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328話 地球(テラ)へ 9

いつもありがとうございます。

 ヤマト公国 公都ノースガルド 公城内


 城内の衣装部屋でマコトが仕立てを行う武装侍女達に取り込まれていた。


 「地球へ赴く際の衣装は複数用意せねばなりません。基本は全身甲冑(フルプレートアーマー)で体型と顔を隠してまずは向こうの世界の者達にマコト様の正体を隠します」


 「向こうの協力者はもう知っているんではないのですか?」


 「マコト様の叔父上と一部の協力者は正体を明かしているけど基本的には正体は隠しているわ」


 「ずっと甲冑姿という訳にはいきませんがどうしましょう?」


 「地球の日本には着物というゆったりした伝統の服が有るらしいけど、顔はどうしましょう?仮面タイプにするか、兜タイプ、マスクタイプもあるわね」


 マコトが手を上げる。


 「基本的には公式の場では全身甲冑(フルプレートアーマー)姿で通す。服は用意してもらっても良いが一応の備えという形になる。顔を隠すのは仮面タイプで頼む。あとスーツという服も用意してもらいたいがデザインは・・・・」


 「はい!日本に潜伏中の者よりファッション情報は入手しております」


 「そうか」


 「それで、全身甲冑(フルプレートアーマー)のデザインはこちらです!」


 武装侍女が部屋に覆いをしてあった物体の覆いをはぐる。そこには、


 「・・・・・、○ース・ベー○ー卿?」


 そう、米国はハリウッドの大作。○ターウォーズの暗黒卿がそこには居た。中に人が入っているらしく、


 「シュコー、シュコー」


と呼吸音もしている。


 「どうですか?潜伏中の者より入手した書籍から再現しました。これにより地球の米国という大国の人間をはじめとした世界各国の()()()という集団が陛下に理解と親しみを・・・・」


 「チェンジで、と言うより中の人間を早く出してやれ。呼吸しずらそうだ」


 マコトが容赦無く却下する。


 「えええΣ(Д゜;/)/ 見た目よりも息はしやすいんで大丈夫です。試作ですが結構苦労したんですよ」


 製作担当者が悲鳴を上げる。


 「要らん警戒と不審感を抱かせるだけだ。伝統的な戦闘用の重甲冑で良い。色は基本は黒色で艶消し処理も行え。素材は任せるが奇襲を喰らっても初撃に耐えられるだけの強度は持たせろ」


 「・・・・はい」


 しぶしぶといった様子で暗黒卿の甲冑が中の人間ごと運ばれて行く。


 「陛下は基本は装飾品はお身に付けにならないということですが、身辺護衛の者達は如何しましょう?」


 先程とは別の武装侍女が質問してくる。


 「武装侍女隊は基本そのままで良い。職務の妨げにならない程度の装飾品は認めるがなるべく統一したデザインの物を使用するように。日替わりで変更しても良いな。親衛隊員は服装は制服、武装は拳銃と小剣(ショートソード)とせよ。もし向こうの世界の者が物言いしてきた時の為に金属製警棒も用意するように」


 武装侍女がメモをしていく。


 「制服は制帽、ベレー帽、活動帽の3種有るが基本はベレー帽だ。一般兵士は通常の戦闘服で構わんがなるべく用意する服は新品を用意して1日は袖を通して体に慣らすようにしてくれ。出発まで時間が殆ど無いが可能か?」


 「ここ数年の装備資機材の備蓄で問題ありません。会談や交渉の場は軍が用意しているということですが、陛下はどちらに滞在される予定でしょうか?」


 「基本は軍の艦内で生活するつもりだ。向こうの出方によるがすぐに国賓待遇の得体の知れない者を宿泊させる場を用意出来るか分からんし、間に合わせで用意された場所で何かトラブルが有ってもつまらん」


 「承りました。様々なケースを想定して準備致します」


 「頼む」


 そう言うと、マコトは別の部屋へと移動する。



 公城内 別室


 「これが今回の会談で向こうに呈示する物資か」


 「はい。交渉がどのように終わるかが未知数ですが相手に(あなど)られない、かつ下手(したて)に出ていると思われない物を準備しました」


 そこには、各種のポーションのサンプル、地球には存在しないであろう鉱物のサンプル、鉱物を使用したナイフや品物が並べられていた。他にもマコトの知識と照らし合わせて地球には無さそうで地球側に渡したとしても問題無さそうな物ばかりが並んでいた。


 「日本人は基本的にファンタジーが好きだがもっと良い物は・・・・。うん?」


 マコトは外を見ると、ヤマト公国軍に少数だけ所属している竜騎士(ドラゴンナイト)が公都上空を哨戒していた。外国からの商人などの来訪者には戦闘ヘリコプターや戦闘機が理解出来なくとも竜の恐ろしさはよく理解出来るからだ。


 「派遣部隊に竜騎士(ドラゴンナイト)を加えることは可能か?」


 「ええ、貨物室や格納庫のスペースを活用すれば大丈夫だと思いますが何騎ほどですか?」


 「全騎だ。あと他国へ輸出予定の(うろこ)を使用した鱗鎧(スケイルメイル)が何着か有ったな?アレも展示品として古龍の(うろこ)と一緒に出すぞ」


 「確かに、こちらでも希少な物品ですがそこまでですか?」


 「ああ。こちらの王候貴族ならば機会と金銭があれば入手可能だが地球では絶対に入手不可能な品だからな。下手をすると存在を知った富豪達が強奪班を国家施設に送り込みかねないほどだ」


 「・・・・・・。なるほど」


 「あと数日しかない。こちらの国力を舐められない程度に示す品をもう少し集めるぞ」


 「了解しました」







最近は地球側ばかりでしたので異世界側が今回はメインです。

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