228話 魔王 12
先週は突然の休載スミマセンでしたm(_ _)m実は夢で新たなる新作の構想を見て忘れないうちに作品にしよう!!と思って作業しておりましたら、今作品を書き上げる時間がなくなっていました。本当にスミマセンでした!!新作「戦争の花嫁 bride of war」も宜しくお願いします。
書類の決裁を行う日々を過ごしながらマコトは情報収集を続けていた。葬送曲及びヤマト公国軍内部の洗脳調査は空振りに終わったが、アリシア達は調査を定期的に行う為の制度づくりに奔走していた。情報は憲兵隊の捕虜の尋問を行っていた部署からもたらされた。聖都カラバ郊外の遺跡で捕虜にした聖職者の中に枢機卿が1人居りその者が召喚された勇者を洗脳する役目であったということを吐かせたのである。しかも、その枢機卿はイージス聖教国の暗部を仕切る幹部の1人でもあった。この者の証言によりマコトを執務室で刺した女性団員が魔物討伐依頼でイージス聖教国を訪れた際に宿で1人になった隙を狙い洗脳を施したこと、ヤマト公国軍司令部の拡張工事の為に雇い入れている労働者の中に洗脳の効果・・・マコトの暗殺を実行させる為の鍵を持った間者が紛れ込んでおりマコトの戴冠式と結婚式の発表が行われて司令部が一時的に混乱した際にその鍵を発動させたであろうことまで白状したが暗殺が未遂に終わったことを知ると神の名を叫び、舌を噛んで自決した。
「憲兵!集めれるだけの兵を集めろ、ネズミ狩りだ!急げ!!」
マコトが執務室の憲兵に命令し憲兵が無線機で応援を呼んでいる間にマコトは執務室にあるガンロッカーを開けると19式7・62mm自動小銃を取り出した。
「司令、3分で10名が応援に来ます!」
「遅い!お前とお前、あと廊下に居る2人で付いて来い!!」
言うなりマコトは執務室の窓から飛び出した。ここは司令部の3階である。
「浮遊!!」
憲兵の1人が着地の衝撃緩和の魔法を唱える。5人がゆっくりと司令部の敷地のコンクリート面に着地する。
「目標は司令部拡張工事中エリア、ゲイボルグから来たアターシャという人種の男30代髭面を探せ、イージス聖教の狂信者だ魔法で自爆するかもしれない注意して対応に当たれ。走れ!!」
憲兵がマコトを守るように左右に2人ずつ並走して一塊になって走った。
間もなく工事用のフェンスに囲まれたエリアが見えて来た。ここには兵舎を建設予定だ。入り口には2人のヤマト公国軍の兵士が立哨に立っていたが咥え煙草をしていたが、走って来るマコト達一団を見て煙草を踏み消して警戒する。
「止まれ!!誰か!!」
憲兵の1人が前に出る。
「公国軍憲兵隊だ!労働者の中に敵対勢力の間者が居る可能性が高い。労働者達は何処か?」
立哨していた兵士達が狼狽する。工事用のフェンスの裏に設けられた詰所から将校が出て来る。
「何かありましたか?・・・司令!?」
マコトが詰め寄り、
「少尉、この工事現場に間者が紛れ込んだようだ。30代髭面のアターシャという男に心当たりは?」
ヤマト公国軍少尉は狼狽しながら、
「その男なら労働者のまとめ役の1人です。今は休憩時間でプレハブに集まっている筈です!」
「案内しろ少尉、部下を連れてな。入り口は封鎖しておけ」
マコトと憲兵、応援に来た憲兵に詰所の兵士10名、総員25人で100人は入れそうなプレハブを囲む。出入口は2ヶ所だ。
「少尉、例の男を呼び出してくれ。席を立ち特定できたら自分と憲兵で制圧する」
「了解しました!」
少尉が1人でプレハブに入って行く。憲兵隊は2ヶ所の出入口を固め、兵士達はプレハブを囲むように展開する。マコトは出入口の1つから中を伺うが付近の労働者達が不思議そうに見てくる。少尉が1人の男に声をかける髭面に30代の男、マコトはスキル鑑定で男を鑑定する。すると、
アターシャ・デゴル 33歳 人種 イージス聖教国出身 イージス聖教狂信者
と出た。アタリだ!!突入の合図を出した。
『アターシャ・デゴル、ヤマト公国軍憲兵隊だ!両手を見えるように上げて膝まづけ!!』
男は懐からナイフを取り出して少尉を人質にしようとしたが、少尉も18式自動拳銃をアターシャの頭に突き付けていた。
「神は偉大なり!!!」
ナイフでそのまま自分の喉を掻き切ろうしたが、
バン!!
マコトの放った7・62mm弾が右肩に突き刺さる。落としたナイフを少尉がアターシャの手の届かない場所に蹴る。
「アターシャ・デゴル、殺人未遂の共犯として逮捕する!!」
傷付いた右肩には簡単に止血がされて、後ろ手にワイヤーで拘束された。他の労働者達は一体何が起こったのか分からない様子だったが憲兵の言い放った殺人未遂という言葉がそこかしこで囁かれるようになった。現場の収束は兵士達に任せてマコトと憲兵隊はアターシャ・デゴルを工事エリアの入口まで迎えに来ていた3・5tトラックに引き上げると荷台の一番奥側に座らせると警戒を続けて司令部へと帰還した。
誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。新作ですが時間がある時に投稿して基本的に今作品で話しを進めて行こうと思います。改めて「戦争の花嫁 bride of war」をお願いします。




