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56話 激戦アレフガルド王国 5

 アレフガルド王国軍の投射機の反撃を受けてマコトはブリーフィングを開いた。

 「アレフガルド王国軍の使用する投射機は射程が約600~800m、これはゲシュタルト王国軍の投石機の射程が300~400mからみて、どう考えてもおかしい」

 「風の精霊の手伝いを借りているのではないでしょうか?」

 「それも有るだろうが、50kg近くの物の射程を伸ばすのに他に何か無いか?」

 「投射機を高台に設置するというのは?司令は丘に登って投射機の一部を見ることができた。つまり、投射機は他の建造物よりも大きい若しくは高い場所にあったと言えるのではないでしょうか?」

 「その両方の可能性が高いか・・・・」



 「司令、ゲシュタルト王国軍の損害はどの程度なのですか?」


 「用意していた投石機の40%、塀を乗り越える為の高所車が60%。

 梯子や破城槌に至ってはほとんどを戦場に放置して来て被害甚大とのことだ。

 死傷者は火傷によるものがほとんどで2000人程だそうだ」


 「アレフガルド王国軍の損害は投射機13機が完全に破壊され火災によって甚大な被害が出ており、軍民合わせて3000人近くの死傷者が出ている模様です」


 「因みにこの数値は偵察していた我々の諜報班からによるもので、敵に損害を与えたのは我が軍団(レギオン)のみで、ゲシュタルト王国軍の投石機はいくつかの施設を破壊するにとどまった模様ですが軍内部では、敵の投射機を相当数破壊したことになっているそうです」 

 

 「諸君、我々の攻撃によりアレフガルド王国の民に損害が出たのは悲しむべき事だが、ここは戦場である。また、相当数の民間人が戦闘行為に従事しているとの報告もあることから、城塞都市ガルムに居る者は全て戦闘員として考えるべきだと自分は思う!!戦闘に悩み、不安を抱える者は遠慮無く私に相談して欲しい。解散」



マコトは、城塞都市ガルムから3km近く離れた場所に布陣したゲシュタルト王国軍の陣地内に居た。

 ゲシュタルト王国軍の幹部連中に葬送曲(レクイエム)の挙げた戦果を報告したが良い顔はしなかった。

 その報告書の通りならば、初戦でアレフガルド王国側に与えた損害のほとんどが

葬送曲(レクイエム)によるものとなってしまうからだ。

 攻城兵器の半数近くを失って、戦果は有りませんでしたではゲシュタルト王国軍の面子が立たないのである。

 いろいろと五月蝿く言われたが、マコトは最後には席を立ち司令部の天幕を後にした。


 待機していた高機動車にマコトが乗り込むと、高機動車は戦場のデコボコした地面を走り出した。

 「司令、相当不機嫌でいらっしゃいますね」

 

 「分かるか?まあ昔から顔に出やすいと注意を受けてばかりだったが今回は極めつけだ。敵が用意周到に待ち構えているところにわざわざ飛び込んで被害が出て当然だと言うのに誰もそれを認めようとしない。それどころか他人の戦果で帳尻を合わせようとする。一番自分が好かんやり方を取ろうとした」


 「では、帳尻を合わせようも無い方法で戦果を挙げれば宜しいのでは?」


 一瞬、マコトはポカンとした顔をしてしまった。

 次の瞬間には腹を抱えて笑い出した。


 「あっはははははは!!そうだな、我らには我らのやり方が有る。

わざわざ、あの石頭どもの機嫌伺いをする必要など無いか!!我らは葬送曲(レクイエム)、敵に死への旅路の曲を聞かせる者だ!!」




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次回更新は4月2日を予定しています。

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