53話 激戦アレフガルド王国 2
ゲシュタルト王国軍の陣地の端に、マコト達は簡易陣地を設けた。
「我々はフォレスタの南門を攻撃することとなった。出来るだけ双方無傷で攻略したいが、かなり要塞化が進んでいる。実弾による準備砲撃が必要となる・・・・」
「司令、私達の事は心配しないで下さい」
「そうですよ。一刻も早くこの戦争を終わらせることが、私達にとっても嬉しいことなんですから」
「どうせ、今、家に帰れたとしても捕虜になった恥さらしって追い出されるんですから、この国をこのまま占領して皆同じ立場にしちゃいましょう!!」
「良し、攻城戦の際はゴム弾は御守り程度に持って行くように。相手は殺しにかかって来るんだ。手加減してたらこっちが殺られるぞ」
『了解です!!』
フォレスタ南門外壁
フォレスタを初め、エルフの都市は皆何百年という歴史を持つ。フォレスタの外壁は土魔法で高さ約20m程の壁を作り、そこにツタが張り巡らされ、強固な壁となっている。
ツタは外壁を支えると同時にエルフ達の隠れる盾としての役割も果たしており、その神出鬼没さはゲシュタルト王国軍を悩ましていた。
ツタに火を着けて火攻めにしようとしたが、樹齢何百年のツタにはなかなか火が着かず、エルフの水魔法による消火も遭って難攻不落と化していた。
マコト達はツタの様子をつぶさに観測して、団員のエルフの手も借りて潜めそうな場所を選定して、重迫撃砲や、84mm無反動砲で片っ端から潰して、砲撃によって傷付いた門をC4爆薬で、爆破する計画を立てた。
フォレスタ到着から2日目、おおよそのツタの陣地の位置を特定したことから、120mm重迫撃砲3門と84mm無反動砲6門による南門の外壁への攻撃が始まった。
「半装填!!」
『半装填!!』
「撃て!!」
シュル~ル、ポン!!
ドーン、ベキャ!!
重迫撃砲はその山なりに攻撃する特性から外壁上部の陣地の攻撃を主としていたが、樹齢何百年のツタにはなかなか効果が分かりにくかったが、何度も繰り返して砲撃していると慌ててツタの陰から飛び出して来るエルフが増えて来たことから、効果はあったようだ。
「装填!!」
「後方の安全確認良し!!」
装填手は砲手のヘルメットを叩くと、
「準備良し!!」
と叫び、砲手の腰を掴んだ。
「発射!!」
ドーン
84mm無反動砲の攻撃は顕著で外壁のツタは上部に比べて薄く、場所によっては外壁に穴が開く箇所もあった程だった。
マコト達は、アレフガルド王国軍のエルフの弓矢の射程圏外から、フォレスタ南門の守備陣地をミリミリとこれでもか、という程つぶさに潰して行った。
おかげで、南門の外壁は穴だらけになり、唯一爆破の際に歪んでいてはいけないからと攻撃を避けていた南門本体のみが無傷だった。
砲撃開始から3日目。本日は何処を砲撃するか?と南門を観察していると、ギリギリと音を立てて南門が開門した。
討って出てくるかと、車載機銃や自動小銃に飛び付くと、先頭に立つエルフが槍の先に白旗を掲げているのが、確認出来た。
急いで、侵攻軍司令官のラウンド将軍に伝令を送ると東西北門全ての門が開門したようだった。
突然の降伏劇にラウンド将軍は自らが指揮を取っていた東門にて、会談を申し入れたが、エルフの代表は、揃って南門での会談を要求した。
そこで、急遽、葬送曲が築いた簡易陣地内にて、会談が開かれることになった。
マコト達は急いで、通路の確保や会談の行われる天幕等を用意した。
そうして、行われた会談でエルフ側の申し入れて来た条件は、
商業都市フォレスタの開城
捕虜約3000人の人道的な取り扱い
降伏はゲシュタルト王国ではなく、葬送曲に対して行うこと
都市内での治安の維持
賠償金白金貨1000枚10億円のゲシュタルト王国への支払い
であった。驚いたのが、降伏を王国軍に対してでは無く、一軍団に過ぎない葬送曲に行うという点であった。
ラウンド将軍もその点が納得がいかなかったのか、エルフの代表に詰め寄った。しかし、エルフの代表団は天幕から見える、南門外壁の戦闘の跡を示して、このような攻撃をして来る者に対して我らは時間稼ぎしか、出来ぬ。と言いはなった。
ラウンド将軍も同じ造りの東門を攻めていたので、南門の外壁の無惨さに言葉を失った様子であった。
こうして、アレフガルド王国第2の都市フォレスタはマコト達の到着から5日目を迎えて陥落したのだ。
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次回更新は3月28日午前7時を予定しています。




