3・5tトラックに仕掛けておいたトラップのスタングレネードが炸裂した。
18式自動拳銃を構えて、現場に向かうと避難民の若者3人がうずくまっていた。
他に人がいないことを確認すると3人を1ヶ所に集めて結束ヒモで拘束した。
その頃になると、村の住民や避難民達が集まり出していた。
その中に避難民の代表格を見つけると、マコトは若者3人が乗り物を盗もうとしたことを告げた。
その代表格も現場の状況から理解したのか謝罪して来たが、今の状況で移動手段である乗り物を奪われるのがどれだけ大変なのか避難民自身が良く分かっている筈なので厳重に注意して解放した。
38日目。避難民達は次の避難先を探しに出発した。
その日の夕方、マコトは村に残っていた村人17人を集めて、ドリンドルに避難することを説明した。
荷物は手荷物のみで、食料等はマコトが用意すると告げて、避難先での生活も保証した。
マコトは、この1ヶ月余りで村人の心を掴むことに成功しており、数人が愚図っていたが、他の村人が説得して村人全員でドリンドルに避難することに決まった。
マコトはアイシャとマラ婆さんの手伝いを済ませると、避難の間に他人が入り込まないように戸締まりをする村人を手伝い、出発前夜は、村の集会場で酒を配り宴を開いて、また村に戻って来ようと約束しあった。
39日目。3・5tトラックに荷車を牽引した状態でノア村の住民達はドリンドルに向けて避難を開始した。
誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。
次回更新は6月1日午前7時を予定しています。




