251話 合同結婚披露式典 11
現在なんとか毎週投稿できていますが職場で問題が山積しておりメンタルがズタズタです。休日にリフレッシュしているつもりですが、いつ体調が崩れるかもしれないですので突然連載が止まるやもしれません。いつも応援ありがとうございますm(_ _)m
空中巡洋艦高雄が降下を完了し艦の下部にある格納庫のハッチが開く。
艦の周囲はガガ少佐の部隊が警戒していた。
「ヒイラギ公王陛下『高雄』乗員一堂、陛下の御乗艦に感謝致します」
艦内の格納庫には高雄の艦長以下、艦の幹部が集まっていた。
「貴官には任命式の際に顔を合わせているな?確か・・・・」
「空中巡洋艦高雄艦長のマミヤ・ナオ大佐であります、陛下」
女性艦長のマミヤ大佐は笑顔で答える。
「訓練艦隊提督閣下も陛下のご尊顔に拝謁賜りたかった模様ですが訓練艦隊を放置する訳にはいかず、残念がっておりました」
変わらず笑顔でマミヤ大佐は言うが心なしか笑みが深まっている。どうやら大佐は提督が嫌いな様子であった。
「マミヤ艦長、マコト様はお疲れだ。最上位の個室を用意してもらいたい。ああ、勿論従者は要らん、我々が行う」
カーミラ武装侍女隊隊長がマミヤ大佐に要求する。
「では将官用の個室がありますのでそちらに。しかし、その前に」
大佐が言葉を切ると、幹部の列が割れ2人の少女が現れる。
「君たちは、え~っと・・・」
マコトが歯切れ悪く言いかけると、
「・・・、長門楓です」
「神宮寺桜です」
2人は名乗る。服装は公国正規軍の制服ではなく、セーラー服をズボンにしたような格好である。白い水兵の服装を黒っぽくした感じといえばご理解頂けるだろうか。訓練艦隊の者達が気を利かして用意した物だろう。
「そうだったな。2人にはドリンドル基地で、こちらの世界に関する一般教養を学んでいてもらっていた筈だが?」
長門は転移後アシュラ王国で竜騎士になっていたが、社会情勢は知らず、神宮寺に至ってはイージス聖教国に無理矢理召喚された直後にマコトに保護されたので異世界について何も知らなかった。そこで、ある程度の事情を知っている元副官であり、現婚約者のアリシアにお目付け役を任せて、葬送曲の団員から家庭教師を選びこの世界についてを学んでもらっていた。
「アリシアさんがゲシュタルト王国に出張に行ってしまって私達自習になっていたんですけど、基地で柊さんが重体だって聞いて心配になってしまって・・・・」
「神宮寺は悪くないよ!止めたのに私が提督さんに柊さんを助けに行きたいってお願いしたから!」
マコトは頷くと、
「私を心配してくれたことは素直に嬉しい。しかし、君たちはここに来るべきではなかった。君たちはまだ高校生だ。戦場になんて望んで来るものではないよ」
そう2人を諭すと、マコトは彼女らを連れて来たマミヤ大佐に目をやるが何も気にしていない風であった。この世界では未成年が冒険者や兵士になり、命を賭すなどは日常茶飯事なのだろう。
「君たちは少し休むと良い。慣れない戦場の雰囲気で神経が過敏になって疲れているだろうからね」
マコトが車椅子に乗ったままにそう言うと、高雄の幹部の1人が2人を促して格納庫から連れ出した。
「地上の戦況はどうなっている」
「殿の部隊がもう間もなく長良に搭乗が完了します。その後は艦隊で現地を砲撃しつつ、離脱。此方に向かっている陸軍の連隊にカンダハール少将が合流して大森林の魔物氾濫を鎮圧します。艦隊はそのままゲシュタルト王国王都ゲイボルグに向かう作戦です」
空中巡洋艦高雄の副長が報告する。
「了解した。古き森の方はどうなっている」
「想定された規模よりも少なく、守備隊で対応可能であり現在は掃討戦中だとのことでした」
「よし。一連の国境侵犯からの状況が終息に向かいつつあるな。イージス聖教国にはいずれ然るべき処置を講じなければならんが。艦隊の進路をゲシュタルト王国へ取れ!」
「「了解!!!」」
「あの、マコト様?」
マコト達が高雄艦内にある将官用の個室に向かっていると艦長のマミヤ大佐が小声で耳打ちしてきた。
「何か?」
大佐はカーミラやララ少佐が聞こえていないことを確認すると、
「先程、遠距離通信で連絡があり、まだ技術的問題で詳細は不明だそうですが、ゲイボルグでアリシア様とミナサリア様達がバカダ侯爵を討ち取られたそうです」
「・・・何故、そうなった。今は披露式典の事前準備の筈だが」
いろいろと伏線を回収したつもりです。おかしな箇所が有れば指摘して下さい。あと恥ずかしながら日本人の少女は今回の2人だけですよね?一応読み返したのですけど他に居ましたら教えて下さい。




