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275話 新婚 11

今回の作品には少しネタを仕込んでみました。最初は意図していませんでしたけど、前回を読み返して「ア!」と思い少し編集して投稿しました。気付いた方は感想してもらえると嬉しいですW

 空中空母『飛鳥(あすか)』が地上から十数mほどの位置で浮遊して、艦の下部に設けられた乗降口からはタラップが降りてマコトをはじめとしたドンナー王国への進行部隊の幹部達が歩いていた。


 他のハッチや乗降口からは多くの歩兵や装甲車両、トラック等が次々と降りて来ており、それは他の2隻も同様であった。


 「そちらのトラック!積荷はドンナー王国への救援物資の食糧だな。Aエリアに運べ!」


 「そのコンテナは仮設駐屯地の建設資材だ。そこに降ろせ」


 「臨時第3偵察隊の集合場所?ちょっと待て・・・Cエリアに行け!」


 野戦憲兵隊が交通整理をして行き、何も無い平野に秩序がうまれた。

 そんな混雑の中、マコトはいち早く設置された第1臨時司令部で報告を受けていた。





 「採掘鍛冶都市Bー7ーR、通称『円卓』ですが先行しました憲兵が都市上層部と再接触し駐屯の了承を確約させました。つきましては2時間後に代表団がこちらに来訪予定です」


 「現在の物資の揚陸状況ですが、予定の27%が終了し本日の()がある内には完了します」


 「既に2個偵察隊が周辺の偵察を、事前収集しました地形情報を基に行っております」

 

 「搭載物資が比較的少量に抑えておりました空中駆逐艦(いかずち)ですが、物資の揚陸を終了し予定通り航空部隊と共に空中警戒にあたり半径150kM圏内に脅威となる飛行体は確認されないという報告です」


 マコトの背後に置かれたホワイトボードに情報が次々と書き込まれていく。この一目で分かる情報管理法とホワイトボードに、大規模な軍事行動の指揮経験のある一部の公国軍将校からは高評価が挙がっていた。


 しかしながら前述の通り、そのような経験のある将兵は少なくてこの方法も誰にでも分かりやすいやり方を模索して実行されたのであった。


 「・・・・!そうか」


 1人の将校が外部から呼び出されて席を立つとすぐに戻った。


 「陛下、ただいま報告があり周辺偵察に出ていた第2偵察隊が小規模な魔物の群れと遭遇。(いささ)かですが大鬼(オーガ)も確認されて『円卓』の主要街道に近い為に戦闘の許可と援軍を求めています」


 通常であればより下位の指揮官が判断する状況であるが、司令部を設置して間がなく、遠征をしたことのない将兵も増えてきたことからマコトの指示で多少の細かい情報でも報告するように命令されていた為、この少佐は報告した。


 この報告すべき情報の取捨選択判断能力の見極めも今回のマコトの目的の1つであった。その意味でこの少佐の判断は『良』であった。


 「作戦参謀、すぐに行動可能な部隊はあるか?」


 「既に戦闘可能な状態の1個中隊が待機中です。魔物は小規模ということからこの内の1個小隊で充分かと。軽装甲機動車を装備しておりますので機動力にも問題ありません」


 マコトの問いに1人の中佐が答えた。


 「分かった。その小隊を急行させて同時に偵察隊には応援を待ち無理な行動はさせるな。偵察隊は情報を持ち帰るのが任務だしな。あと『円卓』に戦闘をする旨を伝達してくれ。市民を襲っていると勘違いされると面倒だ。ああ、それと大鬼(オーガ)の数ぐらいは正確に報告するように注意しておくように」


 「・・・・!!申し訳ありません」


 偵察隊のことを報告した少佐は正確な数ではなく「(いささ)か」と報告してしまったこと、作戦参謀の中佐が「小規模」という情報で作戦を決めたことに気付き顔色が悪くなった。まだ若い女性将校だけにエリートではあるが経験が少ないようだった。


 「報告します!」


 司令部の天幕前で誰何(すいか)の問答が聞こえたかと思うとこれまた若い少尉が早足で入って来た。


 「第2偵察隊が行確(こうかく)中の魔物の群れが、街道を徒歩で移動中の避難民とおぼしき集団に襲いかかろうとした為に攻撃を開始したという報告です!」


 マコトは思わず上を仰ぎ見た。


 「何でこんなに立て続けなんだ」









 

ネタは分かる人は分かるけど、知らない人は知らないだろうな~。感想、評価、いいね、ブックマーク宜しくお願いします。


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