270話 新婚 6
先週は告知なく休載して申し訳ありませんでした。仕事関係で忙しく手が回りませんでした。今後もいろんな事情で不定期になりがちになると思いますが応援宜しくお願いします。あ、本日はエイプリルフールですが嘘ではありません( ̄▽ ̄;)
「では、どうあっても援軍は派遣して頂けませんか」
ドン氏は無念さをにじませた声で言う。
「事をそう急ぐものではない。貴国からの条件を提示され、それに唯々諾々と承知すれば新興の国である我が公国、ひいてはゲシュタルト王国が他国から軽く見られる。互いの国が納得できる条件を擦り合わせる必要がある」
マコトは早急に結果を求めようとする彼を諌めた。一方的に話しを進めようとするなど相手を見下しているようなものだ。もしドン氏がそのような考えであるならば謁見を打ち切っていたが、様子を見るに国を想うあまりに結論を先急いでいるようだ。
「では、我が国に求めるものをお示し頂きたい。我々には交渉に時間をかける猶予は残されておりません。無礼は承知の上で単刀直入にお願いしたく思います」
マコトはドンナー王国からの使者の報告を受けてからの短い時間の中で、幾つか想定した内容から回答を選ぶ。
『こういった時に意見を求める宰相や大臣といった相談役が必要だな。ゆくゆくはこれから設立する省の代表達がそうなるか』
「分かった。我が国には金属を産出するダンジョンが複数存在する」
ドン氏が息の飲む。金属製品の輸出を国の柱とするドンナー王国から見れば羨ましくてしょうがないだろう。
「しかし、そこからは宝石の類いは採れない。そこでだ、金剛石をはじめとする宝石を産出する鉱山を幾つか期限付きで貸与してもらいたい。無論、他国との兼ね合いもあるで有ろうから撃退若しくは討伐の成功した暁で良いが?」
マコトは自身のスキルに頼らない工場や施設の設置を進めている。ダイヤモンドカッターは硬いものの切断、加工に必要だと前世での記憶に有った。なのでまだ具体的には使用目的は今のところ定まってはいないが将来の為に幾らかは確保しておこうと考えた。もちろん必要なければ宝石として売却しても無駄にはならない。
「・・・鉱山の貸与ですか。無償ですな、期限はどのくらいをお考えですか」
自らの生命線である鉱山の事となり、流石にドン氏の顔色が悪くなる。
「無償だが採掘にかかる人件費等の費用はもちろん出す。人手は出してもらうと助かる。期日については貴国に任せたい。成功報酬なのだから国として常識あるものとなると信じている」
期限についてマコトはドンナー王国に丸投げした。ドンナー王国内からの反発があった場合に矛先を逸らす為だ。
「自分の一存では、しかし、それでは公国の支援は得られない・・・・」
ドン氏は他国の王の前でありながら自問自答を始める。
「時間がないのでは?」
マコトは些か強めに問う。氏は非礼に気付いたのか慌てて
「私の手には余ります。本国に持ち帰り回答したく思います」
と述べるにとどめた。
「分かった。貴国に武運あらん事を」
「ありがとうございます」
ドン氏はそう言うと更なる非礼にならない程度に急いでマコトの前から退出した。公都から国境までは手配した馬車を使ったようだ。流石に他国の事情にヘリは出せない。
一週間後、ドンナー王国の王都が壊滅したとの情報がマコトに届いた。
タイトル詐偽になりかけておりますm(_ _)m




