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232話 魔王 16

世間ではコロナの第3波が収まったはずなのに第4波ともいうべき流行拡大をみせております。ワクチンの話しも聞かないですし、どうなることやら。

 ヤマト公国国境 上空300m


 20騎ほどの天馬騎士(ペガサスナイト)を3機の魔導動甲冑が追跡していた。


 『ゴーレム17からゴーレム16、対象騎は17騎。不揃いの装備からして冒険者の軍団(レギオン)と推測される。排除命令はまだか?以上(オーバー)


 『ゴーレム16からゴーレム17、18。空中管制機(スカイホーク)から方面軍司令部に情報はいっている、軽挙妄動は慎むようにしろ』


 『ゴーレム18から各機、しかしアレでしょう?今度行われる司令の結婚披露宴の何かがイージス聖教国の気に触れたらしくてイージス聖教国が表に裏にとちょっかいを出してきてるって軍の中では噂になっていますよ?今回もその線では?』


 『ゴーレム17からゴーレム18、アイツ等がイージス聖教国の天馬騎士団(ペガサスナイツ)だってのか?』


 『あくまでも噂ですよ噂、しかもイージス聖教国の影響力の強い地域では冒険者ギルドの依頼版に堂々とイージス聖教国教会の名でヤマト公国に対する過激な依頼が貼り出されているって噂もある。国境無き自由な冒険者が聞いて呆れるぜ』


 『・・・・ちょっと待て。空中管制機(スカイホーク)から暗号通信だ。解析中・・・。喜べゴーレム17、条件付きの攻撃命令だ。外部スピーカーで警告を行い従わなければ撃墜せよ、との命令だ。ゴーレム18おしゃべり好きのお前が警告を行え、自分とゴーレム17でその様子を記録する』


 『・・・・ハズレくじかよ。なんて言えば良いんです?近くに強制着陸させれる地形なんてないですよ』


 『進路変更を命じて領土内から追い払えば良い。安心しろ失敗しても近くの航空基地からバイパー多目的攻撃ヘリと戦闘機部隊が要撃に出撃している。安心して高圧的に警告しろ』


 『分かりましたよ「前方を飛行中の天馬乗り(ペガサスライダー)に告げる、貴様らはヤマト公国の領土を侵犯している。ただちに方向転換をせよ、指示に従わなければ撃墜する」とこんな感じか』


 『良くやった、ゴーレム18なかなか良い警告だったぞ。アイツ等はどうするか・・・・何だと!!』


 魔導動甲冑からの警告を受けた天馬騎士(ペガサスナイト)達は隊長騎らしき人物が指示をだすとバラバラに逃げ出した。これには魔導動甲冑部隊の隊長の少佐も驚いた。緊急時の無線周波数で近くのヤマト公国軍部隊に応援要請を発した。



 正体不明の天馬騎士(ペガサスナイト)


 彼らは、イージス聖教国に隣接する小国の冒険者ギルドの銀級の軍団(レギオン)天駆騎士団であった。彼らはイージス聖教国によるドレント王国への聖教化という名の侵略戦争が始まってからは、その機動力を生かして偵察などの依頼を受けて小金を稼いでいた。というのも軍団(レギオン)の団長のA級冒険者が熱心なイージス聖教徒であり、30名近い団員の幹部のほとんどは同じくイージス聖教徒であった。

 ドレント王国で魔王が発生してイージス聖教国が劣勢に立たされてもそのスタンスは変わらなかった。

 ある日、軍団(レギオン)のメンバー達がレギオンハウスで休んでいると団長が怒り心頭といった顔で1枚の依頼書を握り絞めて帰って来た。本来依頼書は冒険者ギルドの受付で処理をして決裁を受けなければならないのだが、その様子はなかった。団長はレギオンハウスのホールに立つと、


 「諸君、許されざるべきことが起きた!!神聖なるイージス聖教国が今まさに邪悪なる魔王との聖戦との真っ最中だというのに、その足を引っ張るような真似をした国があるというのだ!!その名はヤマト公国!ゲシュタルト王国の属国に過ぎない立場にありながらイージス聖教国への物資の輸送を拒んだというのだ!まさに神を恐れぬ所業だ。イージス聖教教会から直々にこの神敵たるヤマト公国への制裁の依頼が冒険者ギルドに貼り出された!これはまさに我々に与えられた使命である!!」


と大声で(のたま)った。

 他の幹部達も集まって熱狂していたが、下部構成員達は冷ややかな視線で見つめていた。ちょっと情報通であればヤマト公国の主たるヒイラギ公爵は元は金級、軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)を率いるS級冒険者であり、国を滅ぼす災厄たる火龍アラドームを軍団(レギオン)単独で討ち取るという神がかった存在であり、いくつかの国との戦争でも斯々(かくかく)たる戦果を挙げているという話にこと欠かなかった。そんな化け物の起こした国にちょっかいを出したらどうなるか、と下部構成員達はサボタージュを決めた。

 そもそも教会からの依頼はヤマト公国の都市で火災を発生させて、その規模や回数で報酬を決めるといった常軌を逸したモノであった。こんな依頼書を受理するということは冒険者ギルド内にも少なくないイージス聖教国の息のかかった者が居ることを示していた。



 再びヤマト公国国境 上空300m


 下部構成員達がサボタージュを決めた為、ヤマト公国の都市への焼き討ちに参加した天駆騎士団の構成員は17騎となったが、団長は攻撃目標を絞り込めば十分な戦果を挙げることができると信じていた。ヤマト公国軍の国境警備隊に領空侵犯直後に発見されるという想定外を除けば。








イージス聖教国はなかなかにねちっこいですね。さまざまな手段でヤマト公国やマコトに嫌がらせをしてくるでしょう。まだまだ穏便に結婚披露宴とはいきません。

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