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54話 激戦アレフガルド王国 3

 商業都市フォレスタにゲシュタルト王国軍は1週間滞在した。

 今までの攻城戦での負傷者の治療や補給、送られて来た3万もの増援を含めての部隊の再編成。

 やることはいくらでもあった。

 しかし、1番大きな問題は葬送曲(レクイエム)の扱いについてだった。

 ゲシュタルト王国軍としては、自分達こそが勝者だと思っていたのだが、フォレスタの住民、捕虜はそれを認めず、騒ぎになりかけてレクイエムの団員が仲裁に入ると収まるといった案件が多数発生した。

 ゲシュタルト王国軍にとってはエルフの団員の多いのがその原因であって、フォレスタが実質降伏していないものと受け取り始めたのである。


 レクイエムからすれば濡れ衣も良いところで、実際にドワーフやマコトの仲裁も住民や捕虜は受け入れている。

 都市の者達は葬送曲(レクイエム)がエルフ主体の軍団(レギオン)だからでは無く、その武力に降伏したのである。

 しかし、その事実もまたゲシュタルト王国軍には受け入れ難く、2週間も包囲した自分達では無く3日間1つの門を攻撃した100人足らずの冒険者の軍団に戦功を横取りされたように感じる将兵が多く、住民達に粗暴な対応をする者によって降伏条件の治安の維持もままならない状態になっていた。


 更にマコトは、ゲシュタルト王国国王直々の書状も携えており、軽々に扱える人物でもなかった。

 勿論マコトもこの状態を良しとせず、基本的に都市の治安維持はゲシュタルト王国に任せ、1個分隊をフォレスタに残し進撃するつもりであった。

 その為に日々ゲシュタルト王国軍の幹部との会合を重ね、フォレスタを重要な後方基地とすべく奔走していた。


 ゲシュタルト王国軍との協力体制も取れ、アレフガルド王国侵攻軍としての体裁が取れるまでにフォレスタ降伏から2週間が経過していた。

 アレフガルド王国王都アースガルドまでにはまだいくつもの大小の街やアレフガルド王国第3の都市、城塞都市ガルムが存在する。

 アレフガルド王国がいつ降伏するか分からないが、団員達との約束を守る為に早急にアレフガルド王国を降伏させる気構えでいた。

 


 ゲシュタルト王国軍は前衛をラウンド将軍3万が、後衛を援軍のシュピゲル将軍3万が固めており、マコト達は遊軍として、動くつもりだった。

 ラウンド将軍が何とか指揮下に置こうとして来たが、国王の書状で何とか指揮下に置かれずに済んだ。

 ゲシュタルト王国軍が主要街道沿いに進撃して街や小都市を落としている間、マコト達は街道から外れた町や村を降伏させて行った。

 といっても、見張りに残すような兵力は無いので、各町や村を回り、魔香や過剰な武器を隠し持っていないかチェックして町長や村長に降伏の書類にサインさせるのが精一杯だった。それでも魔香を隠し持っていた村を2つ見つけて、魔香はその場で処分させた。


 抵抗らしい抵抗も町の1つが門を開けようとしなかった為に84mm無反動砲を2発撃ち込み、無理矢理に開門させたぐらいであった。

 町長は解任し、副町長を新しい町長に任命させた。


 そうしてアレフガルド王国侵攻軍はアレフガルド王国内に進撃を進めて、4日後、ついにアレフガルド王国第3の都市城塞都市ガルムへとたどり着いた。

 城塞都市ガルムは徹底交戦を表明しており、ここまでゲシュタルト王国軍の進撃が順調だったのもガルムに兵力を集中させていた為らしかった。

 城塞都市ガルムの住民10万のうち、1万2000人が徴兵された兵士だった。

 しかし、戦える大人が加わると考えるとその数は5万にも届きそうであった。

 主要な門は2ヶ所のみで、後の住民達が出入りする為の小さな門は全て埋められていた。


 ここに王都アースガルドを守る最後の盾たる城塞都市ガルムとアレフガルド王国侵攻軍約6万の戦いの火蓋が切って落とされた。




 

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次回更新は3月30日午前7時を予定しています。

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