295話 ドワーフの大洞窟 2
10月忙しいです。曜日の感覚が無くなり、欠稿しそうです。
「ガスの放出が予定量の30%に達しました」
オペレーターから作戦の進捗状況が報告される。
「工兵隊の爆破班に伝達。爆破せよ」
「了解。司令部より爆破班、爆破せよ」
オペレーターは地下に居る爆破班に有線で連絡する。今回は確実に起爆させる為に有線式で起爆させる。問題が生じた時の為に爆破班は近くで待機していた。そのせいで無線が通じにくい為に有線電話で連絡を取り合う。爆破が無線式の際は誤作動を防ぐ目的で有線電話を使用することもある。
ズズン!!
マコト達の司令部まで音と振動が響いてきた。
『観測班より司令部、観測班より司令部!』
「司令部です、観測班送れ」
『目標爆破に反応して目的もなく動き出した模様。低速で彷徨いています。爆破箇所から逃走する気配はなし、どうぞ』
「司令部、了解、以上司令部」
掘削野郎は爆破に驚いたようだが、餌場を離れるつもりはないようだ。
「工兵隊科学兵器班から報告、ガス放出量50%」
マコトは頷く。
「ガスの充填率が100%に達したとしても掘削野郎に完全に効果が及ぶのには数日がかかる予想だ。警戒部隊、観測班を除く部隊は警戒態勢を二種から三種に引き下げて待機せよ。緊張感を数日も維持するのは大変だからな」
「了解しました。司令部より各隊、司令部より各隊・・・」
「自分も下がる。何かあれば水をぶっかけてでも呼べ」
「了解」
3日後・・・・
「観測班より、報告です。既に8時間目標に呼吸の動きが見られ無いとのことです。死亡した可能性があるので接近して調査したいと上申しております」
「・・・死を擬態している可能性がある。せめてあと1日待機させよ」
「了解しました」
翌日・・・・
「あれから、全く動きがない様子です。温度測定器、音響測定器共に低い値を示しているとのことです」
オペレーターも2人で交代で席に着いている。
「死亡の判定は竜種の逆鱗を剥いで行う計画だが、その位置を調査するのにも時間がかかる。いたずらに時間をかけてこのまま待機するのも・・・・」
マコトは前例の無い事態に迷う。
「仕方が無い。全部隊に第2種警戒態勢を、態勢が整い次第に死亡判定を行う」
「「了解!」」
1時間後・・・・
「全部隊、配置完了しました」
「分かった。観測班に連絡、調査を開始せよ。また、無線の中継点の確保をしている部隊はこまめに通信態勢を確認。異常があれば直ぐに無線で報告できる態勢を維持するんだ」
有線式の連絡手段では即応性と迅速性に欠けるので今回は無理矢理に無線の中継器を地下に持ち込んでいる。異常事態が発生すれば即廃棄する計画だ。
観測班の工兵隊員には魔物?解体経験のある者達が居り、ミスリル製の解体道具を使用して逆鱗を剥がしにかかっている。
2時間後・・・・
「まだ時間かかるのか?」
「体組織の鉱石部位が想定より硬く、その部位の破壊に手間取っているようです」
「厄介だな。爆薬の使用許可を出そう。破片で科学防護服を破損しないように重々注意を促すよう」
「了解しました」
3時間後・・・・
「陛下、逆鱗の回収に成功したとのことです。同時に掘削野郎の死亡が確認されました」
「逆鱗の回収に四半日かかったか・・・。本国から来た解体回収部隊に連絡を、早速素材の確保にかかろう。思ったよりも簡単にケリがついT・・」
「観測班より報告!爆破した坑道の奥より穴を掘る音が複数するとのことです!」
「・・・・、ハァ!?」
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