84話 軍団の躍動 13
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葬送曲は一時的な混乱から立ち直り、今日も陸と空からの盗賊捜索作戦を行っていた。
捜索開始から17日目。以前の大規模な盗賊討伐作戦から1週間、何の手掛かりも得られていなかった。
マコトによる商業ギルドでの聞き込みによると、以前は大人数で中規模な商隊を襲っていたが、近頃は個人経営的な小規模な商隊が襲われているらしく、小規模な商隊の残骸の目撃情報が複数上がって来ているそうだ。
葬送曲の巡回でもその傾向は把握しており、いくつかの現場も把握していた。
これらの傾向から盗賊団は今までのような奪うのが目的の襲撃から、生き残る為の最低限の襲撃に移行しているように思われ、盗賊団の巧妙さが露となった。
ここでマコトは最終兵器を出すことにした。
サーモグラフィーを手元のディスプレイに写し出すセンサーをバイパーに装着することにしたのだ。
これなら、木の下に隠れて待ち伏せしている討伐や、盗賊のアジトを発見するのに大いに役立つだろう。
マコトがこれまでセンサーの装着をしなかったのは、盗賊と一般人の区別が付けにくい事にあった。
木の下に集団で居るからといって盗賊とは限らない、休憩している商隊かもしれないからだ。
しかし、現在の状況からそうも言ってられなくなり、バイパーの外部スピーカーと併用して怪しい集団を見つければスピーカーで警告をしてヘリボーンを行い臨検するという流れを、王都に行き商業ギルドと王国軍に話を付けた。
難航したのはサーモグラフィーの仕組みを説明することだったが、ハンディサイズのセンサーを持って行き、実演することで納得させた。
センサーを装着して3日目、捜索開始から20日目にして動きがあった。
そこは木々の多い街道の中でも特に木々が生い茂り、空からは何も見えない北の街道だった。
航空巡回中のコールサイン「スネーク8」が木々の茂みの下で、複数の熱源が争うように蠢いているのを見つけたのだ。
「至急、至急、スネーク8からHQ」
「HQです。スネーク8どうぞ!!」
「北の街道にて航空巡回中、複数の熱源を感知。
警告の後に団員をヘリボーンさせたいが、数が100を超える為に増援が必要」
「HQ了解、直ちに待機中の全機を直行させる。それまで警告に留めよ」
「スネーク8、了解」
「待機中のスネーク1~4を全機、緊急発進だ!!
場所は北の街道だ、急げ!!北の街道近くにうちの部隊は居るか?」
「地上巡回班3がちょうど北の街道を巡回中です!
戦力は歩兵戦闘車1、高機動車3、歩兵24人」
「無線機で呼び出して、スネーク8のところへ向かわせろ!!」
「了解」
『街道に居る者達に告げる!!こちらは、軍団、葬送曲だ。只今、盗賊討伐作戦中である!こちらの兵士が降りて行くが、協力されたし』
すると森の中から、スネーク8に向かって火の玉が飛んで来た。
「RPG!!」
葬送曲では、正体不明の飛翔体の事をそう呼ぶように教育されており、後部キャビンに搭乗していた8人に警告の意味で発した。
スネーク8の操縦士は、必死に火の玉を回避した。
「スネーク8からHQ、敵は魔法使い、繰り返す、敵は魔法使い。
攻撃を受けた!!」
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次回更新は5月21日午前7時を予定しています。




