64話 帰還 王都ゲイボルグへ
アレフガルド王国の状況も取り敢えず区切りが付き、マコト達、葬送曲もゲシュタルト王国へと帰還することになった。
各地に派遣されていた部隊も集結し、一先ずゲシュタルト王国王都ゲイボルグを目指した。
帰還中は、魔物に襲撃されることも無く、商業都市フォレスタでC小隊の第2分隊と無事合流して旅は順調であった。
王都ゲイボルグに到着すると、王都はアレフガルド王国戦に勝利して王都を占領したと、お祭り騒ぎであった。
どうやら、アマゾニア王国の介入の件は、極々控え目に発表されているようだ。
帰還したマコト達は内々に王城に入り、ゲシュタルト王国国王ヘイマンと鉱山都市ドリンドルの冒険者ギルドマスターにして王弟モーラスと再会を果たした。
「この度のアレフガルド王国侵攻では、我が軍が大いに世話になったそうだな」
「いえ、私共の働きなど極々僅かでございます」
「ふん!!商業都市フォレスタの攻略。それに続く街々の平定。そして城塞都市ガルムの攻略にその後の防衛戦。それらに全て参加して戦果を挙げておきながら謙遜するか。前線より報告は全て受けておる。葬送曲その戦力は我が軍の10万に匹敵するとな」
「お戯れを・・・・」
「本来ならば、そのまま騎士団として召し抱えて貴族に叙するところだが、モーラスには逆効果だと諌められてしまった。葬送曲団長マコトよ、お主は何を望む?」
「お許しを頂けるのならば、いくばくかの金銭と王都ゲイボルグにて取り扱われております、今回の戦争犯罪奴隷を頂きたく存じます」
「何と欲の無いことよ。それだけで良いのか?ならば、白金貨5000枚50億円とエルフの戦争犯罪奴隷500を与えよう!!」
宰相らしき白髭の老人が、
「陛下、それはいくら何でも・・・・」
と言いかけたが、ヘイマン国王の眼力により押さえ込まれてしまった。
「陛下有りがたく頂戴致します」
「うむ、今夜は宴だ。葬送曲の団員は、そのほとんどが戦争犯罪奴隷という話だが、全て連れて来るが良い!!無礼講だ!!」
王都を夜の闇が覆い隠す少し前。沈む夕日が王都を照らし出す頃、葬送曲は王城に到着した。
何時もの森林迷彩の戦闘服ではなく、皆薄い緑色の軍の礼服を意識したデザインの服に身を包んだ100人近い、人族、エルフ、ドワーフの男女が特注の馬車から降り立った。
道案内の近衛騎士の案内に従い、王城の奥へと進み、ダンスホールにも使えそうな広間に通された。
広間には、人族を主とした貴族達も集まって居たが、最初は好奇心、珍しい物見たさの視線が多かったが、葬送曲の団員達が嫌味にならない程度に身に付けている宝飾品の数々を見て目の色を変えていた。
これらは、盗賊や、モンスターを討伐した際の戦利品をドワーフが鍛えた物や、マコトのスキル異世界マーケットで買い揃えた品々であった。
団員達が戦争犯罪奴隷だからといって見下されない為にマコトがエルフや、ドワーフ達の意見を聞きながら揃えた品々だ。
目論見通り、この世界では入手不能な複雑なカッティングをされた宝石の数々や真珠の宝飾品は貴族達の度肝を抜くことに成功したようだった。
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次回更新は4月16日午前7時を予定しています。




