68話 久々のホームへ 鉱山都市ドリンドル
本拠地のある鉱山都市ドリンドルへの帰還は中々に骨がおれた。
出発時は100人足らずの人数で車両群にも余裕があったのが、今では1000人を超えており、その半分以上が徒歩なのだ。
そこで、マコトは元々所有しており荷台の空いてた3・5tトラックにドワーフの成人男性15人と軍団の団員5人を先にホ一ムベースへと帰した。
そうして、ホームベースに受け入れ体制を取らせると、ピストン輸送で徒歩組の中から体力の無い者からホームベースへと向かわせた。
この方法でも行きに8日程だった日程が、帰りは12日もかかってしまった。
取り敢えず、ホームベースの屋敷に入り切らない人員は、グラウンドにテントを張って生活してもらうことにした。
3日間の休養を取らせると、マコトは各まとまりの代表格の者に集合をかけた。
すると、ドワーフからは4人、エルフ達からは9人が集まった。
「これから、我々の軍団の説明を始めようと思う。まず基本的な事柄から説明すると、我々は国に属さない冒険者の一団だ。冒険者ギルドに属して依頼を受けて報酬を貰う。簡単なことだ」
ここで、マコトは一息入れると、
「我々が他と違う点はここからだ。我々は銃という武器を使う。まぁ、どういう物かは追々知って貰うとして、どんな物かを知って貰う」
マコトは団員から19式7・62mm小銃を受け取ると、
「これは、19式自動小銃という。
小銃ということは、大きな銃も有るということだが、それは置いといて。
アレを見てくれ」
団員達が100m程離れた場所に金属製の鎧兜を設置している。設置を終えると団員達はその場所から離れた。
「ここから、あの鎧を攻撃する」
エルフやドワーフ達からは疑問の声は上がらなかった。
エルフ達には知っている者も居るし、ドワーフ達にしても弓矢の射程距離内だったからだろう。
「では、始める」
パン!!
鎧が揺れた。
パン!!
また、揺れた。小さなざわめきが起こった。
パン!!
また、揺れた。
マコトは、単発から連射に切り替えた。
パパパパパパパパパパパパパパパン
鎧は大きく揺れ、腕や、足等が取れて転がった。
マコトは19式自動小銃に安全装置をかけると、代表格達に振り返った。
「近くに寄って見ても良いですよ」
その言葉に、ドワーフ達は弾かれるように鎧兜に走り寄った。
短足の彼らに100mは少し遠く、少し時間がかかったが。
ドワーフ達は鎧兜に食い入るように観察していった。飛び散った部品を調べる者も居る。
エルフ達の代表格の1人が話し掛けて来た。
「アレが、アマゾニア王国の蛮族達を退けた武器ですか」
マコトは、
「まぁ、そんなところです。アレだけではないですが」
と答えた。
その頃になると、鎧兜を見に行ったドワーフ達が帰って来た。
「どうなっているんだ!!鎧は正規軍が使って居てもおかしく無い程の出来だった。それをあんな距離から貫通させてしかも、連射まで!!」
「それが私達の武器、銃の力ですよ。貴方達なら分かるでしょう?
この力が一般に広まったらどんな事になるか」
「だから、情報を盗み出す恐れの無い、儂ら犯罪奴隷という訳か・・・・」
「そろそろ、お昼にしましょう。お昼からもデモンストレーションは有ります」
「あんな物がまだ有るというのか!!」
「はい。昼からは少し実戦形式で行こうと思います。我々が少し離れた間に、ここいらも物騒になったみたい何でですからね」
「何が起こるというんじゃ!?」
「それは見てのお楽しみですね」
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次回更新は4月23日午前7時を予定しています。




