28話 コダの森にて 6
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3・5tトラックでコダの森の中層近くまで行くと、マコトはトラックをアイテムボックスに収納した。
トラックに怯えたのか、魔物による襲撃は無かった。
マコトは無線のメリット交換を実施した。
「HQより各ユニットリーダー報告を。」
「A班6名異常無し。」
「B班6名異常無し。」
「C班4名異常無し。」
「HQ了解。軍団としての初仕事だ。葬送曲の名を広めて行く過程だ。張り切って行くぞ!!」
『了解!!』
今日のマコト達の目標は、オーク達の集落を特定して殲滅することだ。
先日のオークとの遭遇した地点から、A班が放射線状に広がって捜索して行き、
その中央をC班を中心としたパンツァーカイル方式でB班がその周囲を固めた。
本来なら火力の高い軽機関銃のC班を外周に配置するべきだが、即応性に欠ける為、即応性の高いB班を外周に配置した。
「A3からHQ。」
「HQよりA3どうぞ。」
「オークとは、関係有りませんがハニービーの巣を発見しました。」
「ハニービー?」
「A1よりHQ。ハニービーとはエルフの間でも、珍味とされる蜂蜜を集める魔物の一種です。」
「A3からA1見たこと無い程大きな巣です。」
「A1からA3本当に?」
「HQからA班今はオークの集落が目標だぞ。」
「B2からHQ。しかし、ハニービーの蜜は高額で取引されます。任務の間の副次収入としては破格かと。」
エルフ達の興奮具合に、マコトも折れて、苦笑しながら、
「HQより各ユニット了解した。ハニービーの巣を回収するぞ。」
『了解!!』
「A班は周囲の警戒、B班、C班は集合。」
ハニービーの巣の有るという場所に行って見ると、1本の巨木を覆い隠さんばかりに、猫程も有る蜂が巣を作っていた。
「コイツらがハニービーか。どうやって蜜を回収する?」
「簡単ですさ。木を切り倒せば良い。」
「これだから、ドワーフは・・・。」
「何じゃ!?なんぞ言いたいことでも有るんかい!!」
「別に。マコトさん。ここは私達エルフに任せてもらって良いですか?」
「良いけど、エリック何か策が有るのかい?」
「ええ、まあ見てて下さい。」
そう言って、エリック達エルフは、森から薬草や枯れ木を集めると、火を付け巨木を燻り出した。
「燻り出しかい?」
「ええ、これくらいでは、魔物であるハニービーは死にませんから、一時的に巣から追い出すことが出来ます。」
1時間もすると着けた火も消えて、辺り一面にハニービーが転がっていた。中には一際大きな女王蜂の姿もあった。
「これで死んでいないというから恐ろしい生命力だな。」
「マコトさん、早く今のうちに巣を切り出してしまいましょう。」
「分かった。」
マコトは、異世界マーケットで45㍑入りのビニール袋を大量に購入した。
そして、まさか、こんな事に使われるとは思ってもいられなかったであろう、旧日本軍で使われていた軍刀を11本創造の力で作成した。
人を切る為に、考案された軍刀を蜂の巣を切り取る為に使うとは何事か!と言う人も居るかもしれないが、他に適当な物がマコトには思いつけなかったのだ!!
こうして蜂蜜たっぷりの巣を切れ味抜群の軍刀で、バッサリと、切り取っては袋に詰めるという作業を2時間程続けるとなんと80袋。
一袋辺り10kgとしても、約800kgもの蜂蜜が取れたのだ。
蜂の子も居たが、その部分はハニービーを保護する為に残しておくのが流儀だとして、捕ることはしなかったが、それでも大量の蜂蜜が手に入った。
一部は売るにしても、残りはエルフ達に振る舞うのが良いなと、マコトは思った
蜂蜜たっぷりの袋をアイテムボックスにしまうと、オークの集落の探索を再開した。
冒険者ギルドの方でも、見張りは派遣しているらしいのだが、マコト達に大打撃を与えられてからは、頻繁に住処を変えているらしく、冒険者ギルドでも、派遣した者との連絡の確保に四苦八苦している状況のようだった。
探索を再開してしばらく、先行している狙撃班から無線が入った。
「A4からHQ。」
「HQよりA4送れ。」
「A4からHQ、前方に人族を発見した。我々と同じく、樹木上に居り何かを監視している模様。」
「HQよりA4、恐らく冒険者ギルドの派遣した監視者だ。密かに接触できるか?」
「A4からHQ、了解。」
どうやら、オークの集落を間もなく発見出来そうだ。
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次回更新は2月15日午前7時を予定しています。




