表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/355

47話 王都へ4

 都の東街イースタに高機動車(5・56mm機関銃車載)4両と軽装甲機動車(12・7mm重機関銃車載)2両で駆け付けると、飛竜(ワイバーン)の1体が開け放たれた大門から溢れんばかりに逃げ出そうとしている避難民に襲い掛かるところだった。

 「全車一斉射撃!!」

 6挺の機関銃が火を吹き飛竜(ワイバーン)を街の外壁に叩き付けた。

 ズルリと飛竜(ワイバーン)は重力に引かれ地面に落下したが、人々は避難して下敷きになることはなかった。

 飛竜(ワイバーン)が息絶えたのに気付いた避難民から歓声が上がり車両に群がろうとしたが、王家の紋章入りの旗を掲げた高機動車を前面に押し出し、流れを止めた。

 『我々は、王家より飛竜(ワイバーン)討伐の依頼を受けた軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)である!!道を開けられたし!!』

 マコトが軽装甲機動車に搭載された拡声器で呼び掛けると避難民の列が片側に寄り道が出来た。

 『協力感謝する』

 車列が街に入ろうとすると、避難民に釣られたのか、拡声器の声を聞きつけたのか、2体の飛竜(ワイバーン)が左右から迫って来た。

 『右の飛竜(ワイバーン)に一斉射撃!!』

 ドドドドドドンドドドドン、タタタタンタン

 飛竜(ワイバーン)が民家の壁へと墜落し、動かなくなった。

 『続けて左!!』

 右からの飛竜(ワイバーン)を片付けている間に左からの飛竜(ワイバーン)はかなり接近しており、仲間が殺られたのを見てか、口を開いて突進して来る。

 『息吹き(ブレス)が来るぞ!!回避!!』

 車両がバラバラに回避行動を取りつつも射手(ガンナー)は射撃を続けていた。

 そのうち、飛竜(ワイバーン)は悲鳴のような断末魔を上げると民家の屋根に降り立ち動かなくなったが、民家は重量に耐えきれず潰れてしまった。


 

 最後の1体は?と探すと上空を旋回するようにしてぐるぐると回っているのを見つけた。

 流石にアレを撃墜するのは難しいだろうと考えていると、重機関銃の射手(ガンナー)の1人が撃たせてくれと言うので任せると、2連射したかと思うと最後の飛竜(ワイバーン)はみるみると高度を落として、街の外の草原に墜落した。

 飛竜(ワイバーン)が全滅したことを知ると街の人々は国名で有り、王家の名であるゲシュタルトを連呼し始めた。


 そこへ、飛竜(ワイバーン)の全滅を聞いて駆け付けた、ギルドマスター兼王族のモーラスが竜車に乗って現れた。

 その頃には、街の衛兵達も秩序を取り戻さんと態勢を立て直しつつあり、街の人々が必要以上に竜車に近付こうとしないように規制線を張っていた。



 その間にマコト達は、討伐した飛竜(ワイバーン)の回収を行っていたが、街の衛兵が所有権を主張したりしたが、モーラスの一言で衛兵達が引き下がるといった1面もあった。

 街では、その晩に飛竜(ワイバーン)の犠牲者を弔うと同時に討伐を祝う祭りが催された。街の代官からも水で薄めた物ながら、ワインが振る舞われ、人々はアルコールに酔いしれた。死者の悲しみを忘れようと、明日からの街の復興に掛かる苦労を忘れようと。

 モーラスもまた、王族の代表として振る舞いを出そうと、マコトから後払いで、アイテムボックスに入っていたAランクのビックエレファントを2体白金貨30枚3000万円で買い取り、街の広場で王家の名の元に民衆に振る舞った。

 見たことも無い巨体の魔物と、それの肉を振る舞う王家に民衆の熱狂は最高潮に達した。


 マコト達は、衛兵達と共に今回の飛竜(ワイバーン)騒動が一連のアレフガルド王国によるものかを調査していたが、範囲が広すぎる上に、空を飛ぶ魔物なので、何処から誘引して来たのかも不明ということで、限りなく黒に近いグレーという結論を出すしかなかった。


 無事に夜が明けて、車列が王都に出発する際は街中の住民が集まったかのような見送りであった。

 「出発!!」

 マコトの号令の元、出発した。王都には昼頃到着予定だ。





誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。

次回更新は3月17日午前7時を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ