331話 地球(テラ)へ 2
いつも読んでいただきありがとうございます。自分が住んでいる地域も雨が増え梅雨らしくなってきました。暑くもなって来ていますが皆様も体調にお気を付けて下さい。
ヤマト公国軍地球派遣艦隊 空中巡洋艦の一艦
「旗艦《黄泉》より命令。方位○○、高度✕✕に向けて電磁投射砲1発を発射せよ、とのことです」
「了解した。各員、戦闘態勢。火器管制官、電磁投射砲発射よ~い。弾数1発、方位○○、高度✕✕」
「復唱、電磁投射砲、弾数1、方位○○、高度✕✕、了解。発射まで10秒かかります。発射指示を」
「通信手、発射指示の再確認を《黄泉》に」
「了解」
ヤマト公国軍地球派遣艦隊艦隊旗艦《黄泉》
「米国戦闘機と思われる航空機なおも接近」
「こちらの警告は無視か」
「警告砲撃担当艦から攻撃指示の再確認の通信が入っています」
「警告時間まで16秒、15、14、」
「警告砲撃の準備は継続、時間切れと同時に砲撃せよ」
「12、11、10、9、」
「米国戦闘機が反転しました!」
「度胸試しか。しかし、少し早いのではないか?警告砲撃担当艦に時間切れと同時に砲撃せよ、と命令する」
「了解しました」
「我々を舐めるなよ、地球人」
「・・・・・・・」(マコト)
米国空母機動艦隊 艦載機部隊所属 ホーネット小隊 03・04
「GOGOGO!反転だ」
「グウウウウウッ!」
ヤマト公国軍地球派遣艦隊からの警告の残り時間10秒で彼らは機体を反転させた。
「どうだ?奴らに動きはあるか?」
「ロボットとは距離が離れつつ有る。追い掛けてくるつもりは無いようだ」
「砲撃とやらも無いな、残り時間はあと何秒・・・・」
「03、光が来る!!」
グウウン!!!
実際には音など無かった。しかし、Fー18スーパーホーネットの搭乗員4人は光の奔流に音を感じた。
「何だ、アレは?」
「そんなことよりも機体が!計器がおかしい!」
彼らはもとより、ヤマト公国軍も把握していなかったが公国軍の電磁投射砲は発射の際に無差別に電磁波を巻き散らかしていた。
「機体は持ち直したが何なんだ、あの光は?」
「もしかしたら、アレが警告砲撃なんじゃ?」
「・・・・!!」
「と、取り敢えず母艦に帰還するぞ」
「そうだな。情報を持ち帰ろう」
日本国 海上自衛隊・海上保安庁合同部隊
「今の光は何だ?」
「距離があるせいで確証はありませんが、レーダーでの位置関係を見る限りでは不明艦艦隊が米国の空母艦載機に対しての何らかの攻撃をしたものかと」
「何?米国の機体は大丈夫なのか」
「一時、レーダーが乱れましたが墜落はしていない模様です」
「そうか、しかし、余計なことをしてくれたものだな。被害が出なかったとはいえ不明艦艦隊に攻撃態勢を取らせてしまった。初期接触としては最悪だ。増援の護衛艦隊も刺激させないように引き返すように具申すべきかもしれん」
「待って下さい。不明艦艦隊の上空警戒をしていたのと同型の機体が1機新たに発艦してこちらに向かって来ます!」
「まさか、こちらも敵対の意思が有ると誤解しているのか?」
「艦長。相手の思惑は図りかねますが、こちらを攻撃する意図があるにしては1機は無謀です。まあ未知の相手ではありますので1機でこちらを相手出来るのかも知れませんが」
「そうだな。ということはもしや・・・・」
「不明機、本艦に真っ直ぐ向かっています」
「こちらが旗艦だと分かっているようだな。迎撃態勢は維持、しかし、絶対に発砲はするな。海保にも連絡せよ」
「不明機なおも接近。本艦の上空を通過します」
ゴオオオオオオン!!
ジェット機のような音が護衛艦の上を通過する。
「何も無かったな?」
「目視観測員よりの報告です。不明機がパラシュートが付いた何かを投下して行った、とのことです!」
「何だと!」
「直ぐに回収させろ!」
今まで発言していなかった幹部達も驚きの声をあげる。政府からの乗艦許可証を持ち出して乗艦した男もいつの間にか居た。
「やはり、か」
艦長だけは予想していたのか、冷静な様子で落下物の回収を再度指示していた。
感想、評価、いいね等していただけますと大変励みになります。今後も応援宜しくお願いします。




