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49話 王都 2

皆さんのおかげで、30000PV、ユニーク5000、ブックマーク80個となりました。夢のようです。応援ありがとうございます。

 前後を近衛騎士達に挟まれ、モーラスとマコトは王城の中を進んで行った。

 「基本的に報告は私がするからマコト殿は、儀礼は私の真似をして聞かれたことのみを答えて居れば問題は無い筈だ」

 王城の広い廊下を歩きながら、冒険者ギルドマスター兼王族のモーラスは、これから行われる謁見の打ち合わせをして来る。

 「兄上は厳しい御方だが、余程の粗相をしたりしなければ怒ったりされないし、無理難題をおっしゃる方では無い」

 マコトは疑問点を問い質してみる、

 「話しを聞く限り、何も問題の無い王様のようですが、何故そんなに恐れられるのですか?」


 「兄上は民や貴族等の部外者には慈悲深いが、身内の事となるとより一層に厳格になられるのだ」

 モーラスは身震いすると、

 「大体の報告の内容は既にお耳に入っているだろうから、謁見の間には身内同然の臣下で固められている筈だ。そんな所で失敗でもすれば雷が落ちるのは確実だから、マコト殿にも来て貰いたかったのだ」

 そんな風に、謁見について詳細を詰めていると行く手に荘厳な扉が見えて来た。

 「マコト殿あれが謁見の間だ。準備は良いか?」

 そんな問いに、マコトは、

 「今から回れ右して帰りたいですねぇ」

と軽口を叩いてみせるが、

 「もう、遅い」

とモーラスが言うと同時に、

 『王弟モーラス・ゲシュタルト様及び冒険者マコト・ヒイラギ殿、御入間~!』

の近衛騎士の口上と共に荘厳な扉が開かれて行った。



 謁見の間には多くの武官や文官らしき貴族達が左右に別れて並んで居り、その列の先には豪奢に飾り立てられた王座に座る1人の男性が居た。

 あれが、ギルマスの兄であり、ゲシュタルト王国の国王ヘイマン・ゲシュタルトその人であろう。

 モーラスが、謁見の間に引かれた赤い絨毯の上を歩き出したので、マコトはその後に続くようにして歩き出した。

 王座から5m程の位置で立ち止まり、左膝を付いて頭を下げて動かなくなったのでマコトも慌てて、膝を付いて頭を下げた。


 「双方、面を上げよ!!」

 威厳に満ちた声が謁見の間に響き渡る。

 モーラスが身じろぎするのを感じたので、マコトも顔を上げた。



 「モーラスよ、久しぶりであるな。元気にして居ったか?」

 

 「はい、国王陛下におかれましても、ご健康そうで何よりで有ります」


 「今回の急な帰城、何やら理由が有ると聞き及んでいるが?」


 「はい、城塞都市ミルドの魔物の氾濫、私めが冒険者ギルドマスターを務めます鉱山都市ドリンドルの連続殺人、そして国内の街道を寸断する破壊工作にアレフガルド王国の手の者が関わっていることが判明したのでご報告に参上致しました」


 「何と!!国内にアレフガルド王国の手の者が入り込んでいただと!!」


 マコトは事前に、連絡は行っていたのだろうに、貴族達に怒りを伝える為とはいえ演技も大変だなぁと聞き流していた。


 「証拠は有るのか?」


 「はい、2件の事件でアレフガルド王国の紋章の刻印された剣を押収しております。また、捕虜も1人確保して居り、尋問の結果アレフガルド王国の兵士であることが判明して居ります」


 「ウヌヌヌヌ、薬草の関税で難癖を付けて、戦を仕掛けて来た割にはあっさりとして、手応えが無いと思っておれば、裏でそのようにこそこそと!!」


 ヘイマン国王は、居並ぶ貴族達を見渡し、


 「シュピゲル、シュピゲル将軍は居るか?」


 1人の将軍を呼び出した。


 「は、ここに!!」


 「アレフガルド王国は和平の使者など寄越して居ったがすぐ様叩き出せ!!そして、アレフガルド王国へ更に出兵せよ!!ゲシュタルト王国の恐ろしさ、目にもの見せてくれるわ!!」

 

 「は、直ちに!!」


 「陛下、お願いしたい事がございます」


 ここで、モーラスが進み出る。


 「おおモーラスよ、大義であった。願いとは何だ?」


 「はい、我が都市ドリンドルもアレフガルド王国のエルフ達により、一時は恐怖のドン底に陥っておりました。

 そこを救ったのが、こちらに居りますマコト殿の率いる軍団(レギオン)なのです。

 そこで、更に民衆に希望を与える為に彼らのアレフガルド王国軍への従軍を許可して頂きたいのです」


 「何だ、そのような事か」


 「はい、但し国軍の指揮下に置かず、彼らの自由にさせて欲しいのです」


 「良かろう。それぐらいで民衆の士気が上がるのならば許可しよう」


 「陛下!!それでは指揮系統に混乱が・・・・」


 先ほどのシュピゲル将軍が反対するが国王は、


 「たかだか軍団(レギオン)の1つが加わる位で、揺らぐ王国軍でも有るまい!」


と一蹴した。


 「アレフガルド王国には、3万の増援を送り込む。更に軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)のアレフガルド王国内での軍事行動を許可する。これは決定事項である!!」


 『了解しました!!』


 こうして、マコト達はアレフガルド王国での軍事行動をとる許可を得た。





誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。

次回更新は3月21日午前7時を予定しています。

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