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238話 魔王 22

自動車税やら、水道料金やらいろんなな支払いで給料日の後だというのにすっからかんです。NHKの視聴料金引き下げを延期って何でやねん!!ほとんど見てないのに何千円も引かれるのは地味に痛いねん!!皆さんもそう思いませんか?

 大森林内 ポイント7ー3検問所


 『ポイント7ー3検問所。こちらはスネーク072。援軍を降下させる、援護射撃を頼む』


 多目的戦闘ヘリバイパーが機外拡声器で呼び掛ける。


 「了解!!いいか!?バスから見て3時の方角に射撃を集中させる、魔法使いも居る筈だ。ありったけの弾丸を叩き込め、3・2・1撃て、撃て、撃て!!」


 検問所を襲撃して来た冒険者達も、激しくなった銃声と辺りの樹木の表皮が削れて不用意に立ち上がって矢を放とうとした弓使いが頭を吹き飛ばされて倒れ込んだのを見て、立ち上がるのを止めて地面に伏した。こうした状況判断の早さも命懸けの職業である冒険者の厄介さだ。

 しかし、公国軍はこの貴重な時間の間に増援の武装親衛隊10名が多目的戦闘ヘリの兵員格納庫から飛び降りて着地の瞬間に魔法で衝撃を緩和させていた。


 『スネーク072より検問所、先程攻撃を集中していたエリアに複数の熱源を探知した。ロケット砲により一掃する、物陰に退避せよ!!』


 「全員!バスの陰に退避!!」


 『発射(ファイア)発射(ファイア)


 パシュパシュパシュパシュパシュパシュ!!


 円筒の発射器に均等な間隔で空いた丸い穴から次々とロケット弾が飛び出して行き機体の角度を絶妙に変えてやることで広範囲にロケット弾を送り込む。


 ドカン!ドカン!ドカン!ドカン!


 辺り一面が白煙に包み込まれる。


 「うううっ・・・・」


 爆心地周辺からは、負傷者の呻き声や重傷者の断末魔が聞こえて来る。


 「良し、バスの右側は片付いた。残りの左側の奴らも片付けるぞ!!」


 検問所の指揮官が、部下や武装親衛隊に呼び掛ける。


 『ちょっと待て、空中戦艦比叡からの緊急連絡だ・・・・・ここから3km程の地点に戦争蟻(ウォーアント)の巣を見付けたそうだ。しかも、森林火災の煙で気が高ぶっていたところに、そこの戦闘から逃げ出した冒険者が巣を刺激したようだ。5分後に接敵するぞ!!』


 「疫病神共が!総員残弾を確認しろ。武装親衛隊の指揮官は誰ですかね?こうなったら民間人も含めて比叡に収容してもらうことも考えないといけない」


 1人の武装親衛隊員が進み出る。


 「比叡からはバイパーを5機こちらに回してくれるそうだ。完全武装の兵士8人が乗り込めるバイパーなら40人が乗り込める。検問所の10名、我々10名、バスの乗客乗員20名なら充分だろう。乗客の手荷物の補償は公国が後でしてくれるそうだ」


 親衛隊員はバスから会話を盗み聞きしていた商人達に向かって言った。


 「ヘリの到着まで時間を稼がなければならない。巣の本隊は比叡が砲撃で叩いてくれるらしい。その取りこぼしを我々で10分耐える」


 「接敵まで5分でヘリの到着が10分後。長い5分間になりそうだ。戦争蟻(ウォーアント)ってアレは体長2~3mある働き蟻と5mはある兵隊蟻の群れだろう?しかも雑食。ゾッとするね」


 「給料分働けば良いだけだ。だから公国軍の給料は高い。それにこれは前菜だ、貴君もまさか比叡がたかだか検問所一つの救援に来た訳ではない事は分かるだろう?主菜は森林火災の鎮火だ。いつまでも蟻ごときに関わっている訳にはいかない。では部下達の所に戻りたまえ」


 「はいはい、お偉い親衛隊員様に従いますよ、と」


 検問所の指揮官は会話を打ち切ると部下の所へ戻り、迎撃の準備に取り掛かった。

 検問所にある重機関銃だけでは火力不足の為に国営バスの屋根に設置された12・7mm重機関銃もバスから乗客を下ろして陣地の盾にした。

 迎撃準備を始めた頃から空中戦艦比叡が127mm砲や76mm砲、電磁投射砲(レールガン)で攻撃を開始したのが分かったが、その約5分後、奴らは現れた。

 視界を埋め尽くすようにぎっしりと黒い甲殻の戦争蟻(ウォーアント)の群れが太い樹木は避けつつ、小さな木は薙ぎ倒しながら進んで来る。


 「「発射(ファイア)!!」」


 検問所の公国軍兵士と武装親衛隊は、攻撃範囲を割り振り攻撃が重複しないように気を付けていたが、人数もは同じながらも武装親衛隊は2倍の面積を受け持っていた。


 ギチギチギチギチ!!


 戦争蟻(ウォーアント)は数こそは多かったがほとんどが装甲が薄く、攻撃方法も噛み付きしかない働き蟻がほとんどで、甲殻が厚くて蟻酸を飛ばして来る兵隊蟻は少なかった。もし、兵隊蟻が今の2倍でも多ければ苦戦は(まぬが)れなかったであろう。スネーク072も残ったロケット弾や20mm機関砲を使い防衛戦に貢献していた。

 戦闘が始まり5分後、遂にその時はやって来た。


 「援軍だ!味方のヘリだ!!」


 比叡を発艦したバイパー5機が戦場に到着した。ヘリが着陸できるスペースは検問所部分しかなく、道路の幅は足りずあとは樹木に邪魔をされていた為にヘリは1機ずつ着陸して民間人、公国軍兵、武装親衛隊の順に収容者を収容していった。


 1つの戦場がその幕を閉じたが、事態は未だに終息していない。






誤字脱字報告いつもありがとうございます。引き続き頑張って行きますので感想等応援宜しくお願いします。

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