267話 新婚 3
申し訳ありませんでした。体調不良等により投稿が疎かになっていました。これからの時節、転勤、転属などもありますので多忙になりますが応援宜しくお願いしますm(_ _)m
親衛隊参謀のミラ・ノ少佐に続いて入室して来たのは空軍の参謀と陸軍の参謀役の将校だった。空軍は空中艦隊の今回の派遣の為に臨時艦隊が編成され、かなりの規模となった為に参謀がいたが、陸軍は行進が主目的であった為に参謀を派遣する程の数がいなかった。海軍は今回の式典には参加していない。後でフォローを考えなければいけない。
参謀と言えば、司令部で作戦をあーだこーだと考えたり、艦隊の提督に助言をするイメージがあるが、ヤマト公国では以前に述べたように建国間もなく教養レベルが一定とは言えない。
実戦経験者達に指揮権を与えて部隊運用をさせているが複数の部隊をまとめる佐官、将軍クラスに自由気ままに指揮をされては不都合が生じるおそれがあるので一定以上の指揮官、司令部には目付としてマコトの意思を代弁する参謀が派遣される形式が取られていた。
「よく来てくれた。早速だが本題に入ろう」
そう言ってマコトは先ほど書き出したばかりのヤマト公国の組織図を3人に見せた。
「「「・・・・」」」
「我ながら酷い組織図だろう?内政を後回しにして軍事を優先させた罰だな。君達には健全な国家運営の為の組織図の叩き台を作成してもらいたい。期限はヤマト公国の公都ノースガルドに到着予定の2日後だ」
陸軍将校の中尉が挙手する。
「何かな?」
「何故我々なのですか。それと今の軍が行政の足りない部分を補う形でも支障はないのではありませんか」
ミラ・ノ少佐と空軍の少佐は何を言っているんだコイツは、という目で陸軍中尉を視線で殺せる目付きで見ていた。
そんな2人をマコトは視線でなだめた。
(忠誠心が高いのは良いが、盲目的でも困るな。教養方針を間違えたか?)
「まずは君達を選んだのは幾分なりと私の思考を理解していながら私とは違った目線で物事を考えることが出来ると思ったからだ。今の組織ではいけない理由も同じだな。同じ思考ばかりだと組織は動脈の詰まりを起こして腐敗してしまう。それをふせぐには定期的に組織改革をして動脈の流れを良くしてやる必要がある」
陸軍中尉はパアッと顔を明るくする。
「動脈・・・、血管の事ですね。士官教育で習いましたのでよく分かりました!」
まだ年若い彼女の年相応の笑顔を見て思わずマコトは頭を撫でてしまう。
(自分もまだ20代。思考が柔軟な将校を、と考えて若い人間を将校に取り立てたが時期尚早だっただろうか)
「もちろん、言った通りに叩き台とするがそこから更に手は入れていく君達は安心して構想してもらいT・・・・」
マコトの言葉が途切れる。そこには頭を撫でられた同僚を今にも射殺しかねない形相で睨む2人がいた。ちなみに2人とも人間で年齢は20代だ。頭を撫でた中尉は10代だが。繰り返しになるが教育レベルが低く、教養がある人材が少ないのが原因だった。
(ヤバい、女性の頭を撫でる自分も自分だが何で2人ともあんな人を殺せそうな目をしているんだ。やはり嫉妬?何でこんな地味な男の行動に対して嫉妬するんだよ。自分は魅力系のスキルは持ってないぞ!!)
「それでは宜しく頼む!」
そう言って強引に2人の注意を引くとマコトは握手を少々長くした。2人とも些かなりとも満足した様子でミラ少佐に至ってはにぎにぎと握り返して来た。
3人が横並びに整列して敬礼して室内から出て行く。代わりに廊下で人払いをしていた武装侍女隊の2人が入って来る。無言だが目線で何か言いたそうな感じだった。
「どうした、何か問題か?」
マコトが問い掛けると互いにアイコンタクトして年長な方が発言する。
「はい、廊下で少佐達が『撫で撫で』や『握手』、『ご褒美』とか姦しかったので何事かと思いまして」
「・・・・そうか、何だろうな」
マコトは惚けた。この後は艦内で各地の部隊、都市からの報告書等の事務処理を行い、新婚である3人との逢瀬をしたが流石に艦内では一線は超えていない。
外話
「私、男の人に初めて頭を撫でられました」
「私は手を洗わないことはしないけど感触を忘れないように手袋する」
「甘いわ。私は手を握り返して公王にマーキングして来たわ」
「・・・・」
「え、少佐。流石にそれは私でも引きます。そういえば何で部署を問わず先輩方は陛下を慕っているんですか?」
「中尉、その発言は聞かなかったことにするわ。命が惜しかったらもう言わないことね」
「・・・・了解しました」
「そう、良い娘ね。そんな簡単なことがわからない男が何人消えたことか・・・」
「其れよりもミラ少佐、今回の任務を首尾良く達成すれば更なるご褒美があるかもしれません!」
「・・・・・!その発想はなかったわね。今から2人とも私の部屋に来なさい。トイレとシャワー以外は部屋で過ごして案を作成します」
「「了解!」」
「ふふふ。陛下お待ち下さいね!?」
「何?アノ人達」
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