273話 新婚 9
寒暖の差が激しいですが皆さん体調に気を付けて下さい。
ドンゴとデン、2人の古株の元軍団の団員との談話が終わるとマコトは迅速に行動した。
「ドンナー王国に軍を派遣していたグ王国、カナン諸王国、ミスラ王国にヤマト公国がドンナー王国の救援の為に進軍することを通達せよ。特に未だに軍を駐留させているグ王国とカナン諸王国には邪魔するなと強く警告するように。あとの周辺国家には事情説明の使者を派遣すること」
「ドンナー王国の我が国との国境付近に在る大きめな都市に使者を出して軍を駐留させる為の協力を仰げ。承諾しなかったら戦後に不味い立場になることを匂わせてそれでも拒否したら無視しろ」
「派遣軍を編成せよ。人間との戦闘は0(ゼロ)では無いが二の次にして、ドンナー王国内の治安維持、洞窟竜の討伐を目的とする。大まかには空中戦艦2、空中空母1、その他5、歩兵5000、工兵500、憲兵200を目安に編成案を作成。あと、必要無いかもしれないが食糧等の支援物資もある程度準備すること」
「ゲシュタルト王国のハイマン国王にも事情説明の使者を出しておこう。無線で王都の駐在員に指示するように」
「他に必要な事案があれば報告するように。自分は派遣の為の予算会議に出席して来る」
執務室で矢継ぎ早に指示するとマコトは執務室を後にした。
残された秘書官達は指示を実行に移す為の書類作成や内線電話で各所に連絡を始めた。
ヤマト公国 公都ノースガルド 公城内会議室
「陛下、この『新兵器取り扱い予算』とは何でしようか」
派遣軍の編成案がまだまとまっていないので予算案をまだ決めることはできないが敢えてマコトは会議を開催した。そこで出された書類内容に参加者は困惑した。
「そこにある『新兵器』とは今回の作戦目標、洞窟竜、採掘野郎を周辺に損害を与えずに討伐する為の『毒ガス』だ」
「「毒ガス???」」
科学技術がまだ発展途上のこの国では錬金術師や一部の技術者を除くと一般的では無い知識だ。案の定、疑問の表情の参加者ばかりだ。
「一部の茸、動植物を口にしたり近付くだけでも体調を崩したり、死ぬことがあるのは知っている者も居るだろう。今回の『毒ガス』はある魔物から取れた非常に危険な物だ!管理するには専門の知識、装備が必要になる。その為の運営予算案の提出だ。なお、このことは作戦終了まで極秘とする。仲間だからとこの会議出席者以外の者に話すことは禁ずる」
「「分かりました」」
この毒ガスは魔物由来の物ではなく、久々のマコトの『武器創造』で作り出したものである。巨大な空中艦を建造しておきながら公国の民のほとんどは公国内の工廠で建造されたのだと考えており、マコトがそのように情報操作をしたのだ。
そうして、マコトは進行の開始を1週間後と定めてさまざまな準備に奔走した。
不安定ですけど投稿は続けますので応援宜しくお願いしますm(_ _)m




