333話 地球(テラ) 4
何かファンタジー要素が・・・・何とかせねば。
ヤマト公国軍地球派遣艦隊 艦隊旗艦 戦艦《黄泉》
「ヒイラギ陛下、日本国護衛艦から不審な潜水艦を発見し対応中との連絡が入りました」
「不審な艦、ですか。我々も先程まではそのような扱いを受けていましたな」
派遣艦隊の幹部の1人がそう不満を洩らす。
「我々は確かにこの世界にとっては異物なのだ。あちらの世界はまだまだ未知の領域が多く、いちいち未知の存在に驚いてはいられないが、この世界はその多くが既知となってしまっているのだ。だから知らない物に不安を覚え、『不審』というレッテルを貼ることで安心しようとしているのだ」
「陛下、差し出がましい事を申しました!」
「しかし、陛下。潜水艦、というのは水に潜る専用の艦なのですか?」
「何と!我が軍の空中艦は『空中』という名こそ付いているが空も水中も航行できるのだ。地球の艦の何と不便なことよ!」
「・・・・。我が軍の兵器が優れているのは貴様の成果では無いだろう?」
マコトの不機嫌な言葉に、不用意な発言をした幹部が親衛隊員達に連行されて行く。その様子を見ていた他の幹部達は地球に来て浮わついていた精神を引き締めた。
「陛下。我々は如何しましょう」
「彼らの国で彼らがやると言っておるのだ。手出しは無用だ」
日本国 海上自衛隊護衛艦くらま
「SHー60K、目標上空付近に到達。目標は依然として動く気配がありません」
「ソノブイが投下されたことで相手も我々が気付いていることは分かった筈だが何故動かん」
「今回の事案に関して相手も何処までこちらの反応を見るのか決めかねているのかもしれません。多少強引でもこちらの対応する様子を見るのか、それとも領海から出て事故だと言い張るのかと」
「私の勘だがこの件は日本の将来を大きく変える可能性が有る。仮想敵国などに邪魔はさせられんよ」
「では?」
「しかし、ここで血を見るのも好ましく無いだろう。不審潜水艦には対潜哨戒ヘリ搭載艦をピッタリと張り付けて我々と来客は航路変更して迂回しよう。ヤマト公国にもその旨の連絡を・・・・」
「艦長、目標に動きが!これは・・・注水音、攻撃の前兆です!」
カッ!!
潜水艦が居る方角で何かが光った。
「海中発射式のミサイルの推進炎です!おそらくヤマト公国の艦艇を狙った対艦ミサイルかと!」
「ソ連やロシアの潜水艦は魚雷発射口からミサイルを発射出来ると言うが、戦車の主砲からミサイルを発射したりと好き放題だな。こちらで迎撃は出来るか?」
「無理です。法の解釈上、ヤマト公国はまだ正式な国家と承認されておりませんし、非力な民間船舶でもありません。多少の潜水艦に対する警告は許可されていますが自衛では無い武力行使は違法と判断される恐れがあります」
「クソ!自国の領海内で他国が武力行使をしているのを止められんのか!」
「艦長、ヤマト公国へのミサイル警告を・・・・」
シュン!
一瞬、光が走った気がした。
「今のは?先程の米国の艦載機に対する警告攻撃に似ていたような」
「艦長!潜水艦から発射されたミサイルがレーダーから消失。おそらく迎撃されたものと思慮されます」
「レーザー兵器、なのか?ヤマト公国は既にレーザー兵器を実戦でも使用出来る段階に有るのか?」
「艦長、それよりも我々は戦闘に介入すべきです!ここは日本国の領海ですので戦闘行為を黙認はできません」
「・・・・。そうだな。SHー60Kに対潜爆弾を投下させて国際周波数で浮上するように命令せよ。ヤマト公国に対してもこれ以上の攻撃行為は行わないように要請せよ」
「艦長、ヤマト公国の艦隊から飛行体数個が分離しました。おそらく報告に有った人型兵器かと思います」
「直ぐにヤマト公国の艦隊へと連絡しろ。これ以上公国に対する攻撃はさせないと!」
ヤマト公国軍地球派遣艦隊 旗艦戦艦《黄泉》
「陛下。こちらに向かい飛翔する物体があります。おそらく攻撃と思われますが如何対応しましょう」
「迎撃せよ。日本国護衛艦の動きは?」
「相変わらずモールス信号のやり取りですので意思疎通に時間がかかりますが攻撃を警告しようとしているようですが飛翔体を攻撃する様子は有りません」
「文民統制が効いているというのは良いが、こうした非常事態に即応出来ないのは落第点だな。我が祖国ながら。迎撃の後にゴーレム小隊発艦して敵艦のスクリューを破壊し浮上するしかないようにさせろ」
「陛下、スクリューというのはなんでしょうか?」
「・・・・・そうか。艦隊勤務とはいえ空中艦隊では見る機会は無いか。ゴーレム小隊ならば水上艦艇との合同訓練に参加した経験が有るから艦艇の構造は大まかに把握しているから問題無い筈だ」
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