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85話 軍団の躍動 14

 スネーク8からの無線に北の街道に向かっている者、イースタの仮司令部で無線を聞いている者に緊張が走った。


 盗賊団にとって魔法使いは切り札だ。

 それが商隊の襲撃に加わっているということは、その盗賊団が敵の本命である可能性が高い。

 また、魔法使いは使いようによっては強力な武器となる。

 葬送曲(レクイエム)のエルフ達も簡単な精霊魔法ならば使えるが、高度をとって飛んでいるスネーク8まで狙って火の玉を飛ばすのは無理だ。

 

 よって、盗賊団に居る魔法使いはかなり強力な魔力を持った魔法使いとなる。

 下手をすれば葬送曲(レクイエム)に損害が出かねない。


 マコトも王都の商業ギルドでの会談を終えてイースタに戻る途中であったが、急遽行き先を北の街道に変えた。


 「HQより地上巡回班3、無線の通りだ。

 敵には強力な魔法使いが居る。

 歩兵戦闘車を全面に押し出して、注意して接近せよ!!」


 「地上巡回班3了解!!」


 「HQよりスネーク8、その後はどうだ!?」


 「こちらスネーク8、断続的に火の玉が飛んで来て地上に近付けません!!」


 「了解した。応援が到着するまで無理はするな」


 「スネーク8了解!!」




 「こちら地上巡回班3、現場到着!!さっそく火の玉が飛んで来ましたが、歩兵戦闘車に損害無し!!」


 「HQ了解、現場の状況はどうだ?」


 「かなり大きな商隊です。荷馬車が20両程、護衛らしき者達が盗賊団とやり合ってますが、押され気味です」


 「HQより地上巡回班3、盗賊団の後方に35mm機関砲をありったけ叩き込め!!魔法使いもそこに居る筈だ!!」


 「了解!!商隊に被害が出ないように上手くやります!!」


 

 「こちらスネーク1~4現場上空に到着しました!!」


 「良し、地上巡回班3の歩兵は歩兵戦闘車の砲撃後、盗賊団の背後に回り込みスモークを炊け。

 スネーク部隊はそのスモークを目印に団員を降下させよ!!」


 「スネーク1了解」


 「スネーク2了解」


 「スネーク3了解」


 「スネーク4了解」


 「スネーク8了解」


 「作戦開始!!」


 ドドドドン、ドドドドドドドドン、ドドドドン


 歩兵戦闘車の35mm機関砲が盗賊団を蹂躙する。

 その攻撃に合わせて地上巡回班3の歩兵24人が盗賊団の背後に近付いて行く。


 「敵だ!あらて・・・ぐぎゃ!!」


 途中、バラけている盗賊団に気付かれながらも排除して、後方50m程の位置についた。


 1人の団員が青いスモークを炊いた。

 その間も他の団員は盗賊達を狙撃して行く。


 バラバラバラバラバラバラ


 強力な風が巻き起こると同時に、エルフの団員達が風の精霊魔法を使い、ロープも無しにバイパーから飛び出して来る。

 風の精霊魔法使いであるエルフだからこそ出来る芸当である。


 これで、盗賊団の背後には総員64人の葬送曲(レクイエム)の団員が集結したことになる。


 「HQよりスネーク8、盗賊団に降伏勧告せよ」


 「スネーク8、了解!!」


 

  

 「くそ、さっきからバラバラうるせえなぁ!!」


 「お頭達の居る辺りで爆発があったけど、大丈夫か?」


 「そういえば、魔法使いのファイアボールも見ないなぁ!?」



 『こちらは軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)である。

 盗賊団の諸君、君らは包囲された。速やかに降伏せよ!!

 繰り返す、速やかに降伏せよ!!』


 「うるせえ!!こっちには大魔法使いの先生が居るんだ!先生お願いします!」


 「あれ?ファイアボールが飛ばないな?お前ちょっと見てこい!!」


 「しょうがねぇなぁ・・・・・おい!お頭と魔法使いの先生達が死んでる!!」


 「なんだと!?マジかよ!!俺は逃げるぜ」


 「俺も俺も・・・・・」


 パン、パンパパン!!


 「ぐぎゃ!!」


 「ぐぇあ!!」


 『逃走は許可しない。諸君らに残されたのは、降伏か死だ!!』


 「お、俺は降伏する!!」


 「俺もだ!!」



 こうして、指揮系統を失った盗賊団は次々と降伏していき、諦めの悪い数人は土に還った。


 






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次回更新は5月23日午前7時を予定しています。

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