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72話 軍団の躍動 1

 航空戦力と機甲部隊、砲兵隊を戦力化した葬送曲(レクイエム)の活躍は目覚ましかった。

 以前、緊急依頼で訪れた魔の森との最前線である城塞都市ミルドから、再び依頼が来た。

 どうやら、また魔物集結の予兆が見られるらしく、以前の防衛戦で活躍したのを覚えていたミルドの街の重役達が葬送曲(レクイエム)に再び依頼することを会議で決めたそうだ。


 マコトは依頼を快諾し、重迫撃砲小隊、155mm榴弾砲小隊を中核とした400人程の部隊を編成、城塞都市ミルドに向けて出発した。

 残された部隊は副団長へと昇格したアリシアが指揮を取り、ドリンドル周辺の依頼をこなすこととなっていた。


 城塞都市ミルドに到着したマコトは、冒険者ギルドで情報を集めた。 

 その結果、今回の魔物氾濫(スタンピード)は、前回の戦いで奥地に生息していた強力な魔物達が魔物の森の浅層に残留し、そのせいで棲みかを追われた浅層に住むゴブリンや、コボルト、ウルフに若干のオークが集まったものと判明した。


 その数は約5万体程と見積もられているが、そのうちの何体がミルドに向かって来るかも分からない。

 仲間同士で殺し合い強力な個体が生まれる可能性も無いではない。



 葬送曲(レクイエム)も独自に偵察を行い、敵のほとんどが城塞都市ミルドから15km程の地点に集結しつつ有ることも判明した。


 偵察隊の報告を受けたマコトはただ一言。


 「攻撃しましょう」


だった。  


 街の有力者達は、下手に刺激して魔物達が城塞都市ミルドに向かって来ることを危惧したが、それは何もしなくても同じことだと、マコトに諭されると頷くしかなかった。


 「大丈夫です。上手く行けば魔物達は外壁にたどり着くことも出来ずに消滅します」

 

 マコトは笑って言った。

 前回の防衛戦を知っている街の有力者達は何も言えなかった。


 

 会合の次の日、マコトは街の外壁を背中に、街の外に陣地を構築していた。

 重迫撃砲や榴弾砲は念入りに偽装工作を施して、別に陣地を作り、歩兵は陣地に塹壕を掘っていた。

 ブルドーザー等の重機も使えるようになり、1日で簡素な防御陣地を構築すると

次の日、マコトは街の有力者達を集めて、攻撃を開始することを伝えた。


 「HQより砲兵陣地、聞こえるか送れ」


 「砲兵陣地、感度良好、送れ」


 「標準射撃を開始せよ」


 「了解!!発射する」


 ズド~ン


 隠蔽された砲兵陣地から砲撃音が聞こえて来る。


 「観測班からHQ」


 「HQ、送れ」


 「初弾、目標の手前に落下、どうぞ」


 「HQより観測班了解。砲撃陣地との直接通話を許可する。修正報告せよ」


 「観測班了解。観測班から砲撃陣地方位そのまま、距離プラス200、弾種フレシェット」


 「距離プラス200修正、弾種フレシェット了解!!」


 陣地では、マコトが無線を聞いて唸っていた。


 「まさか、もうフレシェット弾を使うとはな」


 「司令、失礼ですがフレシェット弾とは?」


 「ああ、本来なら155mm榴弾砲には無い弾種なのだが、私のスキルで少し作成してみたんだよ。

 砲弾の中に数百から数千の小型の金属製の矢が入っていてな、

 それが空中で炸裂して敵に金属製の矢の雨を降らすのだよ」


 「それは何とも・・・・、今回のような戦場では効果的でしょうね」


 「ああ、恐ろしい程にね、知性の無い魔物ながら憐れみを感じるよ」





 砲撃陣地では粛々と、フレシェット弾が155mm榴弾砲に装填されていった。



 


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次回更新は4月30日午前7時を予定しています。

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