249話 合同結婚披露式典 9
ちょっと停滞気味だったので起爆剤投下。今回は主人公は登場しませんが、懐かしい顔ぶりです。結婚式を早くしたいですけど、前置き長いですねW結婚式の資料も欲しいから先延ばししているとも言います(反省)
大森林内ヤマト公国陸軍前哨陣地
タタタタタッ、タタタタタッ!!
22式機関銃(7・62mm弾)のリズミカルな銃声が鳴り響く。巨大な樹木の隙間を縫うようにしてゴブリンやウルフ系の魔物が陣地に押し寄せる。
タタタタタッ、タタ・・・・。カチッ、カチッ。
「弾切れだ!小銃、援護しろ。装填!!」
「小隊長、この弾薬箱で看板です!!」
「クソッ!おい、物資集積所に行って弾薬をかき集めて来い!!店仕舞いにはまだ早い」
タン、タン、タン、タタタタタッ!!
単発で射撃していた小銃が弾幕の薄さを補う為に連射に切り替えて始めた。
「このままだとじり貧だぞ。どうすれば?」
「小隊長!アレをっっっ!」
「・・・・!?」
上空を無数の影が覆おうとしていた。その数、千にも届こうかという飛行型の魔物の群れだ。
「あんなモノが前線に到達すれば間違いなく戦線は崩壊する。俺の悪運もこれまでか、将校になれたから帰郷してアイツに告白するつもりだったのにな」
小隊長が死亡フラグを盛大に立てた。
『じゃあ、そのフラグ私が折ってあげる!!』
『ちょっと、楓ちゃん!?』
傍らの無線機から突如、女性の声が聞こえた。
「何・・・」
小隊長が疑問の声をあげかけたが、
上空を幾つものなにかが通過した気がした。
『何だ、今の感じは?』
『おい、魔物の群れが!!』
『・・・・!』
無線が錯綜する。
小隊長は声を発することが出来なかった。空を覆わんばかりだった魔物の群れに大穴が開き、今もポロポロと何匹も墜落していた。
『良し!命中、第2射よ~うい!』
『楓ちゃん、ちょっとお話ししようか?』
『ちょっと、桜、怖い、怖い。何処を掴んでるのよ、痛たた!』
プツン。謎の通信が切れた。
小隊長が我に返った。
「地上の敵も混乱している今のうちに体制を立て直せ」
部下達が銃身を交換したり、届いた弾薬箱から中身を取り出して分配していく。
「小隊長」
1人の男性兵士が走って来た。
「小隊長、アナタの男らしさが好きです。この作戦が終わったら付き合って下さい!!」
周囲の兵士達が手を止める。
「さっきまで自分はもう死ぬんだ、と諦めていました。けど想いを言えずに死ぬのはやはり嫌です!隊長、好きです!!」
周囲の兵達が手を動かしながら、口笛を吹いたり、野次を飛ばして来る。
「お前なぁ、男らしさって俺は女だぞ?それは誉め言葉か?」
小隊長、アリス・ロンド少尉は呆れたように言う。
「一人称は俺だし、サボってたらすぐに蹴りが出るように男らしいけど、猥談をしてたら顔を朱くする隊長が大好きです。蹴られると切なくなるんです。罵って下さい!!」
兵士が鼻息も荒く、大声で言う。周囲の口笛や野次が止む。中には頷いている者もいる。
「すまないが、俺には故郷に大切な幼なじみが居るんだ。俺にはアイツしか考えられない。アイツは俺の全てなんだ」
アリス少尉は真面目に返事する。
「そうですか、でも自分はいつまでも隊長を想っています!」
兵は踵を返して作業に戻る。
「アイツは転属させないとな」
アリス少尉は身の危険を感じた。
「ラブコメは終わりか?」
森の木陰から森林迷彩の兵士が現れる。
「マコト様の救援部隊のガガ陸軍少佐だ」
男性将校は手慣れた様子で崩れた敬礼をした。
「救援?一体何処から」
アリス少尉も答礼する。
「あそこからだ。鉱山都市ドリンドルから長門楓、神宮寺桜、両特別顧問が艦隊を率いて来られた」
ガガ少佐の視線の先には3隻の空中戦闘艦が浮遊していた。
忘れかけていた日本人登場です。今回はちょっと調子に乗った内容で書いてみました。視聴件数、登録件数が増えておりまして大変感謝し、感動しています。変わらぬ応援お願いします。贅沢を言えば一言でも良いので感想が欲しいです。感想渇望症状発現です。ハアハア!




