78話 軍団の躍動 7
オーガの後始末を終えてからは、何事も無く無事に王都東の街イースタに到着した。
街には事前に連絡が行っていたのか、入り口の門の上に
『軍団、葬送曲の皆さまご歓迎!!』
の横断幕が掲げられていた。
以前、飛竜の群れから街を救ったことを覚えていた一団が居たらしい。
その事を知らない団員も多く今回は連れて来ていた為、古参の団員が新人に当時の状況を説明するといった光景がそこかしこで見られた。
200人近い人員と30両近い車両が街に入ると混乱が生じると判断したマコトは、自分の乗る高機動車と2両の軽装甲機動車で街に入ることにした。
街の方でも葬送曲の車列を見つけたのか、門や城壁上に人々が鈴なりになっているのが双眼鏡で見て取れた。
街の門にマコト達の車両が近付くと、衛兵達が必死で人員整理をしたのだろうか?
ちょうど車両が入れる程の幅が出来ていた。
それに従って徐行運転で進んでいると街の人々が、我先にと車両に触れようとバシバシと叩いて来た。
徐行運転なので、怪我人等は出てないようだが冷や汗ものである。
しばらく進むと行き止まりとなっており、そこには街の有力者らしき人々が並んで待っていた。
マコトは、そこで高機動車の助手席から降りた。
勿論他の団員も警護の為に降り、軽装甲機動車も戦闘態勢を崩していない。
街の有力者らしき人々の前にゆっくり歩いて行くと、1人の老人が進み出て来た。
マコトは立ち止まり、挙手の敬礼をすると、
「自分は軍団葬送曲の指揮官でマコトと言います」
と、自己紹介をすると老人は、
「イースタの街を国王陛下より任されております、イースタ子爵と申します。
以前この街が飛竜に襲撃された折りには討伐頂いたとか。
私はその際、王都に行っておりご挨拶が遅れてすみません」
子爵は、深々と頭を下げた。
「いえいえ、私達も王都に向かう際にたまたま遭遇したに過ぎません。
どうか、顔をお上げください」
「寛大な御言葉ありがとうございます。それで今回は盗賊団の討伐とか?」
「はい、この街の郊外の敷地を少々お貸し頂ければ幸いです。
後、300人程ですが、食料品等の補給をイースタの街でさせて頂きたいのです」
「分かりました。敷地の交渉、補給品の代金全てイースタ子爵家で持ちましょう」
「いえいえ、代金はしっかりとお支払い致します」
「それでは、我が家の恩人への面目が立ちませぬ」
「分かりました。では、敷地についてはイースタ子爵にお任せ致します。
補給品はこちら持ちということに致しましょう」
「マコト殿がそこまでおっしゃるのなら、そう致しましょう」
マコトは壊れた建物が修復途中で放置されている光景や街の立地から見て、この子爵領はあまり豊かでは無いのでは無いかと考えた。
恐らく、王都へと向かう人々の落とす金や王都の防衛的立地からの王国からの補助金が収入の大半だろう。
葬送曲が支払う代金も街に取っては貴重な収入となるだろう。
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次回更新は5月11日午前7時を予定しています。




