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279話 新婚 15

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 ドンナー王国 採掘鍛冶都市Bー7ーR 近隣地帯


 「陛下、村落を発見しましたが住民の姿はありません。荒らされた形跡もなくわずかな畑も根こそぎなくなっています。おそらく避難したものかと」


 「『円卓』の情報ではこの村の住民はまだ残っているはずだったが」


 そう言うとマコトは傍らの屋根を取り払ったオープンタイプの高機動車に目をやった。


 「この村は猟やら山菜、薬草の採取で成り立っておって都市の貴重な食糧供給源じゃったが、無人とは・・・」


 道先案内人を務めるドワーフが顔をしかめる。


 公国軍は本隊が街道を進行しつつ、付近の集落の状況も小部隊を派遣して情報収集を行っていた。


 「この近辺の村はここで最後だな。本隊に合り・・・」

 

 タタタタタッ!!タタタタタッ!!


 分隊の外周を警戒していた軽装甲機動車の軽機関銃が二度指切りをして発砲した。


 「敵襲!ゴブリン少なくとも10以上」


 そう警告すると軽機の機関銃手は連続して発砲する。


 あちらこちらの車両からも発砲音が響く。


 「降車して展開する必要はない。住民の居ない村を守る必要もないから離脱するぞ、続け!」


 マコトが命令すると軽装甲機動車と高機動車の混成部隊は射撃しつつその場を後にした。


 「陛下、宜しかったのでしょうか、無人の建物を放置すれば魔物や賊の拠点になりかねませんが?」


 「見つけ次第燃やせと?ここは我が国ではない。必要ならばこの国の人間がするだろうな」


 「差し出がましいことを申しました」


 程無くして小部隊は本隊と合流する。


 「4時間かけて進んだのは50km程か」


 マコトは留守を預かっていた大佐から報告を受ける。


 「なかなか本国のようにはいきません。街道はほぼ地面が剥き出しで整備も行われておりません。悪路のうえに魔物との遭遇戦も3回ほどありました。敵はほぼゴブリンですがオークも複数確認しておりますが問題は戦闘よりも足止めをされることにあります」


 大佐は一息つく。


 「我々はドンナー王国の地下王都に潜む洞窟竜(ケイブドラゴン)を討伐しながら侵攻してきた他国の軍勢よりも早く王都周辺に潜伏している指導者層と合流しなければなりません。その為にも一刻も早く前進しなければならないのですのに」


 マコトも唸る。


 「問題が洞窟竜(ケイブドラゴン)だけなら秘密兵器を空輸して終わるが王国が討伐の為に呼び込んだ他国が手の平を返して居座っているからな。王国の首脳陣が戻っても討伐、防衛戦で失った兵力不足で国内の治安維持も出来ない。ならば我が国との国境から国内の治安回復をしつつ敵を各個撃破しようと考えたが時間が無いな」


 マコトは再び思考する。


 「・・・・他国を巻き込むか」


 周囲の司令部要員達が驚いた顔を見せる。


 「我が公国のみで諸問題を解決すれば確かにドンナー王国からの見返りも大きい。しかし、だんだんと当初の計画よりも不確定要素が増えて我が国の負担が増している。ここら辺で他国にもリスクを背負ってもらおう」


 マコトは意味ありげな笑みを浮かべていた。





読んで頂きありがとうございました。これからも宜しくお願いします。

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