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276話 新婚 12

今回少し長めです。最近スランプです。この作品も休載期間を含めて数年ですが、悩んでいます。感想、いいね、プリーズ!!!!

 ドンナー王国 採掘鍛冶都市外 公国軍仮司令部


 「避難民とおぼしき集団は人間、ドワーフの老若男女約200名。武装した十数名が防戦の構えを見せている模様」


 「第2偵察隊、交戦に入りましたが苦戦しているようです。魔物はオーガ3、ホブゴブリン5、ゴブリン約30、ウルフ系8の総数約50の集団です。増援の小隊到着まであと15分」


 「偵察隊は一部隊5名で構成され武装は小銃に狙撃銃程度で重火器はありません」


 「偵察隊は自重すべきでしたな。情報収集か目的なのに義憤に駆られて優勢な敵に攻撃するとは」


 マコトと数名の幹部は司令部に隣接した通信室に来ていた。オペレーターの報告を聞きつつ1人の少佐が発言する。



 「第2偵察隊が帰還したら自分が注意しよう。その後は上官であるあなたが(ねぎら)ってほしい」


 「飴と鞭ですか?それなら陛下が褒めた方がよろしいのでは?」


 「最上位たる公王に褒められた、と考えて直近の上官に逆らうようになっては問題だろうと考えるが?」


 「・・・・ご配慮感謝します」


 マコトは偵察隊を指揮する少佐に今後の対応を指示した。



 「『円卓』に滞在している憲兵隊から戦闘を行うことを都市上層部に通達したとのことです。また衛兵隊が援護する為に出撃しようとしたそうですが、友軍誤射(フレンドリーファイア)を防ぐ為に止めたということです」


 オペレーターが新たな報告をする。


 「対応が(いささ)か速すぎる気がするな。恐らく自分達に対抗する為に用意した戦力だったのだろうな」


 「しかしながら魔物氾濫(スタンピード)でもないのに魔物が連携するとは、通常ならば殺し合いを始めてもおかしくない筈ですが」


 「これも推測だがこの争いで各地で大量の避難民が発生したことから、魔物達も連合を組んだ方が都合が良いと学んだ可能性がある」


 「侵略している他国、洞窟竜に加えて連携した魔物の群れですか。作戦が長引きそうですなぁ」


 マコトと幹部達が会話をしている間にも状況は動いて行く。



 採掘鍛冶都市近郊 名もない街道上


 「避難民は街道上の馬車を中心に円陣を組んでいるようだ!」


 「くそ、魔物は強力だが数は少ないのだから走って都市に助けを求めるべきなのに」


 「隊長?彼らは避難民です。もしかしたら自分達の町から他の町に行ったことのない者が多い一般人が多いのに、私達みたいな戦略的な考えは出来ませんよ」


 「それよりも、どうするんです?撃ちます、静観します?」


 「こちらの武装は7・62mm小銃5挺、手榴弾が各自に2、7・62mm狙撃銃が1挺で大鬼(オーガ)には効果が薄いです」


 第2偵察隊の5人がそれぞれ意見を終えた。50匹程の魔物が街道を行く200人の集団を襲う。本来ならば魔物の行動は無謀だが集団は武装した冒険者の護衛など皆無の避難民達だ。このまま行けば大きな被害が出るだろう。


 「攻撃する。LAV(軽装甲機動車)は正面から強硬する。バイクは交戦エリアを遊動して敵を牽制しつつ敵の増援を警戒してくれ」


 「オイオイ、本気か?こちらは少数で偵察任務中だ。それにここは他国の領土内で俺達は要請や依頼で来ている訳じゃない。軍人なんだ、報告して指示を待つべきで勝手に動く訳にはいかない」


 軽装甲機動車の車長でこの偵察隊の隊長である曹長と偵察バイクの上級軍曹の意見が対立した。車内の陸士達はその様子を見ていた。


 「我々には強力な武器がある、目の前に助けを求める人達が居て助けない訳にはいかない。私はもう見捨てたくない!」


 「お前何様なんだよ!お前はこの偵察隊の隊員を守るのも仕事だろうが。勇敢と無謀を履き違えるな、と教育で習っただろうが!騎士様かよ、お前!」


 「・・・・発進、前方の集団を援護する」


 「待てよ!」


 隊長は車両を発進させて行ってしまった。


 「畜生!こうなったら最善を尽くすしかない。避難民を全員救うのも魔物を全て倒すのも無理だ。ならば援軍を要請して時間を稼ぐしかないな」


 偵察バイクの上級軍曹は行動方針を決めるとバイクに増設された野戦無線機で仮司令部へと報告を始めた。








 




 

読んで頂きありがとうございます。冒頭でふざけましたが感想やいいね等もらえると励みになりますm(_ _)m

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