32話 コダの森にて 8
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「半装填!!」
『半装填!!』
「撃て!」
ポン!!
「弾ちゃ~く、今!!」
ド~ン!!!
「半装填!!」
『半装填!!』
「撃て!!」
ポン!!
「弾ちゃ~く、今!!」
ド~ン!!!
マコト達は今、コダの森で実弾演習、イヤ、実戦をしていた。森の浅い箇所で、街道に近い場所にゴブリンの集落が確認されたのだ。
今まで、発見が遅れてゴブリンキングが冒険者ギルドの斥候によって確認され、
200体を超えるゴブリンの存在も合わせて確認されたことにより、普通の冒険者のパーティーの手には負えない依頼として軍団、葬送曲に依頼が回って来た。
マコトは増強された部隊の訓練にちょうど良いと、白金貨10枚1000万円で依頼を受けた。
6個の分隊を、零時、2時、4時、6時、8時、10時の方向に配置し、ゴブリンの集落を取り囲んだ。
最初はドワーフの重迫撃砲分隊、D分隊の試射から始まった。
2km離れた場所から撃ち込まれた白煙弾が、初弾で集落の中央に落ち、それを確認したダークエルフの偵察要員が重迫撃砲小隊に無線で報告し、効力射が始まった。
3門の重迫撃砲は休むこと無く、集落に砲弾を撃ち込み続けた。
10分後、マコトは、各分隊に集落への突入を命じた。
タン、タ~ン
時折、止めをさす銃声が響く。集落は壊滅していた。
呆然と立ち尽くすエルフもいた。
特別に、ドワーフ達も集落跡に連れて行った。
ドワーフ達も自分達の為し遂げたことに呆然としていた。
マコト自身も集落跡を歩いていた。
「ヴギャギャギャ!!」
突然、瓦礫が持ち上がり一際大きなゴブリンが傷だらけで現れた。
ゴブリンキングだ。
司令部要員の2人のエルフが19式自動小銃を構える前に、マコトは19式自動拳銃をホルスターから抜き出して、ゴブリンキングに全弾叩き込んだ。
スキル、マップ作成で生き残りが居るのは、分かっていた。コイツが最後だ。
帰りの車列の中で、マコトは無線で、呼び掛けた。
「HQだ。今日の結果を見て思ったことを言って欲しい。名前は言わなくても良い。」
しばらくの沈黙の後、おずおずと無線が入った。
「私はA小隊の第2分隊の者ですけど、あんな魔法見たことありません。」
「儂はD分隊のもんじゃが、あれは、魔法じゃない。かといって精霊術でも無い。」
「E分隊のもんじゃが、坑道で爆発が起こった時に似ている。」
「C小隊の第1分隊の者ですが、ゴブリンに家族が殺されました。ゴブリンがこんなにも簡単にも殺せるんなら大歓迎です。」
「B小隊の第1分隊の者です。私はゴブリンに止めを刺しましたが弓矢よりも効率良く殺せました。」
「HQだ。それが、葬送曲の兵器だ。それらが君達の力となる。」
「HQ、貴方や、アレらは何処から来たんですか?」
「HQだ。それは極秘事項だ。」
「そ・・・・分かりました。」
「皆、今日はご苦労だった。しばらく休暇だ。ゆっくり休んでくれ。」
『了解!!』
マコトの乗った高機動車を運転する司令部要員のエルフが聞いて来た。
「アレで良かったんですか?」
「アレとは?」
「言い辛いですが、司令の出身や、武器の入手先のことです。皆、納得はして無いと思います。」
「私にとっても、それは生命線だ。知る者は少ない方が良い。だからこその君達だった。」
「それは、奴隷として、ということでしょうか?」
「言いずらいことをズバズバと聞いて来るな、君は。」
「すみません!!ただ私も妹をゴブリンに殺されました。復讐の機会を与えてくれた司令には感謝しています。ただ司令が心配で・・・。」
「敵はゴブリンだけとは限らないぞ。それと、1つ言っておこう。極秘事項だ。私が死ねば、君らは自由の身になる。この事はここだけの秘密だ。勿論君もだ。」
「は、はい!!」
なるべく空気になろうとしていた、もう1人の司令部要員が慌てて返事をする。
「色々とすみません。ですが、司令が生き急いでいるように感じて・・・。」
マコトは、高機動車の助手席の窓からずっと外を眺めていた。
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