255話 合同結婚披露式典 IN王都 4
いつも見て頂きありがとうございます。今回は主要人物が出てこない回となっています。
ゲシュタルト王国 王都ゲイボルグ 新市街地
王都防衛戦で甚大な被害を被った王都各所は復興と同時に大規模な区画整理が行われた。
中心に王城
↓
囲むようにして貴族街、庁舎街
↓
旧市街地
↓
新市街地
↓
外壁
という風に区画が分けられて、以前からある街並みを旧市街地として火災による被害を防ぐ為の目的やある仕掛けの為に家々の間隔をあけたりして必要な用地を確保したので、溢れた王都民達の為に新市街地が設けられた。
勿論それぞれの街を区切る内壁は維持されたので新しく造られた新市街地には外壁が無かった為に魔術や精霊魔法の使い手が集められて急ピッチで建設作業が行われた。(この復興資金にはマコトからの資金が多く使われたおかげで民からの臨時徴税は無かったが、王家の負債は莫大になった)
貴族街の屋敷も華美で豪奢な様式のものは減り質実剛健でいざとなれば砦として機能するように改築したものが増えた。
そんな新市街地の中央を分断するように走る中央路は普段には馬車や人々が行き交っているが今日は規制が引かれ、路の真ん中には警備の兵士以外誰も進入出来ず両端に歩行者用のスペースが設置され人混みで混み合っていた。
「防衛戦で活躍した元冒険者のヒイラギ公爵が今日、王都に入られるんだろう?」
「馬鹿、公爵様じゃなくてヤマト公国の公王様だ!」
「??どう違うんだ?」
「そりゃ・・・アレ?どうなんだ?」
「明日は第2王女のアナスタシア様との結婚式なのよね!」
「シィ~!!もう第2ではなくて第1王女様よ!」
「!!!」
「王女様だけでなく、公爵令嬢様と軍団の元副官様との合同の式なんだろう?羨ましいなぁ」
「リア充、爆破しろ!!」
「そうかぁ?俺なら副官様はとにかく、蒼い血のお嬢様2人と結婚だなんて無理無理」
「ママ!また、あの空飛ぶお舟見れる?」
「良い子にしてたら沢山見れるみたいよ」
「この王都にこんな短期間に続けて外部の軍が入るとは、儂の若い頃は・・・」
「あのじいさん、また独り言言ってるぜ」
「防衛戦で家族亡くしてんだ。ソッとしとけよ」
集まった群衆が見物しており、かなりの賑わいになっていた。必然にスリ等の盗みを行う犯罪者や見物人同士の喧嘩、他国からの間者も入り込んでいるのでその対応に王都の衛兵や騎士団は追われていた。王都だけでなく他の都市からも人員を割き警備していた。
群衆の早い者は陽が昇る前から集まっており、正午を向かえる頃には興奮が最高潮に達していた。
開けっ放しになっている王都の正面の門から続々と騎乗したゲイボルグ王国騎士団の騎士達が入門して来た。行進の先触れだ。形としては王国の軍が導いて他国の軍を引き連れて来るので、この他国の軍は敵では無い、王国の方が立場は上なのだ、と示している。まぁ、最初の理由はとにかく、後の理由は騎士団も王都民もそこまで自惚れていないが今回は他国の目もあるので仰々しい振る舞いになっている。
「来たぞ、先触れの騎士だ」
「いよいよだな!」
「ちょっとお前ら黙れよ。何か聞こえ無いか?」
音楽の演奏に合わせて、元、軍団葬送曲、現ヤマト公国軍の車両群が進入してきた。
(勿論、冒険者としての葬送曲は今もアリシアを団長として今も存続している。音楽に関しては当初は音楽隊を用意する予定だったが行進する部隊より目立つものが在っては・・・ということで各所に設置したスピーカーから王城での演奏を生中継している)
先頭は20式重戦車、120mm砲を主武装とした公国の主力戦車だ。他国との技術格差が開き過ぎており主な仮想敵はサイクロプスやゴーレム、巨人族と言った魔物や亜人となる。それが20輌。縦2列になって時速10km程で走行している。音楽に合わせて戦車の紹介もアナウンスしている。大型の魔物を一撃で倒す火力、攻城兵器の直撃を受けてもビクともしない装甲等、王都民にも分かりやすい例えで説明しており、群衆からもどよめきが上がっている。
「戦車が主砲を発射します。大きな音がします!」
アナウンスが警告する。
ドドン!!!
20輌の戦車が一斉に空砲を発射する。市街地で行うということで空砲に使われた火薬も減量して音はかなり抑えられた。それでも効果は有り動揺も有ったが群衆のほとんどは王都防衛戦の経験者で1度、爆発音や砲撃音に晒されていたことからパニックになる者は少なかった。
ブックマーク等いつもありがとうございます。寒くなりましたが皆さん体調にお気をつけ下さい。投稿ですが現在日曜日の朝7時にしておりますが曜日を土曜日にしたいと考えています。ご意見ありましたら感想欄でも良いのでお願いします。




