278話 新婚 14
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ドンナー王国 採掘鍛冶都市Bー7ーR近郊 ヤマト公国軍仮司令部
「先走った第2偵察隊に援軍が間にあった模様です。我が軍に損害無し、避難民にも大した損害はありません。第2偵察隊の処分ですが・・・」
「全員今回の遠征の間の危険手当てのカットだ。本来の給与はそのまま。せっかく連れて来た戦力だからな、営倉入りなどもったいないしそもそもが物理的に存在しない」
「分かりました」
偵察隊を指揮する少佐がマコトに問い掛けたがマコトは既に考えていたのか即答した。
「物資の集積具合はどうか?」
「既にほとんどの物資は揚陸済みで空中艦は順次上空に上がっています。明日中に物資の整理、各部隊の掌握を済ませて明後日には進軍を開始します」
「第2偵察隊以外からも魔物の群れの発見報告が複数あります。部隊は大きく3つに分けて、露払いの戦闘特化部隊、その交代、予備戦力部隊、そして非戦闘車両、輸送部隊の順で進む作戦です」
「空軍部隊に地上部隊の進行方向を念入りに偵察するように念押しをして突発的な戦闘のリスクを下げるように」
「「了解!!」」
採掘鍛冶都市 通称「円卓」内 ある会議室
「他国の軍を受け入れてしまって良かったんじゃろうか?王都の大洞窟と連絡が付かんとはいえのう」
「しかし、そうしなければ早晩にもこの都市は飢えておったじゃろうにて」
「既に一週間分の生鮮食品、瓶詰めなどの保存処理のされた野菜類、医薬品が公国から運び込まれておる。対価は土地の使用料と宝飾品で良いと言われておるが儂ら自慢の武器が売れんのは歯がゆいのう」
「無体を働くのでは無いかと警戒しておったが、支払い前に食糧を運び入れてもらったり他の村町からの避難民も助けてもらったようだ。取引はしなくて我々はやっていけん。国内だろうが他国だろうが物資は必要だからな」
「だが、対価が釣り合ってはいない。避難民が増えたせいも有るが儂らの方が貰い過ぎじゃろうにて。そこでどうじゃろうか、道先案内人をこちらから出すというのは?公国は先々での交渉ごとの手間が幾分省けるじゃろうし、儂らも国内の情勢が分かる」
「そうじゃのう。宝飾品などの増量と道先案内人を提案してみるかのう。利益ばかり享受すると後々が怖いの。では各々何かあれば直ぐに報告してくれ今公国とのトラブルは避けたいからな」
2日後 公国軍仮司令部
「予定より少し遅れてしまった」
「仕方がない、各地からの避難民が増えたことによる食糧支援の増量などの交渉が必要だったからな。陛下がいらっしゃる今の方が話しが早い」
「先発部隊の我々はこの仮司令部と物資集積所を守る戦力を除いて、空中艦3、歩兵2000、工兵300、憲兵50、各種車両100か。後続の部隊はまだ公国を出ていないのだろう?」
「ああ、国外で数千の兵士を維持するのは予算が掛かりすぎるからな。王都周辺に仮の拠点を築いたらそこに一気に兵力を送り込む計画だった」
「そういえば、何で陛下が居ないんだ?」
「・・・・先頭の露払いの戦闘特化部隊に行かれた。しばらくは敵が魔物ばかりということでストレス発散らしい」
「陛下が責任有る立場になられてまだ数年なんだろう。そりゃご苦労御察しするな。結婚したばかりだしな」
「意外に結婚がストレスだったりしてな?」
「「ハッハハハハハ!!」」(笑)
「報告!作戦計画に無い空中駆逐艦『島風』が接近中です」
「「は?」」
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