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61話 激戦アレフガルド王国 10

 何とか防衛戦の体裁は取り繕ったが、中身は人族、エルフ族の混成部隊で指揮系統も、はっきりしない状態であった。


 食糧、武器等は侵攻軍の後方補給地とされていた為に戦闘に参加しない民間人の分まで、しばらくは不足しそうになかった。


 しかし、侵攻軍主力の敗退の報告が、ゲシュタルト王国上層部に届くまで車両を使っても14日間。

 昼夜を問わず走らせたとしても10日間はかかるだろう。

 そこから、援軍を編成して城塞都市ガルムまで来させるのに一体いくらの日数がかかることだろう。

 こんなことならば、王都ゲイボルグに団員を無線と共に残しておけば良かったと思っても、今となってはしょうがない。

 商業都市フォレスタに1個分隊残してあるが、それでも8~10日はゲイボルグまでかかることだろう。

 

 今は、とにかく一刻も早い援軍と指揮系統の確立が急がれた。

 車両無線で、商業都市フォレスタに居る(チャーリー)小隊第2分隊長を呼び出して、状況の説明をするとすぐに王都ゲイボルグに向かって走らせた。


 そして、今、城塞都市ガルムを守備するのは4つの集団だ。

 1つ目は軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)81人

 2つ目は侵攻軍の残存部隊1万9000人

 3つ目は元城塞都市ガルム守備隊3000人

 4つ目は城塞都市ガルムの住民5000人

となる。 


 総員2万7081人、これでアレフガルド王国軍とアマゾニア王国軍の同盟軍8万人を相手にしなければならない。

 

 兵士である残存部隊と元守備隊はかろうじて指揮系統が残っていたが、問題はガルムの住民5000人である。


 取り敢えず、100人ごとに分けて50の集団を作ったが、どう運用したものかと考えていたが、それは、住民達も考えていたようで、皆、何とか弓矢ぐらいは扱える者が集まったようであった。



 何とか代表者を決めて、指揮系統を確立しているとアレフガルド王国、アマゾニア王国同盟軍に動きがあった。

 巨狼に騎乗した狼が直立して2足歩行になったような獣人が数人、城塞都市ガルムの王都側門の前に姿を現したのだ。


 獣人と聞き、人に動物の耳が付いたような姿を想像していたマコトは、少しイメージと違い残念に思った。


 しかし、獣人の使者達が取った行動は、マコトのファンタジックな妄想を一瞬で打ち砕いた。

 何と、使者が1本ずつ掲げた槍の先には、ゲシュタルト王国兵の生首が刺さっており、そのうちの1人はラウンド将軍のものだった。


 「聞け!!ガルムに立て籠る臆病者どもよ!!選ぶが良い。大人しく開城し安楽な死を迎えるか、抵抗し、残酷な死を迎えるかを!!」


 それは、1人の獣人による死刑宣告であったが、城塞都市ガルム全体に響くような大声であった。


 ここは、一発口上を返しておかねば、士気の低下に繋がり兼ねないと、マコトは

以前にスキル異世界マーケットで購入していた拡声器を取り出し、門の上に上がった。


 「戦士としての誇りを失ったアマゾニア王国軍兵士達に告ぐ!!汝らは正式な宣戦布告も無く、我等がゲシュタルト王国軍の背後を夜襲した卑怯者の集まりである!!そのような物陰からコソコソするしかない輩に降伏することはあり得ない」


 ここで、一息入れると、


 「汝ら、臆病者の群れはさっさと尻尾巻いて故郷に逃げ帰るが良い!!それともそこの、同じ卑怯者のアレフガルド王国軍が居ないと何も出来ないのかね?」


 何百mも離れたところからでも、アマゾニア王国軍の使者が理性を失ったのが、手に取るように伝わって来た。


 それは、背後に控える3万人のアマゾニア王国軍も同様のようで、使者が既に言葉にならない、わめき声を上げているのに合わせるようにして前進を開始した。


 怒りに我を忘れているのか、2足歩行だったり、前足を付いての4足歩行だったりの、バラバラで軍団としての体を成していなかった。


 慌ててアレフガルド王国も前進を開始するが、連携というものは全く感じられなかった。


 こうして、城塞都市ガルム防衛戦は始まった。

 









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次回更新は4月11日午前7時を予定しています。

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