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33話 予感 ドリンドルにて 16

 マコトは、軍団指名依頼のゴブリンの集落の討伐報告に冒険者ギルドに訪れていた。

 冒険者ギルドのロビーに入ると同時に受付嬢のアリアが現れた。

 「ようこそ、マコト様どうぞこちらへ。」 

 恒例行事のようになったギルドマスター室への案内が始まった。

 「迅速な依頼の達成ありがとうございます。マコト様。」

 「今、その報告に行くのに貴女の耳は相変わらず早い。」

 「依頼場所の近くで活動していたパーティーが居まして、集落跡は瓦礫の山になっていたと、ギルドの酒場で話しているのを耳にしました。」

 そんな会話をしているうちに、ギルドマスター室に到着した。

 「軍団レクイエムの冒険者マコト様がいらっしゃいました。」

 「入ってもらって。」

 「失礼します。」

 「・・・・・。」

 マコトは、無言で室内に入った。

 「やあ!!マコト君また派手にやったそうだね。」

 「相変わらず、どのような手段を取ったかは秘密ですがね。」

 「先手を取られたが、目撃した冒険者によると1時間もたたないうちに200体を超えるゴブリンをゴブリンキングを含めて殲滅したそうだね。」

 「正確には30分ほどです。」

 「そろそろ、何らかの情報開示できないかね?君達の強さの秘密を知りたがる者がギルドの内外に沢山居る。」

 「私達の秘密は開示する必要は無い筈ですが?」

 「圧力が強いんだよね。君達の凱旋パレードの後から更に強くなった。」

 「この話はこれっきりに!!我々はやましいことは一切無い。」

 「・・・分かったよ。有象無象よりも君1人の方が怖い。報酬は受付で受け取ってくれたまえ。」

 「初めて、王族らしい口調でしたね。」

 「分かったよ。有象無象はこちらで抑え込む。君らはこれまで通りにしてくれ」

 「宜しく頼みますよ。」


 マコトは受付に向かった。

 「葬送曲(レクイエム)のマコトだ。指名依頼の報酬を受け取りに来た。」

 受付嬢が、報酬を用意している間、ロビーや、酒場を見渡すといくつかの視線に気が付いた。若干の敵意、好奇心、そして、大多数の妬み。更にいくつかの視線は

腰の19式自動拳銃に向いているようだった。

 「お待たせしました。討伐報酬白金貨10枚1000万円です。お確かめ下さいませ。」

 「ありがとう。」

 マコトは、中身を確認せずに革袋を受け取った。



 マコトが拠点に帰ると、台所を中心として、先日の作戦成功を祝う為のパーティーの準備が、進んでいた。

 メインは以前、依頼中に採集したハニービーの蜂蜜だ。

 1人のエルフが駆け寄って来て叫ぶ。

 「司令!!ドワーフの人達が蜂蜜酒(ミード)を作るんだって言って80kgも蜂蜜を持って行っちゃたんですよ!!」

 「80は多い50にしとけと言っておけ、あと蜂蜜酒(ミード)はエルフにも分けるようにとも言っておくように。」

 「了解しました!!」

 マコトが、スキル異世界マーケットで仕入れた砂糖や卵、牛乳、香辛料。

 この世界の小麦や、ドライフルーツを使ったお菓子や料理が次々と作られていく様子が目に入って来た。

 「あ、司令!司令がおっしゃっていたマフィンとかいうお菓子試食して下さい」

 「ああ!私も私も!!スコーンとかいうのが、上手く焼き上がったんですよ。」

 「これは、蜂蜜が隠し味に使って有るな、ほんのり甘い優しさだ。こっちのスコーンも良く焼けている。クリームや蜂蜜が良く合いそうだ。」


 庭では、この日の為にわざわざコダの森の中層まで行って狩って来たビッグボアが丸焼きに近い状態で焼かれており、蜂蜜で作ったソースの甘く、香ばしい香りが漂って来た。



 マコトは、そんなお祭り騒ぎを横目に、屋敷の外壁によじ登るとスキル武器創造の力を使い、ソーラーパネル充電式の警戒装置を設置していった。

 冒険者ギルドで感じた視線、それは何としてもマコト達の武器の秘密を探ろうとしている者の目に思えたのだった。

 警戒装置と言っても簡単な物で、装置から発されている赤外線を何かが横切ればサイレンが鳴り、その場所がライトで照らし出されるといったものだった。

 表門から設置を始めて屋敷を一回りして、表門まで戻って来る頃には陽も良い加減に傾いていた。

 アリシアをはじめとした、エルフ達がマコトを呼びに来て宴が始まった。





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次回更新は2月23日午前7時を予定しています。

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