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50話 王都 3

 王都で1日だけマコトは休息の日を設けた。

 マコトだけは王都までの道中で消費した食料品の買い出しに時間を費やすつもりだったが、10人程のエルフに捕まり、一緒に買い出しに行くことになってしまった。

 何だかお互いに相手を牽制しあっていたようだが、気のせいだろう。

 マコトは前世の経験から他人の感情に無頓着になってしまっており、エルフ達の気持ちにも気付くことが出来なくなってしまっていた。

 買い出しに付いて来てくれたエルフ達の事も食材を自分達で確かめに来たぐらいに考えていた。


 エルフ達と一緒に民衆の住む外門と内門の間にある街にくり出して買い出しを行った。

 時折、買い出しと関係の無い屋台を賑やかしたりしながら、買い物を続けて行った。

 アクセサリーや宝飾品を扱う出店では、何人かにねだられて食料品とは関係の無いアクセサリーを買ってプレゼントしたりした。


 すると、他に街にくり出していた別のエルフのグループに見付かり、その娘達にもプレゼントをすることになった。

 軍団(レギオン)設立以来、依頼をこなしてばかりだったので予算にはかなりの余裕があった。

 マコトはそこで始めて自分が、周りの娘達に気を使わせていることに気が付いた。

 思い返せば、先へ、その先へと生き急いで来た。

 この世界に転生して来て、ただ、ただ生きる為だけに前に進んで来た。


 そんな生き方に、(いそ)が無くても良いんだよ?と言われた気がした。

 マコトは立ち止まり、思わず天を仰いだ。

 自然と、   涙が溢れた。

 そんなマコトの様子にエルフ達が慌て出した。


 「司令、どうしたんですか?」

 

 「体調が優れないのですか?」 


 「お荷物お持ちしましょうか?」



 マコトは、そんな娘達を振り払うようにして、距離をとると言った。


 「皆、自分なんかを・・・・・ありがとう」


 すると、エルフ娘達が抗議の声を上げる。


 「司令、自分なんかってなんですか!!自分なんかって」 


 「前にも言いましたけど、司令は奴隷になった私達に新しい家族をくれたんです」

 

 「マコトさんは、奴隷にされた私達を救ってくれたんですよ。感謝こそすれ、自分を卑下しないで下さい」


 マコトは感極まり、声に出さずに泣いた。




 買い物が終わり、王城に戻って来ると車両群を見張っていた分隊を交代させて買い物に送り出した。その際に警備をしていた分隊長が、


 「あの捕虜のエルフどうするんですか?」 


と聞いて来て、国王との謁見のどさくさで、その存在を忘れていたアレフガルド王国のエルフの事を思い出した。


 「まさか忘れていたんじゃないですよね?足の怪我も完治したんで、逃げられないように監視するのが結構負担なんですけど」


 「忘れる筈ないさ、うん、大事な証人だからね」 


と内心ヒヤヒヤものだった。

 すぐに城の兵士にモーラスへの伝言を頼んだが返って来た返事は、このまま城で預かることになれば正規の兵士と違い破壊活動をしていた密偵扱いとなり、処刑されてしまうから犯罪奴隷にして葬送曲(レクイエム)で面倒みれば?という内容の手紙と奴隷商での手続きに関する書類だった。


 モーラスにイラっとしたマコトだったが、エルフ娘達の家族という言葉を思い出して、新しい家族になってくれるんだろうか?という不安を抱えながら、捕虜のエルフの元へと向かった。




 

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次回更新は3月23日午前7時を予定しています。

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