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318話 大事の前の大事 6

最近は伸び悩みがありまして、苦悩しております。皆さんに楽しんでもらえるように努力します。

 ゲシュタルト王国 都市マクドナルド近郊上空 駆逐艦11番艦艦橋


 「試作240mm砲、初弾目標に着弾。敵の野戦砲陣地に命中です」


 「敵は隠蔽技術が未熟のようだな。まあ空からの目を気にするにはまだまだ運用経験が不足しているか。我が国の砲兵隊があのような無様を(さら)したら陛下の逆鱗に触れるな」


 空中駆逐艦11番艦の艦長は副長の報告に敵の未熟さを吐露すると次の命令を下す。


 「我が艦はこのままの位置で支援砲撃を行う。巡洋艦8番艦と・・・・摩耶(まや)に奇襲攻撃の成功と陸上兵力の展開を要請してくれ」


 「了解しました。しかし、艦に名前が有るというのは羨ましいです」


 艦橋のオペレーターに指示を出しつつ副長はため息をつく。


 「仕方有るまい。我が軍は現在、大造艦体制に有る。次々と新しい艦が造られているがその存在は他国はもとより国内にも統制が引かれている。艦名が付けられていないのは防諜対策でも有るのだ」


 「理性では理解しているつもりですがやはり感情的には承服しかねます」


 「では特例で陛下に艦名を賜れるように奮起せんとな。遼艦達が降下態勢に入った。テンダー王国軍の反撃を許すな!」


 「了解。試作240mm砲4門は2門ずつ交互の発射、副砲76mm砲は射撃管制官の指示に従い全力射撃せよ。目標敵本陣並びに野戦砲陣地!」



 空中巡洋艦摩耶(まや)艦橋


 「駆逐艦11番艦より奇襲成功、陸上兵力を展開されたしとのこと」


 摩耶(まや)のオペレーターが報告する。


 「艦長、兵力の逐次投入の()は避けたい。8番艦と同時に降下、展開は可能か?」


 「お任せ下さい陛下!我々はこの為に訓練を積み重ねて来たのです。某人造人型決戦兵器のようにシンクロさせて見せましょう!」


 マコトは早くの段階から地球のサブカルチャーを味方に公開していた。将官の中ではそれをまともに受け止めて作戦立案に活かそうとしたり、部下の教育に使用していた。


 マコトからしてみれば布教活動にも見えたが意外にも効果が有り、将兵の意識の向上と共通認識が(はぐく)まれていた。


 魔導動甲冑部隊のパイロットが機体のカラーリングをさせてくれと上申してきた時は、(たぐ)(まれ)なる戦果をあげたならば、とお茶を濁している。


 あと、訓練部隊で自分の使用する小銃に名前を付けて何とか寝床に持ち込もうとする訓練兵が増え、訓練教官とのバトルが繰り広げられた、との報告も上がって来ていた。

 

 それと同じくして、訓練兵から訓練教官から卑猥(ひわい)な歌を唄わされる、との苦情が上がって来ていたがそちらについては、控えるよう指示は出したが禁止の命令は出していない。


 「降下開始します」


 摩耶(まや)の操舵を担当する将校が報告する。雲海を割り、2艦の巨体が地上を目指す。


 「地上まで500、400、300、200、制動!!」


 ヤマト公国軍の誇る2艦が地上数mで浮遊している。


 「第1、第2連隊に出撃命令。敵の陣地跡は無視して構わん、都市マクドナルドに取り付いたテンダー王国軍本隊を撃滅せよ。我が国のとその同盟国に2度とふざけた真似が出来ない程に叩き潰せ!!」


 マコトの命令とほぼ同じくして、艦の格納庫から様々な軍用車両と兵員が吐き出される。




 空中巡洋艦摩耶(まや)格納庫内 第7師団第1連隊


 「連隊長訓示!傾注!」


 格納庫内に設けられた台に連隊長が登壇する。


 「諸君、この戦闘は我が第1連隊が陛下より連隊旗を授かって初の他国との本格戦闘となる。この先我が第7師団第1連隊が栄光の部隊となるか、平凡な部隊となるかは我々に掛かっている!この先未来永劫語られる栄光の部隊となるように諸君らの奮戦を期待する!!これを持って連隊長訓示とする」


 「敬礼!」


 ザザザザッ!!

 

 敬礼の為に腕を上げ、戦闘服の生地の擦れる音のみが響く。連隊長が降壇すると各種指揮官が部隊を掌握して来るべき出撃に備え、ざわめきに包まれる。


 『ブー!!』


 訓示の後、十数分で格納庫内にブザーが鳴り響く。第1連隊の将兵が動きを止める。


 『間もなく本艦は降下を開始する。繰り返す。間もなく降下開始、第1連隊出撃用意、公王陛下の御命令である!!』


 「「「「「うおー!!」」」」」


 格納庫内が興奮の声に溢れる。


 「始まるな。第2連隊とは連絡が付いているか?」


 「何とか。向こうも将兵の士気が高く、勇み足を踏まないか第2連隊長が危惧しているそうですが」


 「他人事では無いな。相手は大砲擬きを所持しているがあとは剣や槍、弓だという。侮ることは出来んし、油断も出来ん。完勝の意気込みで当たる!」


 連隊長と副連隊長がそんな会話をする中、格納庫の後部扉が開放される。


 「車輌部隊を先行させよ。載りきれない人員は車輌の側面に搭乗(デサント)せよ!」


 この車輌側面に兵員を乗せるというアイデアも地球の大戦物を扱ったサブカルチャーから得られた物だった。


 格納庫から車輌と兵員を吐き出した空中巡洋艦は再び離陸し、その砲を敵軍へと指向する。






 

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