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229話 魔王 13

何とか投稿にこぎつけました。いやはやなかなか表現が難しいです。今回はネタバレになりますけど前半はそこそこ会話が有りますけど後半が説明文になってしまいました。ちょっとくどいかな?感想お待ちしております。

 労働者の中に紛れ込んでいたイージス聖教国の間者(スパイ)アターシャ・デゴルの取り調べは苛酷を極めた。指示役のイージス聖教の枢機卿は自白を撮影しているとはいえ自決してしまった。他の捕虜も居るがより現場に近い情報を持っているのはやはりアターシャ・デゴルだろう。


 ヤマト公国軍司令部 地下4階 秘匿尋問室


 バシャッ!!


 気を失ったデゴルにバケツの水がぶちまけられた、しかも氷入りだ。室内は冷房がよく効いている。たちまちデゴルは震え出し、歯の根が合わなくなりガチガチと歯を鳴らし出した。デゴルの格好は上半身裸で後ろ手に手錠をされて椅子に座らされて居る。両足も片足ずつ椅子の脚と手錠で繋がれていて立つことも出来ない。口には特別製の拘束具が取り付けられて上手く喋ることはできないが舌を噛むことも出来ない。


 「デゴル、もう一度聞こう。お前の仲間はあと何人居る?」


 尋問役の目だし帽をかぶった憲兵が、デゴルを尋問する。それに対してデゴルはそっぽを向く。


 「残念だ。非常に残念だ」


 尋問役は部屋の隅に居る助手役に合図する。すると助手役の憲兵はバッテリーから伸びたケーブルの先を接触させる。


 バチバチバチバチ!!


 その音を何度も聞いてるデゴルは無理矢理にでも立ち上がろうとして椅子をガタンガタンと鳴らすが立ち上がることは出来ない。


 「少し温まってみるかね?」


 尋問役はデゴルにも分かるように助手役に合図する。すると助手役がケーブルを持ってデゴルに近付く。バチバチという音が近付くにつれてデゴルはさらに暴れる。いきなりデゴルが暴れるのを止めて項垂れるようにして椅子に脱力して寄りかかった。また気絶したのかと尋問役は氷入りのバケツを手にしたが、デゴルは何かを喋っているようだった。助手役が録画しているカメラを近付け、尋問役が口の拘束具を外す。

 喋っているのは地名と名前、その特徴と任務のようだ。それを3人分繰り返し喋っている。拘束されて3日目、尋問開始から2日目でイージス聖教の狂信者は現代式の拷問に屈した。


 デゴルが尋問に屈した次の日には、ゲシュタルト王国内とヤマト公国内で3件の捕り物が行われた。デゴルが拘束された事や仲間が拘束された事を通信の魔導具で知られないように同日同時刻に作戦は実施された。ゲシュタルト王国の王都ゲイボルグ、ヤマト公国公都ノースガルド、元小都市国家連合の港街、この3箇所で捕り物は行われてイージス聖教国の魔の手が及んでいた証人と証拠が押収された。

 この時点でイージス聖教国は政府機能を他国に移し、その軍と応援に駆け付けた連合軍が魔王軍とイージス聖教国国内で衝突して何とか戦線を維持しているといった状態だった。しかし、イージス聖教国亡命政権に驚きの知らせが入る。各国からもたらされていた軍需物資の4割、嗜好品の8割が海路を通り亡命政権のある国へと運ばれていたのが一切入って来る見込みがなくなったという知らせだった。

 現状の維持でも精一杯なのに物資が半減するとなれば死活問題である。亡命政権はその理由を調べると浮かび上がったのはヤマト公国の存在であった。ヤマト公国が、イージス聖教国に向かう輸送船の入港禁止と自国の物資がイージス聖教国に渡らないように禁輸処置を打ち出したのだ。


 すぐにイージス聖教国は、ゲシュタルト王国に駐在している大司教をヤマト公国へと派遣した。しかし、国境の街で大司教はヤマト公国への入国を拒否される。大司教は錯乱したかのようにまだ話しの通じるゲシュタルト王国の貴族等を呼び出しては、ゲシュタルト王国の属国たるヤマト公国がイージス聖教国に楯突くのはゲシュタルト王国がイージス聖教国に楯突くのと同じといった筋の通ってるようで通っていない持論を展開した。これにはゲシュタルト王国の貴族達も困り果て、ヤマト公国の公爵たるマコトに話しだけでもしてやってくれないか?と連名で手紙を送った。これは独立国たるヤマト公国への内政干渉として後にハイマン国王の逆鱗に触れるのであった。

 しかし、この手紙を待ってましたといわんばかりにヤマト公国は国境の街へと使者を送って来た。会見場所は勿論ゲシュタルト王国側である。

 イージス聖教国の大司教はゲシュタルト王国の貴族の屋敷の一室を我がモノ顔で使用していた。会見もそこに使者を呼び寄せる形となった。大司教が割り当てられた室内で待っていると屋敷の執事が現れ使者が到着したことを告げた。大司教は横柄に連れて来るように執事に命じた。しばらくすると、部屋の扉がノックされた。大司教が入室を許可すると、エルフの女性と人種の男性が入って来た。


 「私は軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)団長アリシアと申します」


 「自分はヤマト公国の外交官を任せられておりますエイムと申します」


 2人挨拶もそこそこに大司教は大声を挙げる。


 「イージス聖教国の大司教ノッガーだ。大事な場に亜人を寄越すとはヤマト公国とやらもたかが知れるな!まぁ良い貴様らは歴史と威光あるイージス聖教国に楯突くつもりか!!神は全てを見ておられるぞこの不信心者どもが!!」


 「失礼ですが、ノッガー大司教は情報の入手が遅いようで」


 エイムが発言する。


 「何だと!どういう意味だ!!?」


 「我々ヤマト公国とイージス聖教国は既に準交戦状況に至っております。しかもイージス聖教国による一方的な国主暗殺未遂、破壊工作員の潜入等によりヤマト公国側に被害も発生しております。よって国主ドリンドル公爵は開戦の準備を進めておられます」


 「ななな何だと!!!!」








外交を表現するのが難しいです。なんだか堅苦しくなってしまいました。反省です。今回は今作品と新作「戦争の花嫁bride of war」の同時投稿となっております。そちらも応援宜しくお願いします。感想、評価、ブックマークを頂けますと大変モチベーションがアップします。

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