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242話 合同結婚披露式典 2

なんとか今週も投稿することが出来ました。今回は少々濃い設定を追加しておりますがご容赦ください。ご意見がありましたら感想をお願いいたします。

 空中戦艦比叡艦内 艦橋 臨時司令部

 

 「空中駆逐艦睦月、離脱しました」


 「指令部権限、地上野戦司令部に引き継ぎ完了です」


 「地上の魔物、約6割の撃破を確認しました」


 艦橋内にオペレーター達の報告が響く。


 「良し本艦はこれより地上に降下、ヒイラギ司令をお迎えした(のち)に本空域を離脱する。制空戦闘機4機と魔導動甲冑2機を随伴させるように地上野戦指令部に交渉せよ」


 艦長が幕僚達に指示を出す。


 「ヒイラギ司令の容体(ようだい)はどうか」


 幕僚の1人が答える。作戦室内でなく艦橋でやり取りしていたために艦長席の周囲に3人の幕僚達が立っていた。戦艦級の広い艦橋内で狭さは感じなかったが艦長は椅子ぐらい持ち込めば良いだろうに、と思いながら質問をした。


 「意識はお持ちですが、儀式の後遺症で未だに魔力過剰(マジックオーバー)状態で身体の自由がきかれないようで車椅子で移動をされるということです」


 「よく急造の野戦陣地に車椅子なんてあったな?」


 艦長はふと、思ったことを口にした。


 「元々、我が軍団(レギオン)の医療体制は充実していましたし、今回は『恵みの雨』の儀式で詠唱隊に体調不良が出ることが予想されていたので多数用意されていたようです。其れよりも、」


 幕僚が苦言を呈する。


 「あぁ、分かっている。司令が乗艦される際が危険だと言うのだろう?上空は魔導動甲冑に警戒させて、地上は我が艦からも警戒要員を出そう」


 「そのこと(なん)ですが」


 「???」


 幕僚が言いにくそうに報告する。


 「ヒイラギ司令が乗艦される際に警備として30名ほど同乗するようです」


 「いささか多い感じがするが、我が艦ならば受け入れ可能だろう?」


 「内訳(うちわけ)ですが、親衛隊が20名、武装侍女隊が10名だそうです」


 「ブホッ!!!」


 比叡艦長は思わずむせた。


 「あの狂信者(マッド)どもが前線に来ていたのか!」


 普段は冷静沈着な艦長が思わず大声を出す。

 説明が遅くなったが、マコトが公爵となりヤマト公国を建国した際に様々な組織が出来た。詳細は割愛させていただくがマコトの身の回りの世話、来客・来賓の対応等のために内外を問わず執事(バトラー)侍女(メイド)が集められ侍従隊が作られた。


 しかし、イ一ジス聖教国の工作員によって引き起こされた軍団(レギオン)の団員の洗脳事件で、マコトが団員に刺され重傷を負った際に、


 『ヒイラギ様の身の安全は軍に任せて置けない!!』


と一種過激な思想が侍従隊内に生まれ、侍従隊の武装化が始まった。最初はスカートや執事服の中に隠せる暗器の類いであったが、やがて予算を獲得して銃火器を所持するようになった。流石に他の部署からも侍従隊の過激な行動に疑問の声が挙がったが最大の反対派閥である軍が過去の失態を持ち出されて沈黙すると声は小さくなった。

 この一件で、流石に侍従隊の上層部も不味いと感じたのか組織改変をし、普通に業務を行う侍従隊、武装し武力行使も辞さない武装侍女隊が編成された。

 勘の良い方は気付かれたかもしれないが、武装侍()隊である。当初、侍従隊上層部は男女混合の武装侍従隊の編成計画をマコトに上奏したのだが、侍従隊の拡大による組織間の軋轢を心配したマコトにより規模縮小を命じられた。そこで、人員を削減した案が検討されたが侍女達が猛反発した。

 彼女達は、出身が貴族、平民と様々であったが女性というだけで男性よりも下に見られる社会を苦々しく思っていた。

 そこに男女関係なく、異人種、奴隷、平民、貴族、王族を受け入れるマコトという異形(イレギュラー)が現れた。実力はあるが性別、身分で差別されていた者達は自然と集まった。

 腕に覚えのある者は軍人に、文系の者は役人に、技術のある者は技術者になった。その中でマコトの思想に信奉した者の一部はその身辺に居るべく侍従隊に入った。

 勿論、侍従隊の全員がそういった思想の者ばかりではない。純粋に給仕の腕を買われてなったような者達も多くいた。だが侍従隊上層部に反発したのはマコトに信奉した者達であった。

 その者達は規模縮小はあり得ない、上奏書類には侍女隊という記載すれば男女が半分になり、数が減ったように見せかけることが出来ると強弁した。執事の男性達に過激な思想の者が少なかったという点もこの主張を後押しした。更に侍従隊上層部の者がマコトに伺いを立てた際に、マコトの


 「武装侍女(メイド)さん?良いね!」


と軽く感じで肯定したのもよくなかったのであろう。

 これにより、侍従隊の中に武装侍女隊という部署がうまれ暴走が始まる。彼女達はマコトを信奉するあまり過激な行動をとるようになる。その伝説は軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)の初期構成員すらも退かせる勢いでヤマト公国内に広まった。


 現在に戻るが、その武装侍女隊は結婚披露式典を控えたマコトの身の回りの世話をするという名目で今回人員を前線に送り込んでいた。そんな中で起きたマコトの体調不良である。武装侍女隊は医師以外の者のマコトへの接近を禁じて厳戒態勢に入った。共に警備に当たっていた親衛隊は武装侍女隊こそがマコトを監禁するのではないかと警戒していた。




 

武装メイドさん、自分の趣味を具現してみました。甘やかしてくれるメイドさんより仕事をテキパキとされるビクトリアンメイド?さんがカッコいいです。外国には専門学校とかあって海外の上流階級とかだと、そういった証明書がない人でないと雇用しないと聞いたことがあります。「とか」ばかりで不確実な話ばかりですね。不愉快に思う方もいらっしゃるかもしれないですが感想で知らせて頂けると修正を検討します。

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