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299話 回天 

最近、自分でもマンネリ化していましたがようやくやりたいことに追い付いて来ました。

 洞窟竜(ケイブドラゴン) 掘削野郎(ディーグガイ)討伐3日後


 「あれから問題もなく、工兵隊も解体作業は順調だな。やはりかなりの大きさの魔石も回収することが出来た。魔石だけでも本国に移送する手続きを取ってくれ」


 マコトは中年参謀に指示を出す。


 「ですが陛下、魔物氾濫(スタンピード)も完全に鎮圧されたわけではありません。艦隊も運行がギリギリで本国から新たに呼び寄せるにしても国境の警備を疎かにするわけにもいきません」


 中年参謀が意見した。


 「そうだな。我が国にも無限に資源(リソース)が有る訳では無いしな・・・・」


 マコトは考え込む。


 「ヒイラギ陛下!本国からの至急の兵が参っております」


 女性参謀が天幕内に入って来て報告する。


 「ん?通せ」


 1人の将校が無言で天幕内に入る。


 「貴様、官姓名を名乗らんか!」


 中年参謀が叱責する。それにも関わらず将校は封筒をマコトに恭しく差し出す。


 「・・・陛下、時が来た、と・・・」


 「・・・・・!!」


 マコトは息を飲むと奪うようにして封筒を手にすると中身を(むさぼ)るようにして読む。


 天幕の中が静まり返る。しかし、


 「アは、あははははははははは、やった、やってやったぞ!!」


 マコトは狂ったかのように笑い出す。


 「へ、陛下?」


 中年参謀が意を決してマコトに話し掛ける。マコトはぐるん!と音が出そうな勢いで顔を参謀に向けた。


 「本国から新たに何隻呼び寄せても構わない、魔物氾濫(スタンピード)を3日以内に鎮圧せよ。その後は最低限の治安維持要員、統治機構要員を残して本国に全軍帰還せよ。これは最優先事項だ!」


 狂気すら感じさせる表情で眼をギラギラとさせてマコトは命じる。


 「っ!!了解しました!」


 「自分は先ほど到着した艦で公国に帰還する」


 「陛下、私もお供します!」


 女性参謀がなんとか声を出す。


 「好きにしなさい」


 マコトは身の回りの品の入った背のうを手にして歩き出す。女性参謀も机。上に散乱した書類をかき集めながらマコトを追う。


 仮司令部の近くには空中艦隊の発着場が設けられておりマコトは無言でそこに停泊した空中巡洋艦に向かって歩いて行く。乱暴にポケットに入れた封筒の中身が落ちる。そこには、


 「『回天の門、顕現せり』」


の短い文面のみが記されていた。


 「地球には未練は無いはずだった。あの施設もスキルの検証の為だった、その筈だった。しかし、門は開いた。開いてしまった。ならばやるしかない、やらなければならないんだ。でもそれは正しいのか?いや、無理矢理にこちらに来てしまった者達も居るんだ、自分は正しい、正しい・・・」


 マコトは自問自答に陥り、独り言を繰り返す。そんなマコトを女性参謀は心配そうに追い掛ける。


 「艦の設備を使い、各地に派遣されている部隊に帰還命令を発令してくれ。あと、極秘造船所で建造中の艦の艤装を急ぐように連絡を。秘匿周波数はこれだ」


 マコトは手帳のメモを千切ると参謀に渡す。


 「陛下、一体何が起こるのですか?」


 マコトは再び狂気の笑みを浮かべる。


 「神に弓弾くのさwww♪」






 


 

本当は300話に合わせたかったのですが、そろそろ物語の根本に迫ろうと思います。

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