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256話 合同結婚披露式典 IN王都 5

近々、いろいろな改革をするつもりです。

 20式重戦車に引き続き歩兵戦闘車を初めとした装甲車両群が40輌、こちらも縦2列になって走行して来た。厳密には装甲車両では無い車両もあるが王都民には区別が付かないことからも同じように行進している。(某中将曰く、「戦いは数だよ兄貴!」である)


 「続きましては装甲車両部隊です。彼等は戦車よりも素早い行動が出来、敵の矢玉を物ともせずに敵陣を突破します」


 アナウンスが流れると同時に車長が上部搭乗口(ハッチ)から上半身を出して車載機銃の空砲を各々100発空中に向けて発砲した。


 装甲車両群に続いて今度は3・5tトラックを初めとした輸送車両群が進入してきた。


 「彼等は、輸送部隊です。1台で馬車数台分の荷物を運び、速度は馬車とは比べ物になりません」


 アナウンスでの説明に商人らしき一団が驚きの声を挙げる。トラック群はパフォーマンスをすることなく通り過ぎた。


 「更に進行して来ましたのは歩兵部隊です。彼等こそ戦闘の華、戦車や装甲車が抉じ開けた敵陣に突入して勝利を確実なものとします」


 エルフ、人間、ドワーフを主とした約1000人が灰色がかった都市迷彩の戦闘服で行進して来る。本当に少数だが獣人や亜人も参加している。

 彼等は種族ごとにまとまらずに入り交じって隊列を組んでいる。体格差はあるが歩調を合わせて行進する。王都民達は兵士の行進といえば大勢がダラダラと歩く印象だったのでザッザッと歩く足音が揃って聞こえるのに驚愕した。灰色の迷彩を地味だと(わら)う声も上がったが大半の王都民は友好国の軍に好奇の眼を向けていた、王都防衛戦を生き延びた者達だ。


 地上部隊の最後を飾る存在として高機動車に牽引された120mm迫撃砲や155mm自走榴弾砲、トラックに牽引された155mm榴弾砲が20門走行して来た。


 「最後に行進しますのは『砲撃部隊』です。彼等は魔法や弓矢よりも遠い距離から敵を攻撃することが出来ます」


 王都民はその意味がよく分かっていない様子だが一部の者達の顔が青ざめている。恐らく他国の間者(スパイ)達だと思われた。その調子でヤマト公国の軍事力を母国にしっかり報告して欲しいものだ。


 マコトは現場から送られて来る映像を見ながら今回の示威表示の効果を確認していた。


 「陛下、間もなく艦隊が王都上空に到達します」


 空中戦艦比叡(ひえい)に乗艦していたマコトのもとに艦の幹部が呼びに来た。


 「分かった」


 マコトはまだ違和感を覚える身体を椅子から起こす、とバランスを崩す。


 「マコト様!」


 咄嗟に幹部がマコトを支える。


 2人は抱き合う姿勢になる。


 「すまないな」


 「い、いえ。大したことありまひえん」


 (きゃ(/▽\)♪マコト司令に抱き付いちゃった!)


 幹部は乙女だった。


 「艦橋に移動する」


 「は、はい」


 マコトも内心、ドキドキしていた。マコトも大概純真だった。ヘタレとも言う。


 比叡の艦橋に入る。


 「公王陛下、入ります」


 付き添っていた幹部が声を発する。


 艦橋で機器を操作する者以外の乗組員が挙手の敬礼をする。


 「ん」


 マコトが答礼する。


 「魔導動甲冑部隊、ゴーレム1~6発艦します」


 交信していたオペレーターが報告する。空中空母飛鳥(あすか)赤城(あかぎ)から3機ずつの魔導動甲冑が空中へと翔び立ち艦隊の周囲を飛び回る。


 「マコト様、当初の計画では・・」


 空中駆逐艦 白波 綾波 島風 雷


 空中巡洋艦 高雄 夕張 長良


 空中戦艦  比叡 金剛


 空中空母  飛鳥 赤城


 「・・の順で単縦陣で王都上空に進入する予定でしたが、」


 シューゼンバッハ艦長が確認してくるが、


 「予定変更だ。空母を中心とした輪形陣で進行する。王都の反応はなかなかのようだ。首が痛くなるほど空中を眺めてもらうよりも派手にいこう」


 マコトは計画の変更を指示する。 





読んで頂きありがとうございます。応援宜しくお願いします。

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