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58話 激戦アレフガルド王国 7

 作戦開始日の午前3時、マコトと数人のエルフは、火炎放射器を背中に担いで匍匐前進で城塞都市ガルムの城壁に近付いていた。

 G〇ョックで、時間を確認した。

 「時間だ」

 ヒューン ズドン!!

 重迫撃砲小隊による攻撃が始まった。

 城壁の上が騒がしくなって来た。

 「良し!!今だ!!」

 マコトの合図で、火炎放射器を城壁の絡まった蔦に放った。

 ゲル化燃料は蔦に付着すると同時に激しく燃え出した。

 それを確認するとマコト達はゆっくりと目立たないように離脱を開始した。


 城壁上は更に騒がしくなり、消火だ、応援を呼べ、といった叫び声が聞こえ出した。

 葬送曲(レクイエム)の陣地に帰還すると、マコトは待機していた車両群に出撃命令を無線で指示した。

 車両の陰に隠れて歩兵も進撃した。

 燃え盛る城壁から1km程に近付くと、マコトは射撃開始の合図を出した。

 84mm無反動砲、12・7mm重機関銃で王都側門に射撃が集中した。

 城壁の火はすっかりと城壁を覆い隠さんばかりに広がっていた。

 木材を金属で補強した門にも火は回り、焦げ出しており、射撃によりボロボロになっていた。

 砲撃により開いた穴から時折、弓矢が飛んで来ることから門の向こうには、エルフの軍勢が待機しているようだ。

 門が崩れて火が消えたら、突進して来るだろう。

 マコト達の陽動の効果は効いたようだった。

 「ウォォォ~!!」 

 城塞都市の向こう側から雄叫びが聞こえて来た。

 ゲシュタルト王国軍が攻勢に出たようだ。

 

 門も半分近くが焼け落ちた。

 軽装甲機動車に体当たりをさせた。

 1度目で門の金属部分が歪み、2度目の体当たりで軽装甲機動車は門の向こうに抜けた。

 「続け、続け、続け!!」

 マコトの合図で車両群が同じ穴を抜けて城塞都市ガルム内に突入する。

 

 ガルム内は、重迫撃砲の砲撃によるものか、まばらに火災が発生していた。

 先に突入した車両からは、ゴム弾が放たれエルフの軍勢を薙ぎ倒していた。

 12・7mm重機関銃は残された投射機を破壊していた。


 「卑怯者!!堂々と戦え!!」

 エルフの指揮官らしき男が叫んで来るが、葬送曲(レクイエム)の団員がゴム弾で撃ち倒して行く。


 建物の陰から、鎧兜の男達が飛び出してきた。

 「攻撃するな!ゲシュタルト王国軍だ!!」

 男達が叫んだ。

 良く見るとエルフでは無く人族だ。


 こうして、城塞都市内で2つの門から突入した軍勢が接触して都市を2分した。

 王都側門を葬送曲(レクイエム)が押さえた状態でゲシュタルト王国軍が都市内の残敵掃討を行っていった。

 

 エルフの軍勢は最後まで抵抗して、民衆もそれに協力して都市を制圧下に置くのに更に1週間がかかった。


 最終的に都市に居た10万人のエルフのうち、3万人が死傷し、4万人が捕虜になり、3万人が抵抗しなかったので、そのままの生活を続けた。


 ゲシュタルト王国軍は6万人の軍勢のうち、2万人が死傷し、4万人が戦闘継続可能であり、死傷者の治療等しつつ、城塞都市ガルムに駐留した。


 王都アースガルドの最後の盾を失ってエルフ達がどう出るか、様子を見ることになる。







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次回更新は4月6日午前7時を予定しています。

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