274話 新婚 10
申し訳ありませんでした。私生活上でトラブルが有り、落ち込んでおりましたが復帰しますm(_ _)m
ヤマト公国~ドンナー王国 国境山岳地帯上空
「先遣艦隊旗艦『空中空母飛鳥』、『空中戦艦金剛』、『空中駆逐艦雷』ドンナー王国領内に進行します」
空中空母『飛鳥』の艦橋に設けられた司令部にオペレーターからの報告が届く。
3隻の飛行艦を護衛するようにプロペラで飛ぶレシプロ戦闘機と魔導動甲冑がそれぞれ3機ずつ艦隊の外輪を警戒飛行している。
実戦や訓練を経て、マコトのもたらしたオーバーテクノロジーの塊であるジェットエンジンの戦闘機よりも飛行訓練で使用されていたレシプロ機の方が飛行艦の随伴には適しているという意見から艦隊の直衛にはレシプロ戦闘機があたっていた。
空中空母から飛び立ったジェット戦闘機は今も艦隊の遥か前方で警戒と偵察をしていた。
当初はレシプロエンジン、ジェットエンジンの機体の運用を同時に行う混乱が生じたが完全な班分けをして区別化を図った。
「間もなく目的地『採掘鍛冶都市Bー7ーR』に到着するので艦が高度を下げます」
「先行する『ゴーレム5』、『ゴーレム6』並びに憲兵小隊の搭乗した『スネーク1』、『スネーク2』、『スネーク3』が順次発艦します」
複数のオペレーターが報告する。それを司令部に設置された実用的な魔物の革製の椅子に座ったマコトが聞いていた。
「ドワーフ達は国を運営する気がないとは聞いていたけどまさか都市に名前を付けずに管理番号で呼んでいるとは」
「陛下、『採掘鍛冶都市Bー7ーR』は国境を接する我が国とは山脈で隔たれており、ドンナー王国の物流が機能しなくなり約1ヶ月が過ぎて食糧が都市外から届かなくなっており、食糧難から我が軍の都市郊外への駐留を認めました。敵ではありませんが味方でもありません」
マコトの疑問に対して、傍にいた数人の軍人の中の1人が答える。よくアニメ等だと最高司令官や将軍の周囲にはたくさんの取り巻きが居るがヤマト公国軍はこの世界では類を見ない程に連絡手段が発達しており、マコトの
「艦が墜ちた際に指揮する者達が全滅するような事態は避けねばならない」
という鶴の一声もあって、作戦の流れや指揮の権限を持つ者達は各艦に分散して搭乗していた。
空母からは多目的戦闘ヘリ『バイパー』が飛び立ち、大型の戦艦からは魔導動甲冑が飛び出す。彼らはたちまちの内に高度を下げて行った。
その後、十数分が経過すると、
「降下した憲兵小隊からの通信です。『異常なし、降下されたし』です」
オペレーターからの報告を聞いて空中空母『飛鳥』の艦長が指示を出す。
「減速開始、巡航速度から半分の速度まで減速したら降下せよ。各艦の様子はどうか」
「『金剛』、『雷』の両艦も減速を開始した模様です」
「観測班、周囲の警戒を厳とせよ。空の敵はいないかもしれないが他の艦と接触する事態は避けねばならない」
「「了解!!」」
艦長はマコトの前まで来ると、
「陛下、間もなく目的地です」
何か言葉に出来ませんけど、初心に還った気がする回です。




