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51話 王都 4

 捕虜のエルフを乗せている高機動車に近付くと、見張りをしていたエルフの団員が異常有りませんと報告して来たので、マコトは敬礼を返し高機動車の後部扉を開いて乗り込んだ。

 そこには、手錠をされた1人のエルフが居た。


 「やっとお迎えですか?死罪ですか、拷問ですか?エリーは何も知らないです」


 マコトはわざとらしく驚いてみせた。


 「オヤオヤ、死がお望みかい、それとも痛い事が趣味なのかい?残念ながらそのどれでも無いんだ」

 

 初めてエルフが怯えたように見えた。

 「エ、エリーをどうする気ですか」


 「君には家族になって貰う。その為に奴隷になって貰うよ」

 「矛盾してます!!奴隷が家族だなんて聞いたことが無い!!」

 「でも、そうしないと密偵として君は死罪だ。どうする?」

 「死、死にたくはないですが、家族というのは?」

 「君達の国、アレフガルド王国では一旦捕虜になったエルフは恥さらしとして仲間として迎え入れることは無いそうじゃないか。自分はそんなエルフ達を集めて軍団(レギオン)を作った。君を見張っていたのもエルフだっただろう?それが家族だ」

 「そんなことをして、貴方に何の得が有るというんですか!?」

 「自分達は特別な武器を使う。君もその身体で体験しただろう?アレは家族以外には渡せない。だから、自分達は家族を、仲間を増やす」

 「エリーは、私は敵だったんですよ!なのに仲間にするんですか?」 

 「それを言ったら、今の団員の殆どが元アレフガルド王国兵だよ?勿論戦争犯罪奴隷だけどね?」 

 「奴隷と言うのは、そういう事ですか」 

 「理解してくれたかな?じゃあ奴隷商に行こうか?」


 「分かりました。宜しくお願いするのです」

 「宜しく、自分はマコト、皆からは司令って呼ばれている」


 そうしてマコト達は、エルフの団員の運転する高機動車で王都ゲイボルグにある奴隷商に向かった。

 王都1番と呼ばれる奴隷商の屋号はミケーレ商会。鉱山都市ドリンドルにあった商会と同じ名前だった。



 中に入ると、店主らしき痩せたスーツの様な服を着た中年の男が出迎えた。

 「ようこそ、マコト様、私は当商会を預かりますザラ・ミケーレと申します。ドリンドル店のザザからは良くお話を存じ上げております。本日は戦争犯罪奴隷のご購入でしょうか?」

 「嫌、それはまたの機会で頼む。今日は奴隷の手続きを頼みたい」

 そういうとマコトは、モーラスから預かった書類とエリーを奴隷商人の前に連れ出した。

 「ハイハイ、その様な手続きも致しております。書類に不備もございません。このまま手続きに移れますよ」

 「では、宜しく頼む」

 「ハイハイ、お嬢さんはこちらにいらして下さいね。背中に奴隷紋を刻みますので、痛くないですからねぇ。ハイ」


 30分程してミケーレとエリーがマコトの所に戻って来た。

 「あとは、契約者様の血液のみなのです」

 マコトは、持っていたナイフで指先を少し切ると受け皿に血を垂らした。

 すかさず、護衛役で付いて来ていたエルフの団員が回復魔法で傷を癒す。

 ミケーレが受け皿の血をエリーの背中の奴隷紋に垂らすと、淡く光った。

 「これで、手続きは終了です。ハイ」

 「世話になったな」

 マコトは、金貨の詰まった袋をミケーレに手渡した。

 「マコト様、私どもは奴隷の売買で利益を得ております。ですので今回の手続きは無料となります」

 「言っただろう?またの機会にと。恐らくアレフガルド王国との戦争は間もなく終わる。それまでに・・・・分かるな?」

 「ハイ、ご期待に応えれますように、商品を充実させておきます!!」

 「頼むよ」


 こうして新しい仲間を加え、マコト達はアレフガルド王国への遠征への準備を着々と進めて行くのであった。




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次回更新は3月24日午前7時を予定しています。

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