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237話 魔王 21

最近、ブックマーク等の登録が増えていまして読者の皆様方には感謝でいっぱいです。これからも拙作を宜しくお願いします。

 旧アマゾニア王国地域 古き森(オールドフォレスト)へと至る道路


 1輌の国営バスが1本道の道路を古き森(オールドフォレスト)目指して走っていた。バスと言っても魔物や盗賊の出る世界、各所に補強が施されてバスの屋根には銃座が設けられて1人の兵士が12・7mm重機関銃に取り付き左右の森に睨みを利かせていた。

 バスの中では乗客達が長い道のりに飽きて、手近な乗客と世間話をしていた。


 「いや~、急な災害で街への国営バスが止まると聞いて慌ててこの最終バスに乗り込んで正解でしたわ。何でも大規模な森林火災だとか?」


 「ええ、そうらしいですね。しかし、余り大きな声でおっしゃらない方が良いかと思いますよ。公国上層部は隠しておきたい様ですから。オタク様は街へ商売に?」


 「そうですがな。出来たばかりの街があって食料品価格が高騰していると聞いて手荷物ギリギリまで食料品を持ち込みましたがな!商品の量は少なくなりますが、自分で隊商を組まなくて良い上に、公国軍の護衛も付きますからな。ホンマにこのバスちゅうのはウチらみたいな中小の商人には助かりますわ。ホレ、この乗り物の行者の席の後ろの席の兄さん、目立たないようにしてますが公国軍兵士でっせ」


 「本当ですか?」


 「国営バスを何回も使っとれば分かります。車内に気を配りつつも外にも注意を払っとる、足元に置いてあるのは包みは『銃』ちゅうもんでしょう。周囲を警戒しなければなりませんから儂らみたい商人が何を言ってようがかまやしません」


 「ほうほう!」


 「しかし、森林火災か何か知りまへんがあまり長い間のバスの運行停止は困りますなぁ」


 「・・・・・その心配は杞憂に終わりそうですよ」


 「何で、そんな事が・・・・・・アレは!!」


 国営バスの遥か前方の空を悠々と巨大な飛行物体が飛んでいるのが見えてバスの車内はざわつき出した。


 「アレは、空中巡洋艦?否、空中戦艦?艦名までは分からへんけど公国軍の最強戦力やわ!!」


 「それだけに公国の本気が分かるというものですね」


 「・・・・そうやな。うん?検問みたいやな。こんな森の中でご苦労様やな」


 道路の脇に簡易陣地が設置されて、10人程の公国軍兵士が配備されていた。2輌の高機動車と1輌の3・5tトラックが配備されており、何かあれば自分達ですぐに移動することができる編成なのが分かる。彼らの任務は、道路を使って古き森(オールドフォレスト)に向かう者が居ないかと火災の進行状況の確認であった。

 このような小規模な陣地はいくつもあった。検問の公国軍兵士と国営バスの運転をしている兵士の当たり障りの無い世間話が終わりバスが出発しようとした時だった。

 森の中から複数の矢と火球の攻撃魔法が降り注いだのだ。


 「敵襲!!」


 検問の兵士達と、バスの屋根の重機関銃座から攻撃が来た方向に対して弾幕が張られた。しかし、次の瞬間に先ほどと反対側の森の中から矢が降り注ぎ複数の兵士が負傷した。


 「くそ、奴ら数が多い上に連携が取れてる。通達のあったテトの街の冒険者だ!」


 「良いからバスだけでも離脱させろ!!民間人が居るんだぞ!!」


 そんな彼らを嘲笑うかのように、攻撃魔法が1本の樹に集中して倒れた。道路を塞ぐかたちで。


 「通信手!!援軍を要請してくれ!このままではじり貧だ!!」


 『古き森(オールドフォレスト)守備司令部、こちらポイント7ー3多数の敵の強襲を受けている。民間人の乗ったバスも身動きが取れないでいる、至急援護を請う』


 『こちら古き森(オールドフォレスト)守備司令部、要請を受諾した隣のポイント7ー4より・・・何だコレは、まさか!?』


 『こちらは空中戦艦比叡、こちらで戦闘光が確認できる。本艦より多目的戦闘ヘリ、バイパーで武装親衛隊一個分隊を派遣する。それまで持ちこたえよ。尚、敵の位置が分かれば発煙弾(スモーク)にてマーキングせよ。援護砲撃を行う』


 「空中戦艦比叡だと!この方面に派遣されていたのか!」


 「それよりも比叡に武装親衛隊が居るってことは・・!」


 「あぁ、あの方がいらっしゃるということだ!!」



 空中戦艦比叡 艦橋 


 「閣下、本当に宜しかったので?作戦予定地域までの到着が遅れますが?」


 「そこに危機に陥った味方が居る。それを見殺しにする程、自分は人でなしになったつもりはまだ無いよ?しかし、艦長には気苦労を掛けるな。すまない」


 「いえ!本音を言えば自分も味方を見捨てるのは好きではありません。例え、他の作戦中であったとしてもです!!」


 「わっはははは!!我々は指揮官失格かな?」


 「この軍は全てが閣下の物です。誰にも文句は言わせません!」


 「良し、機関最大、目的地戦闘中の味方陣地!戦闘員がヘリの格納庫(カーゴ)に乗り込み次第、ヘリは発艦せよ!!」


 『こちらスネーク072、準備待機(スタンバイ)!!いつでも行けます!』


 「では、閣下?」


 「うむ!」

 

 「スネーク072、発艦せよ!敵を1人も逃がすな!!」


 『了解しました!!』


 空中戦艦の後部格納庫から滑り出す様に、多目的戦闘ヘリが発艦して行った。









コロナの感染者数は地域によってばらつきがあるようですが、本当にこのままオリンピックは開かれるのでしょうか?アスリートの皆様の実力発揮の場や経済効果等の意味が重要なことは分かりますが。例えどんな結果になったとしても、それを判断するのは我々ではなく未来の批評家なのでしょうね。

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